歩章
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「合格おめでとう!」
火影邸での忍者登録の変更手続きを終え戻ると、施設長の横に立つイルカがその気持ちを表現するように腕を広げた。屈託なく笑いかけられて、ようやく中忍試験に合格した実感が湧く。うゆうは掲げられたイルカの手に軽く叩きつけてハイタッチをした。
「この間まで子供スプーンで飯食ってたのに、デカくなったな。」
「成長期だからね。どう、また身長も伸びたの。強そう?」
「いや、うーん。まだまだだな。」
「ひどい。」
むくれてみせようとしたけれどこの浮ついた気持ちではそれも叶わず、二人で同時に吹き出した。
施設長はそれを見て目を細める。
九尾の一件以降三代目火影直々に頼まれ請け負った孤児の保護施設運営であったが、それを機に戦争の最中に生まれ戦う事ばかりだった人生が少しだけマシなものに思えるようになった、と密かに感じていた。きっと子どもたちの姿に未来を見ることができるからなのだろう。
「うゆう、受け取った忍ベストを着なさい。」
「ええ、今ですか?」
「このあと写真館の予約が済んでる。せっかくだから何枚か取って記録しておこうと思ってな。」
忍者であれば己の姿を残す行為は避けたがるものだ。写真技術の必要性は、二十年前の最前線で戦っていた自分には理解することなんてできなかっただろう。いや、忍を辞めた後しばらくのうちも受け入れがたいものだった。その価値観を変えたのは、最近になって自宅の部屋の奥に隠してしまっていたかつての戦友からの手紙を見つけたからだった。
友と同じ戦場に立ち背中を預け合うこともあったが、戦争が激化し人手不足が深刻になるにつれ別の作戦に当たることが多くなっていった。任務の期間もまちまちで、そんな中友とのやり取りは書面に頼ることが多くなった。
すべて処分したはずだったが、と不思議に思って一度開かれた封筒を開いてそして、中から出てきた一枚の写真にしばし時を忘れて見入っていた。
かつての戦友と、その腕に抱かれる赤ん坊。これは彼の子供が無事に生まれたと報せる手紙だった。
戦場に身を置くうちに失ってしまった友との記憶が、その一枚の写真によって鮮明に思い出すことができた。
「写真なんていつでも撮れるんだし、先に飯行こうぜ。俺、腹減った!」
「写真で記録するのも、なかなか良いものだぞ。予約の時間があるからその後飯にしよう。」
「写真かぁ、アカデミー卒業したとき以来、二回目だ。イルカお兄ちゃんも一緒に撮ろう。」
「ええ、俺も?」
「そうだな、三人で撮ろう。」
過去に友が言っていた、家族ができたから強くなった、という言葉が今になってようやく分かった気がした。
火影邸での忍者登録の変更手続きを終え戻ると、施設長の横に立つイルカがその気持ちを表現するように腕を広げた。屈託なく笑いかけられて、ようやく中忍試験に合格した実感が湧く。うゆうは掲げられたイルカの手に軽く叩きつけてハイタッチをした。
「この間まで子供スプーンで飯食ってたのに、デカくなったな。」
「成長期だからね。どう、また身長も伸びたの。強そう?」
「いや、うーん。まだまだだな。」
「ひどい。」
むくれてみせようとしたけれどこの浮ついた気持ちではそれも叶わず、二人で同時に吹き出した。
施設長はそれを見て目を細める。
九尾の一件以降三代目火影直々に頼まれ請け負った孤児の保護施設運営であったが、それを機に戦争の最中に生まれ戦う事ばかりだった人生が少しだけマシなものに思えるようになった、と密かに感じていた。きっと子どもたちの姿に未来を見ることができるからなのだろう。
「うゆう、受け取った忍ベストを着なさい。」
「ええ、今ですか?」
「このあと写真館の予約が済んでる。せっかくだから何枚か取って記録しておこうと思ってな。」
忍者であれば己の姿を残す行為は避けたがるものだ。写真技術の必要性は、二十年前の最前線で戦っていた自分には理解することなんてできなかっただろう。いや、忍を辞めた後しばらくのうちも受け入れがたいものだった。その価値観を変えたのは、最近になって自宅の部屋の奥に隠してしまっていたかつての戦友からの手紙を見つけたからだった。
友と同じ戦場に立ち背中を預け合うこともあったが、戦争が激化し人手不足が深刻になるにつれ別の作戦に当たることが多くなっていった。任務の期間もまちまちで、そんな中友とのやり取りは書面に頼ることが多くなった。
すべて処分したはずだったが、と不思議に思って一度開かれた封筒を開いてそして、中から出てきた一枚の写真にしばし時を忘れて見入っていた。
かつての戦友と、その腕に抱かれる赤ん坊。これは彼の子供が無事に生まれたと報せる手紙だった。
戦場に身を置くうちに失ってしまった友との記憶が、その一枚の写真によって鮮明に思い出すことができた。
「写真なんていつでも撮れるんだし、先に飯行こうぜ。俺、腹減った!」
「写真で記録するのも、なかなか良いものだぞ。予約の時間があるからその後飯にしよう。」
「写真かぁ、アカデミー卒業したとき以来、二回目だ。イルカお兄ちゃんも一緒に撮ろう。」
「ええ、俺も?」
「そうだな、三人で撮ろう。」
過去に友が言っていた、家族ができたから強くなった、という言葉が今になってようやく分かった気がした。
