ファザー・ドーター
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俺は最低な男だ……
間違いなく彼女のことを愛していた、口付けを送ったり一緒に眠りについたり大人の行為だっておこなった仲だ
それなのに俺は今から彼女に電話をして残酷なことを告げてしまうのだからな……
同僚であり恋人であった氷月は、アメリカの本部で忙しく作業をおこなっているんだろうな
自分は現在、日本である組織に潜り込むため潜入捜査に加わり活動していて氷月とは会えず仕舞い……だが2ヶ月前にアメリカに戻り氷月と会い1日を過ごしたな?
そう………この潜入捜査と遠距離恋愛が原因だが最もは潜入捜査で接触して恋人関係になった明美の存在だ
彼女の側に居たいと思った、守らなければならないと感じた
そして俺は氷月に別れを告げる
プルルプルルと聞こえる発信音に耳をすませている間、赤井は彼女からどんなことを言われようと黙って聞き入れて、出会った際は殴られることも覚悟している心境にいる
暫く続いていた発信音がプツンと切れ2ヶ月振りに聞いた氷月の声に呼吸が苦しい
そして……告げた……………別れてくれ、と
この後の罵詈雑言を覚悟して瞼を瞑っていた俺は、想定外な出来事に目を見開く
(よかったわよ………実は私もシュウに別れをつげようとしてたから。)
「---っ!?!、………理由は……好きな奴でも出来たのか。」
(いいえ………貴方と同じ気持ちよ?お互い相手のことが段々と薄れていっただけのこと。シュウもそうなんでしょ?私はね、そんな関係じゃ、いずれスレ違っていくことが嫌なの。だから別れたい………)
伝えられた内容に彼女の言い分は納得できるもので、
そのまま何事もなく俺達は終わった……
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「………、氷月」
氷月と別れたあの日から2年以上経った頃に赤井が追っていた組織の正体が暴かれ、漸く長い戦いを終えた彼等は日本を出て拠点へと帰還
………したが、彼の恋人は組織に殺され、もうこの世にはいない
拠点を見上げ元恋人の名前をか細い声で言った赤井は、何かを決意した雰囲気でオフィスルームに向かったが…………
「え…………、いまなんと?」
「彼女なら2年前から辞めたよ赤井君。」
オフィスに戻り氷月の席だった場所が無くなっていた現実に俺は上司に問うと彼女は既にFBIを退職
彼女の居場所は上司も知らないと言う
「なら、探すまでだ……」
赤井はたった数日で彼女の居場所を突き止めた
どこか他国に行ったかと思われたが、この国からは出ていかなかったようだ
キンコーン!
と一軒家のお宅のインターホンを鳴らす
赤井はあの時と同じで殴られる覚悟で氷月の元を訪れた
"はぁー、い!"
ドキッ…………
この扉の先から発せられたひどく懐かしい声色にあの頃の恋仲の日々が甦って
ガチャッ……!
『はい、どちら様でっ…!?………しゅ、シュウ…………』
氷月と出会った瞬間、俺は彼女を抱き締めたい衝動に、かられた………
「氷月っ…………、---!?!?」
抱き締めようとした赤井の体がストップをかけた
それは彼女の腕に抱かれているピンクのベビー服に身を包んだ赤ん坊が抱かれていたからだ
「……氷月、その赤ん坊は…?」
『……………、(ニヤリッ!)わたしの娘♪』
ガゴーン!!と固い岩で頭を殴られた衝撃の幻覚が起きる………なぜ、俺はそんな当たり前を考えられなかったんだ?俺と別れて氷月も新たな幸せを送っているはずなのに
自分を嘲笑うしかない
「そうか、………今日は、FBIを辞めてどうしているのか気にしてな?会いに来たんだが、そうか……幸せそうで、--っ………安心した。じゃあな、氷月…」
これで彼女ともう会いに行くこともない、この想いも消えていくだろう………これで良かったのかもしれない
すると
『シュウ?折角訪ねにきたんだし、上がっていきな?「んう~~…?」ほら、この子も言ってる』
「しかし、旦那が………」
『大丈夫よ、わたしシングルマザーなのよ?』
「!?!、……それは本当なのか!?」
その事実に驚愕させられた!
たった一人で大変な育児や家庭を守って生きていた氷月をやんわりと彼女の娘と一緒に抱き締めていた
「氷月っ!俺はもう1度、お前とやり直したくて会いに来たんだ。こんな身勝手で最低な男を許さなくて構わない!………だが、側に居させてくれ。今度こそ大切な者の側を離れはしないから!!」
この言葉が届くわけないと思っていた
だが、氷月がやんわりと離し俺の頬に手を添えてお互いの顔を合わせると少し背伸びをして口付けをおくった……その出来事に驚いて唇を離すと
『それが本心なら、そうしてちょうだい。私なんかよりも自分の娘の側にいてあげて……』
「……自分の娘?…………!?!、おい、それはっ……」
氷月の口から"『シュウの娘なの』"という事実を告げられ、"『私の元へこの子の元へ帰って来れるなら帰ってきてくれないかしら?』"と言う彼女に嗚呼と返事を返して腕に抱かれている赤ん坊を抱き寄せ……
「っ……、初めましてだな?俺は赤井秀一……君の父だ。お前達に寂しい思いをさせてすまない。だが、これからは家族3人で暮らしていこう」
そう赤ん坊と氷月に告げると赤ん坊が……
「うう~~、きゃっ♪、ぱぁ~、ぱっ!!」
「!?!……---っ」
まだ言葉たらずの娘が俺の瞳を見詰めながら小さき両手を懸命に伸ばし俺に向かって言った"パパ"という魔法の言葉に幸福を噛み締めることしかできない
"ファザー・ドーター"……(父と娘)
(パパ~~♪絵本読んで~~////)
(ああ、いいぞ////)
(またポーカーフェイスが崩れているわ……もう完全にデレデレね……ハハッ…)