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「まさかうゆうが料理出来るなんて知らなかった。ご馳走様!」
「食器は自分で洗ってね。」
「ああ、もちろん。」
施設長に許可をもらいそのついでに買い物を済ませて鶏の照り焼きを作った。キッチンにはコンロがふた口あるので味噌汁もついでに。
私にとっては久しぶりで、そして初めての料理となったわけだが、兄とレシピ本を見ながら作ったため味付けは失敗しなかった。焼いている途中に兄が待ちきれないと強火にしたツマミを戻したくらい。鶏肉は火が通りにくい上に食中りしたら症状が重く出ることもある、時間をかけないといけないのだと注意をした。
イルカが立つシンクに食器を持っていったら、ついでに洗ってくれた。まくった袖から延びる腕が前よりも筋肉がついて逞しくなったように見える。きっと所属する班の上忍師から鍛えられているのだろう。
「アカデミーはどうだ?ちゃんと通ってるのか?」
「真面目に通ってるよ。当然じゃない。」
「そりゃうゆうがサボるとは思ってないよ。オレが言いたいのはそうじゃなくて、友達とうまくやってるのか、ってとこだ。」
「クラスメートの全員と話をするくらいにはうまくやってるよ。」
片付けまで終わったらはやく帰らなくてはいけないのだけど、少しくらいゆっくりしてもいいだろう。新しい施設は里の外れから移転したためそう遠くはない。
「ねえ、忍者になって、やっぱり忙しい?」
「まあ、ほぼ毎日任務はあるな。今日は早く終わったけど、夜までかかることも多いし、早く終わってもその後に修行つけてもらったりもするし……。」
「そうだよね。実は誰かに修行をつけてもらえないかと思ってて、イルカお兄ちゃんだったら気心知った仲だし良いなって思って、」
ここまで言って、さすがに自分勝手すぎたかと反省をした。彼に近付いたきっかけとなる理由ではあるが、こうして兄妹のような親しい関係になれるとは思っていなかった。利用するだけ利用する、というのは気が引けるようになってしまった。
アカデミーの授業は正直に言えば簡単だ。忍者になる可能性が私の中に生じた時からずっと、生き残るために必要になる知識や技術を吸収してきたのだ。アカデミーの教科書だってイルカが生徒だった頃にすっかり読破してしまっている。組手や手裏剣といった実践授業はまだ受けるだけの価値はあるだろうとは感じるのだが。
体術や忍具の扱い、それに忍術のレパートリーを増やすべく自分で修行はしている。それでも一人では限界があるのだ。
「……それならさ、施設長に頼んでみたらいいんじゃないか?ほら、あのオッサンも前線で部隊長してた、って聞いたことあるし。」
イルカの提案に、思わず目が開く。
そうだ、たしかに。施設長なら任務に出ることはないし、まあ今も業務に忙しいだろうが少し忍術を見てアドバイスをもらったり相談に乗ってもらうくらいならできそうである。
そうと決まれば早速行動しなくては。善は急げ、時は金なり。
「うん、うん、そうする。早速頼んでみる。ありがとう、お兄ちゃん!」
「あ、おい、待て!走るな!送るように頼まれてるんだから。」
靴を履いて玄関を飛び出す手前、肩を掴まれて静止を受ける。
「落ち着いてるようで、案外猪突猛進なところがあるよな。」
ははは、と愉快そうに笑った兄は、逸る頭を二度軽く叩いた。
「食器は自分で洗ってね。」
「ああ、もちろん。」
施設長に許可をもらいそのついでに買い物を済ませて鶏の照り焼きを作った。キッチンにはコンロがふた口あるので味噌汁もついでに。
私にとっては久しぶりで、そして初めての料理となったわけだが、兄とレシピ本を見ながら作ったため味付けは失敗しなかった。焼いている途中に兄が待ちきれないと強火にしたツマミを戻したくらい。鶏肉は火が通りにくい上に食中りしたら症状が重く出ることもある、時間をかけないといけないのだと注意をした。
イルカが立つシンクに食器を持っていったら、ついでに洗ってくれた。まくった袖から延びる腕が前よりも筋肉がついて逞しくなったように見える。きっと所属する班の上忍師から鍛えられているのだろう。
「アカデミーはどうだ?ちゃんと通ってるのか?」
「真面目に通ってるよ。当然じゃない。」
「そりゃうゆうがサボるとは思ってないよ。オレが言いたいのはそうじゃなくて、友達とうまくやってるのか、ってとこだ。」
「クラスメートの全員と話をするくらいにはうまくやってるよ。」
片付けまで終わったらはやく帰らなくてはいけないのだけど、少しくらいゆっくりしてもいいだろう。新しい施設は里の外れから移転したためそう遠くはない。
「ねえ、忍者になって、やっぱり忙しい?」
「まあ、ほぼ毎日任務はあるな。今日は早く終わったけど、夜までかかることも多いし、早く終わってもその後に修行つけてもらったりもするし……。」
「そうだよね。実は誰かに修行をつけてもらえないかと思ってて、イルカお兄ちゃんだったら気心知った仲だし良いなって思って、」
ここまで言って、さすがに自分勝手すぎたかと反省をした。彼に近付いたきっかけとなる理由ではあるが、こうして兄妹のような親しい関係になれるとは思っていなかった。利用するだけ利用する、というのは気が引けるようになってしまった。
アカデミーの授業は正直に言えば簡単だ。忍者になる可能性が私の中に生じた時からずっと、生き残るために必要になる知識や技術を吸収してきたのだ。アカデミーの教科書だってイルカが生徒だった頃にすっかり読破してしまっている。組手や手裏剣といった実践授業はまだ受けるだけの価値はあるだろうとは感じるのだが。
体術や忍具の扱い、それに忍術のレパートリーを増やすべく自分で修行はしている。それでも一人では限界があるのだ。
「……それならさ、施設長に頼んでみたらいいんじゃないか?ほら、あのオッサンも前線で部隊長してた、って聞いたことあるし。」
イルカの提案に、思わず目が開く。
そうだ、たしかに。施設長なら任務に出ることはないし、まあ今も業務に忙しいだろうが少し忍術を見てアドバイスをもらったり相談に乗ってもらうくらいならできそうである。
そうと決まれば早速行動しなくては。善は急げ、時は金なり。
「うん、うん、そうする。早速頼んでみる。ありがとう、お兄ちゃん!」
「あ、おい、待て!走るな!送るように頼まれてるんだから。」
靴を履いて玄関を飛び出す手前、肩を掴まれて静止を受ける。
「落ち着いてるようで、案外猪突猛進なところがあるよな。」
ははは、と愉快そうに笑った兄は、逸る頭を二度軽く叩いた。
