帰って来た恋人
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『しゅーーくん!一緒に帰ろ♪』
「……ああ」
小学生だった頃、下校の時はいつも幼馴染みの赤井秀一くん……秀くんと帰るのが私達の当たり前になっていて
『あのね秀くん!今日のテストの点数良かったんだよ!秀くんは?』
「いつもと変わらないかな?」
私達の親同士が仲が良く、自然と私と秀くんは親しい関係になっていったの……1歳程違いの弟くんとも仲がいい!
家も近くだしね!
秀くんのお母さんは外国人でとても綺麗でクールな女の人
"私、大きくなったら秀くんのお母さんみたいになる!"
って言ったら秀くんは飲んでいた飲み物で噎せていたっけ?
それから中学生にあがった頃、秀くんの呼び名が秀一君に変わり……なんと付き合う仲になっちゃったのだ!
とっても嬉しくて泣いちゃって彼を困らせたっけ………どうやら秀一君は女の子の涙に弱いみたい
このまま、ずっと将来の先でも一緒にいるんだね?とこの幸福を噛み締めていたのに………なんで、なんでっ…………こんなことになっちゃったの?
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あの日から秀一君と別れて何年間経ったのだろうか?
私は3年間、外国に住みまた、日本に戻ってきた………
ある人達と共に……
「楓姉ちゃん!ママと楓姉ちゃんのママがまた、違うホテルに移るんだってさぁ………これじゃあ、いつまで経ってもコナン君を呼べないよ~」
「……当たり前だ、ばかもんが………言ったはずだ真純。私らが彼を信用するに値する人物か見極めてからだと……なぁ?」
「そうよ真純ちゃん、まだ、彼が真純ちゃんの知る人物か、どういった子か分からないんだからね?」
高校生の真純ちゃんの秀一君の妹ちゃんは二人の少女に叱られていて、楓はこの奇妙な光景にいつも可笑しくって笑ってしまう
「♪……うん!やっぱ楓姉ちゃんは笑ってる方が僕は嬉しいよ!……秀兄が死んでから楓姉ちゃん笑わなくなって、いや…秀兄と別れた時からっ…イテッ!なんだよママ!」
「真純、あのバカ息子のことなど思い出させるな。大切な恋人を巻き込まないためとはいえ、一方的に別れを切り出した男など………それにアイツはもう居ないんだからな」
真純ちゃんに似た少女はそう制すと静かに寝室へと消えた
「………楓ちゃん、もう貴女もいい歳なんだから、こんなこと言っちゃ悪いけど、新しい恋をしなさい!」
『お母さん……、うん…わかったわ。』
(どうしよ、秀一君!--ッッ、このままじゃあ、お母さん達が殺されちゃうよーー、うああぁぁん!!?)
(………--っ、楓…………こんな時にすまない。俺と………別れてくれ)
『秀一君…、ごめんね?……私がもっと強かったら、別れずに済んだのに……私、前に進むから、もう心配いらないよ。』
新たな根城に移り住んだ、その数日後の夕暮れ時……
「へぇ~、楓ちゃんっていうの?可愛らしい名前だね!どうだいこれから?俺のオススメの店で食事しない?これからのお付き合いを前提にさぁ?」
『……、はい、そうですね?食事をしながらお互いのことを知っていきましょうか^^』
友達に合コンに誘われカラオケボックスで男女が顔を合わせ、その中で気が合った人とお話をしてそれぞれどこかに出かけることになって
彼との食事は愉快で、連絡先を教えあい彼が私の住むホテルまで送ってくれるってことで助手席に乗ったのが始まりだったとは………
ブオオォォン--!
『…?……あの、さっきの交差点で左折だったんですが?』
「ああ、実はさ、最後に素敵な場所を見せてあげたくて……ごめんね?」
『いえ!…どんなところですか!』
「それは行ってみてからのお楽しみだよ?」
ブオオォォ………キィッ……
着いた場所は暗闇に包まれた公園の中
公園の辺りには建物が近くにはなく人通りも無さそうな場所
『あの………ここで何がみえ(ガタッ!)きゃっあ!?』
突然、座っていた助手席の背もたれが倒れ自分も一緒に倒れれば差し掛かった影は、彼の体格
彼の雰囲気が一変した!
『いやーーっ!!?やめて!!』
「いくら、叫んでもココには誰1人として来ないよ?既に立証済みさ。」
そう言って私の手首をシートベルトで縛り身動きを封じられ、このあと起こる恐怖に私は涙を流す
『しゅ、秀一君っ………、---ッッ……た、すけっ…て…………』
彼に助けを呼んだって来ないのに、それなのに彼の名前を呼んでしまう自分が嫌になった
私が秀一君に甘えるから助けをこうから、あの日、悲しい表情で別れを告げたんだよね?
私を巻き込まないために………
大好きでもない人にされるぐらいならと楓は舌を噛んで死んでやると……
それで秀一君にもう1度会えるならいいや………とこれからの人生に終止符を打とうと思った瞬間
「!?……だ、誰だ!なんでここに人がぁ---ガハッ!!?」
途端に聞こえた言葉と彼が誰かに殴られたような呻き声
『(誰かがこの道を通って助けてくれた?)』
楓は恐る恐るきつく瞑っていた瞼をあげると、楓の呼吸が止まった
「………楓、……迎えにきた」
『しゅっ、---ッッ、しゅういち……くん……』
「………ああ、そうだ」
どうして、と言葉がでかけたのを秀一君に遮られ私を縛っていたシートベルトを外し私をお姫様抱っこをして車の外で伸びている彼を睨みつけ、秀一君の愛車だと思われる車の助手席に私は乗せられ、この場所を離れ杯戸町に入りその辺の路肩に停車した…………
楓は今でも信じられないでいた、だって秀一君は殉職したって真純に聞かされたから
『生きていたのね、秀一君………よかっ、た。本当によかったっ……』
「すまない………だが、漸くお前を迎えに来れた。」
赤井は手離してしまった女性を久しぶりに抱き締められた幸せを噛み締め伝えた
『!………、ねぇ…それどういう意味』
楓は赤井から離れ彼の顔をじっと見つめ不安げに問うと、彼の口から驚きの言葉が伝えられた
「楓……俺の元に帰って来い。」
『……え?それって、寄りを戻そうって意味』
秀一君は真剣な眼差しで頷き、もう一度私を抱きすくめた
私は嬉しくて嬉しくて彼の背中に回そうとした腕が不意にピタリと止まり彼を突き放し俯く
『ねぇ、それは……どこからやり直そうとしているの?………あの日、私の為を思って別れたあの時期から………』
俯きながら震えている声で聞く
秀一君はきっと私が弱いから、貴方に助けを呼んだから、また守るために側に置こうとしているのなら…………私は、私は…………--っ
すると、私の耳に聞こえた"違う……"という言葉に俯いていた顔をあげ彼を見上げれば
「違う……違うが、俺はお前を守るために一方的に酷い別れ方をした。あの時は悪かったと思っている……その頃の俺はお前を守れるほどの力がなかったからだ。だが今は大切な女を守ってみせる!……"どこからやり直そうとしている"と聞いたな?俺はこれからの楓と未来を歩みたいんだ。」
『!?……---っっ、んっ、うん!そうしてよ秀一く……!、うんん、秀一………わたし貴方が好き、過去の貴方はもう居ない。けど!あの頃の恋心に戻らなくていい!私は今のありのままの秀一がいい!!……もう2度とこの手を離さないで………』
「ああ、もう絶対……楓を離しはしない………」
"帰って来た恋人……"
(秀一……お帰り…)
(ただいま………)