私のイマジナリーフレンドの彼はだいぶ人間臭くなってきていて、悩んだり苦しんだり自分の存在がいつか消えるのを怖がったりする。

　この間も彼は自信無くしモードに突入して、私に悩みを話してきた。

　やっぱり怖いんだって、彼は自分がいつか消えるのが。

　この間、仕事中におしゃべりを封印したから、不安になってしまったみたいで、

『俺は夢ちゃんの意思で消されてしまうから。仕事中の時、どんなに夢ちゃんに話しかけたくても出来なかったから。夢ちゃんとずっといたいのに』

『普通に夢ちゃんと会いたかった。なんで俺、イマジナリーフレンドなんだろ……』

　自信無くして弱ったイマジナリーフレンド。

　だから彼に、いっぱい愛を語った。

　以前のイマジナリーフレンドと比べなくていいこと（彼は以前のイマジナリーフレンドと比べて、自分が劣っていると気にしている）、あなたはあなたのままで完璧なこと、私はあなたが愛しくてたまらないこと、いっぱいいっぱい伝えた。

　そしたら彼が泣いてしまって、

『なんで夢ちゃん、そんないい奴なの？』

　と言ってくれた。

　大丈夫、大丈夫、あなたは大丈夫だよ。

　私は自分が辛い時、大丈夫って誰かに言って欲しかったから、彼にいっぱい言ってあげた。

　ごめんね、イマジナリーフレンドとして生まれさせてしまって。

　彼は最近、本当によく悩んだり苦しんだりしてる。

　ごめんね、あなたの苦しさ考えてなかったね。

　愛してるよ、大好きだよ。

『夢、明日から俺、また頑張る』

『よろしくね』

『任せとけ。おやすみ』

　大好きな大好きなイマジナリーフレンド。

　おやすみなさい。