公安になれよ
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「!?!………、な、何故それがこんな所に……あるんですか…」
降谷零は目の前にいる女にパトカーのサイレンのごとく鳴り響くように脳内で危険信号が点滅したが、直ぐに鳴りやむ
彼女はライが裏切り者だと判明する前日に組織に入ってきた下っ端だ
名前は確か、紫苑だったか?
おもに雑務をこなしていて、時たまドジを踏んでいるそんな彼女をたまに目にする様子に俺は地位の昇格はないだろうな……と彼女を然程マークしていなかったのが裏目に出るとは
『フフフッ……、まさか貴方が公安のノックとは、この事実……私が組織に漏らせばどうなるか、お分かりよね?』
副業は私立探偵にポアロの喫茶店の店員と裏の組織に潜り込んでいる構成員バーボンだが、正式名称は不明の黒の組織が今現在活動拠点として利用している建物の一室にいる俺の所へと入室してきた紫苑の第一声は微笑み声を漏らしながら上着のポケットから俺の警察手帳を取り出した!
驚愕と"何故!?""どうして!?"と驚きの疑問が頭の中でグルグルと回る
万が一のために警察手帳は自分が所属する本部の引き出しに厳重に閉まってあったはず!
こんな所で見つかるはずもないのに?!
しかし、見つけてくれたのが彼女で良かったと心の内で感謝を言う
馬鹿な女だ……その警察手帳を幹部の者に報告してから僕の所に来るのであれば分かるが、彼女はそれを知らせる前に来た事実に、そんな彼女に僕は理解に苦しむ
「それで一気に幹部にのしあがろうという算段ですか?悪いが貴女のような人は………」
いちど言葉を切り、グイッ!……と一気に彼女との距離を詰め彼女の耳元で
「出世は夢のまた夢……なんですよ?」
嫌みたらしい言動を示し手刀で彼女の首後ろに落とそうとした…その時!
パシッ!グイッ!
『 ハぁ~ッ!セイッ、ヤーー!!』
「!?!……なぁっ!?!(バッタ--ン!)グッッ、ウッ!!」
一体………何が起こったのか?
視界が反転し固いコンクリートの床に背中を強打
背中を強く打ったのと一緒に後頭部も打ち付けてしまったようで意識が薄れ行く中で天井を背景に、恐れるに足りないはずの下っ端の女……紫苑が名画のモナリザの微笑みのようにほんの少しの口角を吊り上げて
『ソーリー……余りにも私を見下したから、つい…………ああ、安心してこの事は他言しないから、それにこの警察手帳は本物に似せた偽物。』
悪戯が成功してほくそ笑み、今度は小さい子供に言い聞かせるように僕に告げてきた
『悪いけど、手柄をあげるためにあの人を捕らえ組織に引き渡すことなんて、出来ないわよ?……………………私はあの人の右腕なんだから。降谷零クン?』
あの人とは一体誰か?そんなの直ぐに解りきっていて、じゃあ目の前の彼女はFBI
しかも赤井の右腕だと!?
この衝撃的告白は俺にとって実に興味を引く餌
掠れていく視界の中でしっかりとFBI捜査官紫苑の素顔を瞳にインプットしたのだった
彼女はそう言って満面な笑みを魅せた微笑みに少なくとも惹かれていたんだ……
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「あ、赤井!どうしてお前がココにいる!?」
「愚問だな……紫苑は俺の右腕だ。そう聞いているだろ、降谷君?」
「確かに、だがそれは"仮"だろ?赤井秀一……」
後に紫苑から聞いたのだが彼女は正式のFBI捜査官ではないらしい
なら彼女を公安にすることが可能だということ
しかし、俺の前に立ちはだかるのが憎き赤井秀一
奴もまた紫苑を手放すきなど1ミリもない
今日は紫苑に呼ばれ彼女のマンションを訪ねリビングルームに足を運ぶと、そこには赤井秀一がいた!
「俺は彼女に呼ばれて来たんだ。さっさと出てくれませんか?」
「奇遇だな。俺もそうだ…」
なっ!?これはどういうことか!早急に彼女に問い質さなければ!!
『降谷は紅茶でいいよね?秀はもちろん珈琲でしょ?』
キッチンから飲み物を持ってきてテーブルに置く紫苑に俺達は怪訝な表情で真意を聞くと
『んぅ~……とね、実は貴方達二人の誘いを受けようかと思ってね?』
「………おい、それは、つまり」
「公安かFBIのどちらかに属すると言っているんですか?」
『まぁ…ね……?』
彼女が肯定を示した瞬間!ソファの間にいる紫苑を挟んで安室と赤井はバチバチ火花を散らしながら睨み合い"彼女争奪戦"が開幕した!
「紫苑……お前は俺が唯一認めた相棒だ。俺は何がなんでも手離したくない存在。これからも俺の右腕としてFBIになれ」
『!…、…ええ、そう言って貰えて嬉しいわ♪私も秀の右腕としているのも悪くないと思っているから、FBI捜査官になろうかな?って考えているのよ?』
そんな彼女の本音に安室は動揺する
『でも……FBI捜査官になるってことは故郷の日本を離れなきゃならないのよね~。…でね、FBIもいいけど降谷が属している公安警察になるのもいいかな?って考えてて…』
「そうなんですか!?」
今度は赤井は目を見開き"何故公安に?"と問う
『自分が生まれ育った故郷を守って行こうかな?って。今は組織に潜っていて、何かと降谷と活動するの………嫌いじゃないから。』
「!……ホォー!随分、彼と親しくなっていったんだな?」
紫苑が最期に囁いた言葉は俯きながら微かに頬を染めてチラリと横にいる安室を見た彼女の少し隠された本心に赤井は気づき思わず口癖を漏らす
「!!、でしたら是非、公安に来るべきです!」
安室は思わず紫苑の両手を包むように握り彼女と真剣な眼差しで向き合うが
グイッ!
『きゃあ!!しゅ、秀!?』
2人の仲を裂くように紫苑を引寄せ自分の胸の中に閉じ込めた赤井に安室は憤怒した
「!?、あ、赤井!!な、何をするんだ!紫苑を離せ!今すぐ!!」
「ククッ……そいつは無理な相談だ。俺はこいつが欲しい。もちろん相棒として」
赤井の何気無い誘い文句は紫苑の頬を向上させていて、上目使いで赤井を見詰める紫苑に安室の闘争心を更に駆り立てる
再び火花を散らし睨み合う両者
2人共、ソファから立ち上がり広い場所へ歩きだし、互い得意とする格闘ポーズを取り出した彼らに紫苑は"あ、やばっ"と顔色を悪くして2人の元へ駆け寄り仲裁に入り一先ず赤井には帰って貰い、降谷と黒の組織での今後の話し合いを始めた……
「…………紫苑」
『ん?何?ふる…バーボン?……って、ち、近い////』
話の途中で腰を折ってきた降谷に抱き付かれ肩口に彼の顔が伺え紫苑は思わず隠しきれない赤みがかかる頬を手のひらで包み自分と間近で視線を交える彼から目を逸らした紫苑
安室はそんな彼女を実は何度か見ていて、ようやく確信した彼は
「さっきの言葉……」
『え?……』
「嫌いじゃないから………ではなく、好きで俺と共にずっと居たいのなら…………」
彼が耳元で囁いた言葉は私の背中を押して、これから歩む未来へと踏み込んだ瞬間であった
"(公安警察(こいびと)になれよ………)"
(あ、……っ、は、はい/////)
この時、彼と恋人になり、その3週間後……紫苑は正式に公安警察となって降谷零と共に今もあの組織で活動している