幼き少女の恋の目指す場所
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やっと貴方に会えると思ったのに
約束を果たすことが出来ると思ったのに
毎日のように一緒に居られて仕事が出来ると思っていたのに
沢山の思い出が作れると嬉しかったのに
それから成長した姿を見て欲しかったのに
だけど、そんなことよりも、一番に叶えたかったことがあったの
『…好き…秀一の事が好き……異性として好きでした。─ッ』
小さな小さなか細い声で加奈はもうこの世界に居なくなってしまった彼に伝えた。
青信号になるまで待っていた加奈
しかし今の彼女はその瞳には何も映し出されていなかった。
深い絶望が彼女の生きる力を失わせていたのだ。
横から一台の車がこの横断歩道を通り過ぎようとしていた。
もう少しで通り過ぎようとした時
彼女の足が前に動いた。
「…─ッ!?うああ!!」
その車の運転手が急に飛び出し加奈に悲鳴を上げて避けようとしたがもう間近でさけることは不可能でこのまま彼女を轢いてしまうのだ
『…秀一…今、そっちに…行くね。』
加奈は立ち止まり瞼を閉じた。
強烈な痛みが来るのを恐怖しながらその瞬間を待っていたのだが…彼女に襲ったのは体を引かれてあとは暖かな温もりだった。
「…自殺、ですか?」
私の視界に入ったのはブラウン色の髪に眼鏡を掛けた紳士のような男性だった。
『…分かっていたのなら…なんで、助けたんですか。…私のことはほっといて置いて!!!』
掴まれていた手をほどき道路に飛び出そうとしたが、すぐさま男性に腕を掴まれ出来なかった。
「何故、自殺をしようとしているのですか?そんなことをすれば貴方の大切な人達が悲しむじゃないですか。それに、貴方の将来の夢だって叶えられなくなる。」
何も知らないのにベラベラと語ってくるこの男性に加奈は怒りをぶつけた。
『ええ、確かにそう!私の幼なじみだって友達だって家族だって悲しむ!将来の夢だって今日、叶ったには叶った…だけどあの人が亡くなった後の未来なんて生きられない!私の夢は…秀一とずっと一緒に仕事をして時を過ごすことだったのに!!なのに亡くなったなんて…大好きだったのに!…小さい頃から秀一お兄ちゃんのこと異性として好きだったのに…それを言えなかったことだけが悲しくてつらくて苦しくから、あの人がいる世界に行って伝えて、ずっと居たかったの!だから死なせてよ!!!』
パンッ
私は赤の他人に頬を叩かれた。
「…いちばん最後の言葉だけは…許さない…加奈」
『─ッ……ぇッ?…どうして…私の名前を……』
急に言葉使いが変わり、優しそうにしていた細目が開かれ何故か私の名前を呼んだのだ。
「加奈…大きくなったな。それに綺麗になった。」
『─っ…もしかして…秀一お兄ちゃん?』
その口調、その目元と瞳の色、そして私の名前の呼び方がまさかこの男性が秀一なのではないかと思わせたから聞いてみた。
「あぁ…俺だ…加奈」
変わり果てた彼に驚愕した。
『どうしたの、その姿?』
「俺の死を知ったのはFBIの者から知ったんだろ?…今日、FBI捜査官になることができたのか?」
『うん。…そうだよ。…でもなんで死んだって真純やFBIの人達に嘘を。』
その問いに秀一は
「今、追っている組織を確実に捕らえるためだ。そのため俺は死んでいることにして、今は沖矢昴として行動しているんだ。だがそのせいでお前を悲しませた…すまない。」
謝罪の言葉に加奈は首を振る。
『犯罪組織を捕まえるためにやっていることなんだよね?色々と考えて悩んで真純にも嘘をついてまでやったのには確実に黒ずくめの組織を捕まえるため。秀一がやっていることは正しいか分からないけど、だけどその強い思いは伝わってきたから私はイイと思うよ。』
「そうか?ありがとうな……それより加奈。さっき言ったことは…本当か?」
加奈の頭に?が浮かぶ
「ククッ…小さい頃から俺のこと異性として好きだったと言ったことだ。」
『!!!…─ッ、ぅん…好き…秀一のことが好き…です。///』
やっと伝えることが出来た想い
すると沖矢昴としての秀一が返事が返さず私の手を掴むと早歩きでどこかに歩きだした。
ついたのは立派な洋館で中に入ると彼は 変装を取り本来の姿を私に見せたのだ。
昔と比べて格好良くなっていたのだ。
キリッとした目に目の下に隈ができていたがそれがカッコ良く見えたが表情はポーカフェイスだが昔と変わらない優しい微笑みが見られた
変装を取ったあと私は彼に抱きしめられ耳元で囁かれた
「俺も加奈のこと…好きだった…」
『!!…でもそれって…もう1人の妹として大事だったという感情じゃないの?』
「…確かにそうだったが…真純から成長した加奈の写メを時々送ってくるんだ?だんだんともう1人の妹としての大好きじゃなくて、異性として好きになっていた。早く加奈がFBIになることを願っていた。だから…俺も異性として加奈が好きだ……俺の恋人になって欲しい。」
加奈は抱きしめられた懐かしい温もりにお互いの気持ちを伝えることが出来き恋人になれたことに嬉し涙を流した。
『はい…//』
秀一はフッと微笑み私の唇に口付けをおくった。
『─ッ…ン…//』
チュッ
リップ音を鳴らし唇が離れた。
「フッ…加奈…愛してる。」
今日私の幼い恋と将来の夢が叶った瞬間だった。