歩章
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最近になって下される任務は徐々に難易度が上がってきたように感じる。それでも日付が変わる前に部屋に帰れるのだからまだマシだ。中忍、上忍、とランクが上がっていけばきっと朝も夜もない日々が待ってる。
十分に体を休めて翌日。午前中に家事と図書館へ借りた蔵書を返却する用事を済ませる。そろそろ図書館の目ぼしい本全てに目を通してしまう。
これまでに里の歴史や戦時中の時系列はかなり把握できたので、国内の各地を巡るのもいい。何かをきっかけに記憶が蘇るかもしれない。
「うゆう!久しぶりだな。」
「シスイさん!」
よう、と片手を上げる彼に走り寄る。
「アカデミー卒業したんだって?」
「確かにそうですが、誰かに聞きました?」
「イタチといい、噂になってたぞ。まあ、フガクさんの家に泊まったときほどじゃないけどな。」
「からかってますね!もう。」
「はは、悪い。卒業おめでとう。」
アカデミーを卒業したのは十歳になる直前。戦時中であればそう目立つこともなかったのだろうけど、六年在籍が推奨されるようになってからの飛び級は多少話題性のある事柄になったらしい。さすがにイタチほどの話題性はないようで少し安心する。
「シスイさんの噂もたまに聞きますよ。たくさん活躍されているようですね。」
「まあな。」
「やっぱり、忍者が活躍するくらいには国境いは不安定だってことなんでしょう。」
「そう心配するな。詳しいことは言えないけど、だいぶ落ち着いている方だからさ。」
わしわし、まるで犬でも撫でるかのように髪の毛を混ぜられる。私の頭を撫でる人はあまり多くないので不思議な感じがする。
「今日は非番なのか。」
「はい。シスイさんも、ですか?」
彼はとてもラフな格好をしていた。忍装束の姿ばかり見ていたから、少し見慣れない。
「明日の早朝にはまた里を出るんだが、それまではゆっくりするつもりだ。」
「そうなんですね。ちゃんと休んでくださいね、イタチと修行とか言って無理してたら怒りますよ。」
「うーん、そうだな、無理はしないさ。体は動かすけど。うゆうはどこか出かけるのか?」
「はい。うちはの集落の方に。ご一緒しても?」
「もちろん良いが……。少し寄るところがある。」
ついて行った先は生薬を扱う薬局だ。その外で彼の用事を待つ。元気そうに見えたけれどどこか体調が悪いのだろうか?
すぐに彼は外に出てきた。その腕には紙袋があって、薬っぽさのある独特な匂いを纏っている。
「これ、俺のじゃなくてさ、親父のなんだ。」
「お父さん…。」
「気休めかもしれないけどさ、やっぱり調子がいい時が長いほうが良いだろ。」
「うん。」
「悪いな、あんま気を遣わせるつもりはなかったんだ。」
どう答えていいものか、考えた末にゆるく首を振った。ぽつぽつと会話をして、少しずつ話題が逸れていく。
うちはの集落と修行に使っている森の分かれ道で、シスイが僅かにこちらに視線を投げた。
「今日は南賀ノ神社に用があるんです。」
「あの神社に?」
「里の歴史に興味があって、うちは一族は里の興りより前から歴史がありますから。」
たしかにな、とシスイは相槌を打つ。
「本当に、イタチと同じようなことを考えるんだな。あいつと双子じゃないのが不思議になるよ。」
「イタチのほうがすごいですよ。考え方がずっと先を見据えている感じがするんです。あの隙のなさは忍者として見習いたいなあ。」
「最初こそ大丈夫か心配したけど、ちゃんと友達になれたみたいでよかった。」
うちはを囲う塀の門をくぐる。
「私も、イタチとシスイと友達になれてよかった。」
心の底からの言葉。本心だった。
十分に体を休めて翌日。午前中に家事と図書館へ借りた蔵書を返却する用事を済ませる。そろそろ図書館の目ぼしい本全てに目を通してしまう。
これまでに里の歴史や戦時中の時系列はかなり把握できたので、国内の各地を巡るのもいい。何かをきっかけに記憶が蘇るかもしれない。
「うゆう!久しぶりだな。」
「シスイさん!」
よう、と片手を上げる彼に走り寄る。
「アカデミー卒業したんだって?」
「確かにそうですが、誰かに聞きました?」
「イタチといい、噂になってたぞ。まあ、フガクさんの家に泊まったときほどじゃないけどな。」
「からかってますね!もう。」
「はは、悪い。卒業おめでとう。」
アカデミーを卒業したのは十歳になる直前。戦時中であればそう目立つこともなかったのだろうけど、六年在籍が推奨されるようになってからの飛び級は多少話題性のある事柄になったらしい。さすがにイタチほどの話題性はないようで少し安心する。
「シスイさんの噂もたまに聞きますよ。たくさん活躍されているようですね。」
「まあな。」
「やっぱり、忍者が活躍するくらいには国境いは不安定だってことなんでしょう。」
「そう心配するな。詳しいことは言えないけど、だいぶ落ち着いている方だからさ。」
わしわし、まるで犬でも撫でるかのように髪の毛を混ぜられる。私の頭を撫でる人はあまり多くないので不思議な感じがする。
「今日は非番なのか。」
「はい。シスイさんも、ですか?」
彼はとてもラフな格好をしていた。忍装束の姿ばかり見ていたから、少し見慣れない。
「明日の早朝にはまた里を出るんだが、それまではゆっくりするつもりだ。」
「そうなんですね。ちゃんと休んでくださいね、イタチと修行とか言って無理してたら怒りますよ。」
「うーん、そうだな、無理はしないさ。体は動かすけど。うゆうはどこか出かけるのか?」
「はい。うちはの集落の方に。ご一緒しても?」
「もちろん良いが……。少し寄るところがある。」
ついて行った先は生薬を扱う薬局だ。その外で彼の用事を待つ。元気そうに見えたけれどどこか体調が悪いのだろうか?
すぐに彼は外に出てきた。その腕には紙袋があって、薬っぽさのある独特な匂いを纏っている。
「これ、俺のじゃなくてさ、親父のなんだ。」
「お父さん…。」
「気休めかもしれないけどさ、やっぱり調子がいい時が長いほうが良いだろ。」
「うん。」
「悪いな、あんま気を遣わせるつもりはなかったんだ。」
どう答えていいものか、考えた末にゆるく首を振った。ぽつぽつと会話をして、少しずつ話題が逸れていく。
うちはの集落と修行に使っている森の分かれ道で、シスイが僅かにこちらに視線を投げた。
「今日は南賀ノ神社に用があるんです。」
「あの神社に?」
「里の歴史に興味があって、うちは一族は里の興りより前から歴史がありますから。」
たしかにな、とシスイは相槌を打つ。
「本当に、イタチと同じようなことを考えるんだな。あいつと双子じゃないのが不思議になるよ。」
「イタチのほうがすごいですよ。考え方がずっと先を見据えている感じがするんです。あの隙のなさは忍者として見習いたいなあ。」
「最初こそ大丈夫か心配したけど、ちゃんと友達になれたみたいでよかった。」
うちはを囲う塀の門をくぐる。
「私も、イタチとシスイと友達になれてよかった。」
心の底からの言葉。本心だった。
