07/??/2002　補遺：XXXX-3

SCP-****へのインタビュー


【録音開始】
俺がレイトナイトにゲスト出演するなんて思いもしなかったな。（注意１）
ああ、悪かった。
真面目に話すよ。
ええと、俺とあいつの関係だったか。
別に面白くもなんともない、普通の双子の兄貴と弟だよ。
とはいえ、あいつといた時間は人生の内半分にもならないけどな。
レッドグレイブ（注意2）って知ってるか？
あそこで俺とあいつは生まれたんだ。
ガキの頃からずっと喧嘩ばっかりで、碌な思い出がないな。
あいつは本ばっかり読んでるし、音楽のセンスだってからっきしでさ。
まあ合わなかったよ。
昔ちょっとあって（注意３）、ずっとお互いどこにいるかわからねえ時期もあったんだが、いざ久しぶりに会えたって時も（注意４）大喧嘩しちまったくらいだ。
でもな、不思議なもんで、あいつがムカつくとは思っても、いなくなればいいって思ったことはなかったんだよな。
それに離れ離れになったあの時も、あいつが魔界に堕ちた時も、本当はあいつが死んだなんてこれっぽっちだって思ってなかったんだ。
あいつはこんなことでくたばるタマじゃない。
どうせしぶとく生きてるだろうって。
……俺は、あいつがいなくなるなんて、想像できなかったし、したくなかった。
だけどあの島で、俺は………
だからあいつがまだ生きてるかもって、また会えるって思ったら居ても立っても居られなくて……気付いたらここにいた。
本当気に食わないし、実際ぶった斬ったり鉛玉ぶち込んだりしまくってるってのに、それでも俺は、あいつに会いたかったんだ。
ははっ、おかしな話だろ？
【録音終了】


注意１：
アメリカの深夜トーク番組「Late Night with Steph Meters」を意識しての発言。

注意２：
アメリカ■■■■■■■■州に位置する都市。歴史的に異常性の認められる事案が多く報告されることから、要注意地域に指定されている。

注意３:
19年前レッドグレイブ市で発生したインシデント［ 削除済み ］であると推察される。

注意４：
８年前発生したSCP-____（ Ziggurat of Ur—テメンニグル）によるGH-クラスシナリオ発生未遂インシデントを指していると推察される。