140SS
(140字SSのお題を使用しています)
記事一覧
強い人
20260923(水)04:23「さっき足の小指ぶつけてたよね」
「そうだったかな」
「あれ普通は飛び上がるほど痛いぞ」
「そうだったかな」
「こないだ海棠さんに連れて行ってもらった中華」
「どれも美味しかったね」
「麻婆豆腐めちゃくちゃ辛かっただろ」
「そうだったかな」
「俺は次の日まで舌がピリピリした」
「そうだったかな」君と別れるなら、夏がいい
20260917(木)11:14まっさらな部屋で眠った。「この部屋のカーテンだけ買うのを忘れちゃったんだ」申し訳なさそうに小宮くんは言った。新しい家の匂い、夜の青さ、窓から差し込む月あかり。ここでの新しい始まりと、いつか来る終わりを同じように数える。それは俺の悪い癖だ。いつかの夏、道を違えたどしゃぶりの雨の日を思い浮かべた。好きだって言ったら殴る
20260907(月)19:03「樺木くんのそういうところ好きだよ」
俺はあなたのへらへらした表情が気に食わない。だからあなたの言うことに突っかかってみたりする。すると今みたいにまた笑って、綺麗な顔でそんなことを言う。あなたはちぐはぐだ。あなたは何もわかってない。俺がいまどんな気持ちでいるのか、大声で叫んでやりたい。あの子が欲しい
20260905(土)00:11動画で見るのと、全然違うな。オーラはあるけど、なんというか、こう言ったらトガシくんは怒るかもしれないけど、実際に会ってみるととても地味だった。でもやっぱり走りはぜんぜん地味じゃなくて、だからもっと近くで見てみたい。実働部員は私とすずめ、幽霊部員の仁神くん。こんな陸上部だけど、トガシくん、興味ない?その靴を脱ぎ捨てて
20260901(火)00:32僕たちは足が速いけど、それ以外は至って普通の人間のはずだ。だから君に数ヶ月も会えないことはこんなにも苦しくて辛い。それは君も同じだといいと思う。互いの家でも、ビジネスホテルでも、もうどこでもいいから君を連れて行ってしまいたい。早くその靴を脱ぎ捨てて、僕の腕の中に抱いてしまいたい。