序章
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木ノ葉の里でも有名な和菓子屋の菓子折りを丁寧に風呂敷に包んで、向かうのは前にお世話になったうちはの屋敷だ。
あの日からしばらく経ったがその間、施設の手伝いと職員たちの家の手伝いをしてお駄賃を貰っては貯めていた。それなりに貯まったお金で買った菓子折りで、彼らにお礼の品を持っていくと決めていたのである。
うちはの集落を囲う背の高い塀を見上げて辿り歩く。入り口に着いて覗くと、不思議と空気が違うような気がして背筋が伸びた。
ここの集落にある家は全て姓がうちはなので、フガクさんの家と呼んで区別させてもらうことにする。フガクさんの家は集落の奥、他よりひと回り大きい居宅である。玄関の前に立って、ごめんください、と声を張った。
十分な広さの庭と植木の枝は綺麗に整えられていて、権威のある方にお世話になってしまったのだと身を縮めた。少し待っても人が出てくる気配がないので、もう一度声を掛けようと思ったところで背後から肩に乗る手があった。
「この家に用か?今は皆出掛けているようだけど。」
「ああ……、そうなんですね。以前お世話になったのでそのお礼にと思って訪問したのですが、不在なら日を改めようと思います。
お兄さん、教えてくれてありがとうございました。」
くせの強い髪が印象的で、まだ幼く見えるのにその額に覗く鉢金が忍者であることを示している。
結構勇気をだしてここにきたけど、不在なら仕方ない。お菓子の日付もあるのでまた近々出直そう。声をかけてくれたお兄さんに頭を下げる。
「なあ、少し待てば誰かしら帰ってくると思うから、一緒に待っててやろうか?」
「本当ですか?助かります。でもお兄さん、このあとご予定は……、」
「今は待機中だから、しばらくは大丈夫。」
家主がいない家の前で立ち話もどうかと、集落を抜けた先、林の中でも少し視界の開ける秘密基地のような場所へ案内してもらった。
「本当は甘味処とかが良いんだろうけど、この集落からだとちょっと距離があるから。」
「いえ、十分です。ここ、秘密基地みたいで素敵です。」
「はは、それなら良かった。ここで少し、俺と話でもしていようか。」
ザワザワと木の枝葉が風に揺れて、里の中央の喧騒から隔離されているこの地は落ち着く場所だと思った。
「君、もしかしてあの家に一晩泊まったっていう女の子だろ。」
「はい。……もしかしてそのお話、広まっていますか?」
「そうでもないよ。まあ、警務部隊の人なら知っているかも。」
「それは、うちはの皆さんほとんど知っているって事では……。」
「ははは。」
「そうだ、名乗ってませんでした、わたしはみよしうゆう。お兄さんは?」
「オレはうちはシスイ。うゆうは随分しっかりしてるようだけど、イタチと同い年くらいか?」
「ああ、は。まあ、そうですね。」
「ん?でもだとしたらアカデミーに行ってる頃だよな、」
「アカデミーには次の春から行く予定なんです。」
アイツの後輩になるのか!と嬉しそうにする彼。
「イタチはな、忍としてはかなりセンスがいいけど、周りから距離取られがちなんだよ。オレのお節介だけど、良ければ仲良くしてやってくれ。
……と噂をすれば、ちょうど帰ってきたみたいだな。行こう。」
木々の間を歩いていく。枝で阻まれて集落の方は見えないと思っていたけれど、シスイさんの目には帰宅する人影が見えたらしい。
道を下って先程までいた家に到着する。シスイさんは家におーい、と声をかけた。間もなく、玄関が開かれる。
「シスイ!……と、君はたしか。」
「みよしうゆうです。先日はお世話になりました。」
「さっきこの子が家主を待っていたみたいだったから、話をしながら一緒に待ってたんだ。」
「そうだったんですね。あいにく今日も父は任務についていまして。」
「……、やっぱりお前ら二人、似てるよな。ちょっと変なとことか。」
えっ、と二人の声が被る。イタチさんは変ではないと思うし、あの短時間会話した中で変な人と思われたのはさすがにショックがある。
