勝てない恋心
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これは完全な私の片想い
それでも構わなかった
彼の内にある女性を消すことなんて、できない
だって彼のあの表情がそうさせているの…
ほらまた……、
自分を責めないでくださいよ、赤井さん
できることなら私がその苦しみを代わってあげたいです。
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私が赤井さんと出会ったのはFBI本部での新入生紹介の時だったの
「そういうことで、彼女は基本事務での業務員だが、我々捜査官の班で活動して貰うから宜しく頼むよ。」
「「「「はい!」」」」
周りのFBI捜査官方からヨロシク!と色々と声をかけられ私は改めて
『皆さん改めて工藤です!今、私もFBIの一員になりました、ので皆様の足を引っ張らないよう尽力をつくしますから宜しくお願い致します!』
45度お辞儀をしてご挨拶したあと私の隣にいるこの捜査班を纏める上司…ジェイムズ・ブラックさんが日本人の苗字を口にした
「赤井君、すまないが暫く彼女の面倒をみてはくれないか?」
「……、わかりました。」
その人は出入り口付近にいた男性
黒いニット帽を被っていて、何よりあのロン毛が印象に残る人だった
「………オフィスに案内するから着いてこい。」
『…あっ………は、はい!』
暫く私のチーフにあたる人の後ろを着いて歩くとき、彼の長い髪の美しさに思わず手が伸びそうになっていた
危ない危ない!……いきなり触るなんて大変失礼よ!親しい関係になれたら触らせて貰おうかな?
『ふふふっ!…(その時が楽しみだな////)』
「??……どうかしたのか?……、!……」
漏れて聞こえた私の声に赤井さんは振り向き不思議そうな表情をしたあと、何故か顔を近づけてきて
『えっ?!…………赤井さん/////』
「…………目を擦ったのか?アイラインがすれているぞ」
そういって赤井さんは親指で拭いてくれた
間近で彼を見つめていた私は彼のキリッとした目元、低く心地よく感じた声色にドキリッと鼓動が強く脈打ちまた、歩きだした彼の揺れる綺麗な黒髪のこの3つに私は初めて一目惚れというものをしたの
しかしそれだけではなく彼の人柄にも触れてますます惚れた私
でも、彼には自分の班の女性捜査官、ジョディさんと既に恋仲の関係で彼に寄り添う隙なんてない
『(そっか………、それでも私は…………、赤井さんが……好き。)』
私が入社して半年
『赤井さん、珈琲どうぞ?』
「ああ、いつもありがとな。」
その期間で赤井さんは珈琲通と知り、毎日私が淹れて渡しているが、この行動で自分が赤井さんに想いを寄せていると気づかれたくないから周りの捜査官方にも配って誤魔化して
「来た来た!工藤ーー、約束の物…ちゃんと持ってきたでしょうね!」
『勿論ですよ!』
「フッ……忘れたら3人共、今日の昼御飯が食えないからな?」
いつの間にかジョディと仲良くなって赤井さんとジョディさんの輪に私も入れるようになり3人で会話をする中でも感付かれたくなくて、よく……"ジョディさん赤井さんとはいつ結婚するんですか!わたしその時、たのしみにしてるんですからね?"と言葉のないことも言っていた
『(例え……赤井さんが結婚しても、私はずっと彼が好き。そう……私に新たな恋が出来ない限り…………永遠に…)』
と思った言葉から数ヶ月後、ジョディさんと赤井さんは別れ代わりに彼は新しい女性と恋人を作っていた……でもそれは潜入捜査のために仕方がなく
『でもジョディさん、わざわざ別れる必要はないんじゃ…………』
「シュウに言われたのよ。2人の女性を愛せるほど器用な人間じゃないって……だから別れてくれってね?いいの…それでも、シュウとこれからも一緒に仕事ができるなら」
赤井さんの心境に触れた私はますます彼に片想いをするのではないかと自分で自分を嘲笑う
たまに潜入中の赤井さんが本部に帰って来て自分からその彼女のことを聞いて
『そうだったんですか、その女性、組織とそんなに関わりのない人なんですね。』
「ああ、だが明美の妹が組織と深く関わっててな、俺はその妹の周りの者とコネクションをとって組織に潜入することができた。コードネームも昨日頂いた。」
『!、す、すごいですね!さすが赤井さん!!確か組織のボスからコードネームが貰えれば晴て幹部に昇格でしたよね?因みに赤井さんのコードネームはなんですか?』
「ライだ。偽名は諸星大と名乗っている。」
『(ライ……赤井さんにピッタリな名前ね///)赤井さん………その組織を早く壊滅させて、明美さんを救ってあげてくださいね?彼女のナイトは赤井さんしかいないから!』
「!!、…………工藤」
『好きなんですよね………例え潜入捜査とはいえ貴方は明美さんをいつの間にか愛してしまったのではないですか?もしそうなら………』
"私!二人のこと応援します!!"
