歩章
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三次試験は個人戦だ。観客に囲まれた武闘場で一対一の勝負となる。勝ち上がり形式のトーナメント戦ではあるが、重視されるのはその内容であり、一回戦で負けてしまったとしても優れた戦術を披露できれば中忍に合格する可能性がある。
今日に向けて施設長と担当上忍に頼み込み修行をつけてもらった。新たな忍術の習得ではなく、今扱える技術を高めることを重視し、体術も忍術もこの短期間で飛躍的に伸びたと実感できた。
私に足りないのは、覚悟や決意といった精神的他部分であると思っている。相手を傷つける恐怖は分かっていたとしてもそう簡単に振り払えるものではない。
私の一回戦目の相手は草隠れの下忍であった。どっしりとした体格をしていて、おそらく五つ程度歳上であろう男子だ。
今回草隠れからこの試験に参加したのは目の前の彼ら小隊一組だけだったと記憶している。お互いに手の内が分からないため、最大限気を張り詰めて戦いに挑む。
相手は見た目の通り体格を活かした接近戦が得意であるらしかった。スピードは私が上回っているが、その拳は地面を割るほどの威力があり、一撃食らうだけでも戦闘不能に陥る危険がある。
「チョロチョロと、避けるだけか?」
ニンマリと挑発するように見下しながら、一定の距離をとってこちらを伺っている。
「一度も私の動きを捉えられていないのだから、大口叩くのは大概にしておいたほうがいいと思いますよ。格好悪いので。」
「この……ッ、ガキが!ぶっ潰してやる!」
分かりやすく挑発し返してやれば真っ直ぐに突っ込んできた下忍は、私の元に辿り着く前にハッとして動きを緩めた。
なぜ草忍は動きを緩めたのか、それはこれまで彼の攻撃を避けつつ仕込んでいたトラップによるものだ。足元の地面に細い天糸を仕込み、踏めば足に絡まって動きを阻害する。強度は劣るがワイヤーよりも細く、気付かれ難さに優れる。また、その天糸にチャクラを流せば、人体を切り刻むことだって可能だ。
出来た隙を見逃すはずもなく、最大限の速さで距離を詰め彼の肘を打つ。人体において関節は脆い箇所である。衝撃は神経に響いて三十秒は痺れを伴うはずだ。
大振りになった彼の動きを最小限の動きで避け往なす。今度はワイヤーを使い、その巨体を絡めあげ締める。ここまですれば勝敗はもう決まったも同然であった。
身動きも取れず、地に伏せた草忍は悔しさからか顔を歪め唇を噛み締めている。降参を言うつもりはないらしい。
締め上げるワイヤーにチャクラを流すと、相手の皮膚を裂いて血を滲ませる。
ここでようやく試験官は勝負あり、と告げたのだった。
今日に向けて施設長と担当上忍に頼み込み修行をつけてもらった。新たな忍術の習得ではなく、今扱える技術を高めることを重視し、体術も忍術もこの短期間で飛躍的に伸びたと実感できた。
私に足りないのは、覚悟や決意といった精神的他部分であると思っている。相手を傷つける恐怖は分かっていたとしてもそう簡単に振り払えるものではない。
私の一回戦目の相手は草隠れの下忍であった。どっしりとした体格をしていて、おそらく五つ程度歳上であろう男子だ。
今回草隠れからこの試験に参加したのは目の前の彼ら小隊一組だけだったと記憶している。お互いに手の内が分からないため、最大限気を張り詰めて戦いに挑む。
相手は見た目の通り体格を活かした接近戦が得意であるらしかった。スピードは私が上回っているが、その拳は地面を割るほどの威力があり、一撃食らうだけでも戦闘不能に陥る危険がある。
「チョロチョロと、避けるだけか?」
ニンマリと挑発するように見下しながら、一定の距離をとってこちらを伺っている。
「一度も私の動きを捉えられていないのだから、大口叩くのは大概にしておいたほうがいいと思いますよ。格好悪いので。」
「この……ッ、ガキが!ぶっ潰してやる!」
分かりやすく挑発し返してやれば真っ直ぐに突っ込んできた下忍は、私の元に辿り着く前にハッとして動きを緩めた。
なぜ草忍は動きを緩めたのか、それはこれまで彼の攻撃を避けつつ仕込んでいたトラップによるものだ。足元の地面に細い天糸を仕込み、踏めば足に絡まって動きを阻害する。強度は劣るがワイヤーよりも細く、気付かれ難さに優れる。また、その天糸にチャクラを流せば、人体を切り刻むことだって可能だ。
出来た隙を見逃すはずもなく、最大限の速さで距離を詰め彼の肘を打つ。人体において関節は脆い箇所である。衝撃は神経に響いて三十秒は痺れを伴うはずだ。
大振りになった彼の動きを最小限の動きで避け往なす。今度はワイヤーを使い、その巨体を絡めあげ締める。ここまですれば勝敗はもう決まったも同然であった。
身動きも取れず、地に伏せた草忍は悔しさからか顔を歪め唇を噛み締めている。降参を言うつもりはないらしい。
締め上げるワイヤーにチャクラを流すと、相手の皮膚を裂いて血を滲ませる。
ここでようやく試験官は勝負あり、と告げたのだった。