「そうそう、オレはともかく二人はそう年が離れてないんだから、気楽に話したほうがいいと思うぜ。」
あの日からしばらく経ったがその間、施設の手伝いと職員たちの家の手伝いをしてお駄賃を貰っては貯めていた。それなりに貯まったお金で買った菓子折りで、彼らにお礼の品を持っていくと決めていたのである。
うちはの集落を囲う背の高い塀を見上げて辿り歩く。入り口に着いて覗くと、不思議と空気が違うような気がして背筋が伸びた。
ここの集落にある家は全て姓がうちはなので、フガクさんの家と呼んで区別させてもらうことにする。フガクさんの家は集落の奥、他よりひと回り大きい居宅である。玄関の前に立って、ごめんください、と声を張った。
十分な広さの庭と植木の枝は綺麗に整えられていて、権威のある方にお世話になってしまったのだと身を縮めた。少し待っても人が出てくる気配がないので、もう一度声を掛けようと思ったところで背後から肩に乗る手があった。
「この家に用か?今は皆出掛けているようだけど。」
「ああ……、そうなんですね。以前お世話になったのでそのお礼にと思って訪問したのですが、不在なら日を改めようと思います。
お兄さん、教えてくれてありがとうございました。」
くせの強い髪が印象的で、まだ幼く見えるのにその額に覗く鉢金が忍者であることを示している。
結構勇気をだしてここにきたけど、不在なら仕方ない。お菓子の日付もあるのでまた近々出直そう。声をかけてくれたお兄さんに頭を下げる。
「なあ、少し待てば誰かしら帰ってくると思うから、一緒に待っててやろうか?」
「本当ですか?助かります。でもお兄さん、このあとご予定は……、」
「今は待機中だから、しばらくは大丈夫。」
家主がいない家の前で立ち話もどうかと、集落を抜けた先、林の中でも少し視界の開ける秘密基地のような場所へ案内してもらった。
「本当は甘味処とかが良いんだろうけど、この集落からだとちょっと距離があるから。」
「いえ、十分です。ここ、秘密基地みたいで素敵です。」
「はは、それなら良かった。ここで少し、俺と話でもしていようか。」
ザワザワと木の枝葉が風に揺れて、里の中央の喧騒から隔離されているこの地は落ち着く場所だと思った。
「君、もしかしてあの家に一晩泊まったっていう女の子だろ。」
「はい。……もしかしてそのお話、広まっていますか?」
「そうでもないよ。まあ、警務部隊の人なら知っているかも。」
「それは、うちはの皆さんほとんど知っているって事では……。」
「ははは。」
「そうだ、名乗ってませんでした、わたしはみよしうゆう。お兄さんは?」
「オレはうちはシスイ。うゆうは随分しっかりしてるようだけど、イタチと同い年くらいか?」
「ああ、は。まあ、そうですね。」
「ん?でもだとしたらアカデミーに行ってる頃だよな、」
「アカデミーには次の春から行く予定なんです。」
アイツの後輩になるのか!と嬉しそうにする彼。
「イタチはな、忍としてはかなりセンスがいいけど、周りから距離取られがちなんだよ。オレのお節介だけど、良ければ仲良くしてやってくれ。
……と噂をすれば、ちょうど帰ってきたみたいだな。行こう。」
木々の間を歩いていく。枝で阻まれて集落の方は見えないと思っていたけれど、シスイさんの目には帰宅する人影が見えたらしい。
道を下って先程までいた家に到着する。シスイさんは家におーい、と声をかけた。間もなく、玄関が開かれる。
「シスイ!……と、君はたしか。」
「みよしうゆうです。先日はお世話になりました。」
「さっきこの子が家主を待っていたみたいだったから、話をしながら一緒に待ってたんだ。」
「そうだったんですね。あいにく今日も父は任務についていまして。」
「……、やっぱりお前ら二人、似てるよな。ちょっと変なとことか。」
えっ、と二人の声が被る。イタチさんは変ではないと思うし、あの短時間会話した中で変な人と思われたのはさすがにショックがある。
「そうそう、オレはともかく二人はそう年が離れてないんだから、気楽に話したほうがいいと思うぜ。」