再びそんな言葉が出た……
その日を最後に彼の独特の微笑みをみることも一緒にいる時間もなくなったの……その原因が
3年間組織に潜入していた彼の正体がバレ、そして彼女……明美さんが組織の幹部に殺されてしまったから
組織が赤井を招き入れた原因の彼女を危険視して彼女にある任務を提案させそれに乗じて殺したのだ
工藤は休みの日、その記事を一日中みつめ赤井さんと明美さんを思い悲しみの気持ちを持ち続けていた
記者が撮影した写真には担架に運ばれている人がきっと明美さんなんだろう……その写真に写る女性が黒眼鏡と蝶ネクタイをつけた少年を後ろから抱き締めていた。少年の視線は担架に乗せられ運ばれている彼女を見送っているようにみえる…………その表情は悲しみを帯びている
『……わたし、貴女に会いたかったです。赤井さんが好きになった貴女を……(彼女が亡くなった場所は……………)』
それからだ、赤井さんの雰囲気が変わったのは
『あ、赤井さん!』
「………」
『あの……お弁当つくってきたので屋上で「すまない、用事があるんだ………」……また、ですか、ちゃんと食べてますか?なんか顔色が悪く「工藤………妙な気遣いはいい。俺は大丈夫だ。だが、これからはお前と話す機会が減るが、なにもお前のせいじゃない」……』
静かに立ち去る背中に工藤の瞳から涙が浮かぶ
『(それは赤井さんせいでもありませんよ、自分を責めないで下さい………泣きたいなら泣いてくださいよ……)赤井さん………』
それを境に工藤は13日の日に有休をとって、1人日本に旅立ち彼女が亡くなった場所へ白い花束を供えるのが工藤の当たり前になっていた…………そんなある日
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カツン…カツン………
黒いスーツ姿で手には白い花束を持った工藤がこの日にも日本へやってきた
古びた倉庫の中で命を絶った彼女の場所でいつものように花を添え涙を流す
工藤は彼の代わりに涙を流すのだ
結して人に弱味をみせないから自分が代わりにと…………
そこへ聞こえてきた足音に工藤は振り向くと息を呑んで
『………赤井さん…』
自慢な綺麗な長い黒髪を切った彼がいて
「工藤…………毎月お前は、こんなことをしに日本へ行ってたのか」
『………』
「何故、工藤が悲しむ…………」
赤井さんが私に近づき目の前に来ると屈み、その私より一回り大きな手を頬に添え悲しみを帯びた表情がそこにあった
『じゃあ、泣いてくれますか?いつまでも泣かない赤井さんが悪いんですよ…………私で良ければ胸を貸しますから』
「!?………工藤、お前がそこまで俺のことを思うのは……」
『…………、違いますよ。そんなんじゃないですよ……、ただ私は赤井さんが……"好きなんです"……』
私はこの言葉の中に自分の本音を隠し入れ伝える、結して彼から彼女のことを消すことなんてできないのだから………だからこんな風に彼への想いを伝えることしか出来ないの
"勝てない恋心"
(好きなです………赤井さん…)
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