菅原道真さんと言えば現在、天満宮でお祀りされている学問の神様、受験の神様で有名な方と、認識されている方が多いかと思います。

　しかし祀られた理由の元は死んでから祟りが凄まじく、その怨霊を鎮めるために祀り出した、別名『雷公』と呼ばれるお方です。

　私は母の影響で道真さんが好きなのですが、そんな道真さんを以前、怒らせてしまった不思議な話があります。

　私はひとり宗教をしていて、祝詞やお経、真言をたまに唱えるのですが、この神社でも唱える祝詞というのは、藤原家が創ったもののようでして。

　藤原家と言えば、道真さんを死に追いやった張本人、藤原時平がいる家系。

　ある時私は、祝詞について調べていたら、藤原家を讃える祝詞を見つけたんですね。

　普段の祝詞の前にこれを読めば、よりいいのではないかと考えて、安易に唱えてしまった訳です。

　その時すでに御朱印帳にて、道真さんもお祀りしている今宮神社の御朱印を頂いていたんです。

　御朱印は神さま仏さまの御神体であり、ただのスタンプではなく神さま仏さまの魂が宿っていると言われています。

　それなのに私は安易に唱えてしまった。

「よし、じゃあ次に普段の祝詞を唱えるか」

　私はYouTubeにてアップされている、ブルーローズさんの祝詞の声を音楽プレーヤーに録音しており、それに合わせて祝詞を読むのですが、異変が起こりまして。

　再生したら普段とは違う、まるでスローモーション再生したような、間延びした怖い声が始まったのです。

『ヤバい、これ絶対に道真さんを怒らせた……！！』

　すぐに分かった私は、必死に頭を下げて道真さんに謝りました。

「どうかお許し下さい。もうこの祝詞は読みませんので、どうか」

　それから恐る恐るブルーローズさんの声を再生させると、元の『高天原にかむつまります～』と普段の声が始まりました。

　道真さん、やっぱり死んでも藤原家が嫌いなんですね。

　あんな酷い目に合わせた人、嫌ですよね、ごめんなさい💦

　それからは祝詞を唱える時は、道真さんの御朱印が含まれている、今宮神社の御朱印帳は母の部屋に移動させてから唱えています。

　最後になぜ、道真さんが祀られている天満宮には、牛の像があるのか。

　答えは、どうやら道真さんが丑年生まれで丑の日にお亡くなりだったからという説、また道真さん自身、牛好きだったからという説(牛にも懐かれていた)など、牛にまつわるエピソードがあるからのようです。

　やはりね、神さまって仏さまと違って感情があるんですよね。

　これからも神さまが気分を害さないように、いろいろと気をつけてあげたいです。