歩章
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バシバシ、とぶつかり合う音が響く。
イタチとの組み手の勝率は、十回やれば一本取れるかどうか、くらいだろうか。一瞬でも気を抜けばすぐに背中を地面につけることになる。この緊張感はどこか心が満たされる心地がする。
自分のチャクラが体に馴染む。
「休憩しよう。」
シスイに声をかけられてイタチとともに彼のもとに寄る。体に溜まった疲労が充足感に変わる。
「シスイ、俺達の手合せで気付いたことは全部言ってくれ。」
「そう急かすな。座れよ。」
手合わせの振り返りをしつつ、肩の力を抜く。空は徐々に夕に染まり始めていた。
「ねえ、二人に確認したいことがあるんだけど、少し耳を貸してくれる?」
「なんだ?」
「この間、これくらいの時間に南賀ノ神社に行こうとしたら一族内の祭事があるからって止められてね。」
その祭事に少し興味があるんだけど。と続けようとしてしかし、音を発することはできなかった。二人の顔が強ばっていたからだ。
背が固まって、動きを止める。
「あまり、そのことは探らないでくれ。」
「……分かった。」
「一つ、うゆうに忠告しておかなきゃいけない。あまり俺ら一族の歴史について探り回らないほうがいい。」
「……。」
そう言われて、噂はやはり正しいのか。と一気に頭が重くなった。
里の興りより続く強すぎる瞳術に対する不信感は、九尾が再度里を襲ったことでかつてない高まりになっている。一族と里の間でいつ切れるかも分からない糸を引っ張り合っている状態だ。
「うちはの二人に話すべきか、まだちょっと迷ってるけど。」
遠くを眺めて、迷いつつも伝えたいことを音にする。
本当は言うべきではないかもしれない。けれど、二人なら受け止めてくれるだろうと期待する自分もいる。きっとそうだ。
「もし三代目が次の五代目火影を決めるとしたら、戦功のある大人の忍の誰かだと思う。」
突然振られた、思ってもなかった話題にイタチとシスイは顔を見合わせる。先程までの話題と、次期火影の話とが直接結びつかなかったのだろう。わたしにとって、里の歴史と里に所属する各一族の歴史は切って離せないものなのだが。
「初代火影様と相対した事実と、前の九尾の事件で疑われている部分があるから、五代目にうちは一族は選出されないと思うけど……。わたし、六代目はシスイさんだったらいいなって思ってるの。」
パチ、と子供らしくて丸い大きい目がシスイを見る。
「シスイが六代目か、それは良いな。」
「おいおい、イタチまで…。二人してオレのことをからかってるのか?」
「まさか!これは私の本心だよ。そうなったら良いなって。」
「そういううゆうが火影になるかもしれないな。」
その可能性も十分にある。イタチからすればむしろこの考えがあるからこそ三人の中ではうゆうも火影になる未来は簡単に想像できる。しかし本人はすぐに否定した。
「え、いや、それはないよ。うちはの血を引いていて優しくて強いシスイだから、なるって思ったんだから。」
「オレのこと、そんなに評価していてくれたのか。知らなかったな。」
「シスイは優しくて強いよ。」
そう言い切ったうゆうを、イタチは眩しそうに見た。
そうなったら良い、本当に実現できたらどんなに良いか。
イタチとの組み手の勝率は、十回やれば一本取れるかどうか、くらいだろうか。一瞬でも気を抜けばすぐに背中を地面につけることになる。この緊張感はどこか心が満たされる心地がする。
自分のチャクラが体に馴染む。
「休憩しよう。」
シスイに声をかけられてイタチとともに彼のもとに寄る。体に溜まった疲労が充足感に変わる。
「シスイ、俺達の手合せで気付いたことは全部言ってくれ。」
「そう急かすな。座れよ。」
手合わせの振り返りをしつつ、肩の力を抜く。空は徐々に夕に染まり始めていた。
「ねえ、二人に確認したいことがあるんだけど、少し耳を貸してくれる?」
「なんだ?」
「この間、これくらいの時間に南賀ノ神社に行こうとしたら一族内の祭事があるからって止められてね。」
その祭事に少し興味があるんだけど。と続けようとしてしかし、音を発することはできなかった。二人の顔が強ばっていたからだ。
背が固まって、動きを止める。
「あまり、そのことは探らないでくれ。」
「……分かった。」
「一つ、うゆうに忠告しておかなきゃいけない。あまり俺ら一族の歴史について探り回らないほうがいい。」
「……。」
そう言われて、噂はやはり正しいのか。と一気に頭が重くなった。
里の興りより続く強すぎる瞳術に対する不信感は、九尾が再度里を襲ったことでかつてない高まりになっている。一族と里の間でいつ切れるかも分からない糸を引っ張り合っている状態だ。
「うちはの二人に話すべきか、まだちょっと迷ってるけど。」
遠くを眺めて、迷いつつも伝えたいことを音にする。
本当は言うべきではないかもしれない。けれど、二人なら受け止めてくれるだろうと期待する自分もいる。きっとそうだ。
「もし三代目が次の五代目火影を決めるとしたら、戦功のある大人の忍の誰かだと思う。」
突然振られた、思ってもなかった話題にイタチとシスイは顔を見合わせる。先程までの話題と、次期火影の話とが直接結びつかなかったのだろう。わたしにとって、里の歴史と里に所属する各一族の歴史は切って離せないものなのだが。
「初代火影様と相対した事実と、前の九尾の事件で疑われている部分があるから、五代目にうちは一族は選出されないと思うけど……。わたし、六代目はシスイさんだったらいいなって思ってるの。」
パチ、と子供らしくて丸い大きい目がシスイを見る。
「シスイが六代目か、それは良いな。」
「おいおい、イタチまで…。二人してオレのことをからかってるのか?」
「まさか!これは私の本心だよ。そうなったら良いなって。」
「そういううゆうが火影になるかもしれないな。」
その可能性も十分にある。イタチからすればむしろこの考えがあるからこそ三人の中ではうゆうも火影になる未来は簡単に想像できる。しかし本人はすぐに否定した。
「え、いや、それはないよ。うちはの血を引いていて優しくて強いシスイだから、なるって思ったんだから。」
「オレのこと、そんなに評価していてくれたのか。知らなかったな。」
「シスイは優しくて強いよ。」
そう言い切ったうゆうを、イタチは眩しそうに見た。
そうなったら良い、本当に実現できたらどんなに良いか。
