すとろべりー・キス
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それは、見慣れた光景
アポなしで彼のマンションに遊びに来た時は大抵1人将棋をしている
出掛けない場合は普段着のむっさいジャージを着ていて無精髭を生やしているのだけれども、ちゃんと綺麗に身嗜みを整えれば周りの女性達からモテる恋人
それが私の彼氏……羽田秀吉という男なのだ
「加奈タン、ごめん……いま、ちょっとここから離れられないんだよ。あと少しだけ待ってて?」
『…………、はいはい……毎度毎度のことよねぇ~?いつも遊びに来たら秀吉、将棋に構ってばかりだもん!』
秀吉の言うチョットは、チョットじゃない!
約30分以上も待たされる彼女の気持ちを、秀吉は分かってないのよ!!
「………、もしかして加奈タン………将棋に妬いてるの?」
『!?…~~っ……そ、そんなわけないでしょ!!/////』
秀吉に核心を突かれ素直じゃない自分は可愛げもなく"さっさと終わらせなさいよ!"と将棋盤を指差し命令口調で言ってしまう
私より将棋が大事って言ったあかつきには許さないんだから!
「♪………素直じゃない加奈タンは可愛いね////」
『なっ!?!/////』
嬉しそうに笑う秀吉にプイッと顔を背け、チラリと盗み見れば対局の再開をはじめ、その真剣な眼差しは私の好きな一面でもある
「んんぅ~、………………」
スッ…………モグモグ……
『??………ねぇ?前から思ってたんだけど…』
「ん?…………なんですか?」
加奈は前から気掛かりなことがあって、今日やっと聞いてみた
『秀吉って………偏食なの?』
「え?」
『だって秀吉、将棋打つ時に摘まむ物がいつもチーズばっかりじゃない?今日もチーズだし……それともチーズが好きなの!だったら今度とびっきり美味しいチーズケーキを売ってるケーキ屋で買ってきてあげる♪』
「あ、いや…はい、楽しみにしてます?(チーズケーキかぁ~、それでもいっか。駒を打つ時に手が汚れないようにとチーズを選んで食べてただけだけど………)」
秀吉は詳しい詳細を告げず今日も三角チーズを口に含んだ
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その翌日の朝11時頃、連続で秀吉の家に上がってきた加奈の手にはケーキボックスを持っていて
『ごめん秀吉……ちょー絶品のチーズケーキがもう売れ切れてて、あっ、でも代わりにその店でナンバーワンケーキ、ショートケーキを買ってきてあげたわよ♪』
「えっ……、ショートケーキ?……………加奈タン、悪いけどショートケーキだと手が汚れるから、そのケーキは将棋が終わってから食べるよ。」
『え?………なに、まさかチーズばっかり口にしてたのは手を汚さないためだったの?!』
彼は素直に"はい……"と返事をして冷蔵庫からまたチーズを取りだし将棋盤の前に座った
『……』
すると加奈はそんな秀吉を見兼ねて箱からショートケーキを取りだし皿に乗せたケーキとフォークを持ってパチンと将棋盤に駒を打つ秀吉の横に膝をつき
「加奈タン………?」
『仕方ないわね……ほら、私が食べさせてあげるわよ////これなら手を汚さずに口にできるでしょ?はい、あーん?』
「!?!……え?…はっ、はい!?」
加奈からの提案に秀吉は若干、恥ずかしさがあるも、憧れ?1度でもいいから加奈さんに"あ~ん!"をして貰いたかった秀吉は口を開く
誰も見てはいないのだが照れくさそうに口をあけ"あーん!"と言葉を漏らしながらパクリと甘いスイーツを食べた彼の顔に、パァーーッ!と笑顔の花が咲く
『どうよ?美味しい?』
「はい!!………あの加奈タン、全部食べさせてくれませんか////」
!!?っ………
彼の要求に加奈もこの行為には照れくささがあったが、秀吉が嬉しそうに口をあけ待っているその姿が可愛くって彼女は全部食べさせてあげたのだった
「ごちそうさま♪………ぅう~ん、なんか僕…ショートケーキにハマったかもしれない!加奈タンそのショートケーキどこで買ってきたの!」
『………このショートケーキそんなに美味しかったの?』
「うん♪………加奈タンも食べてみなよ!そうだ、今度は僕が食べさせてあげるよ!」
そう言うや否や秀吉は立ち上がってテーブルに置いてある箱の口を開くと"あれ?"と不思議そうに呟いた
中身は空っぽ……当然だ、秀吉の分しか買ってきてなかったのだから
『ああ~ぁ、やっぱり私の分も買っておくんだった!そんなに美味しそうに食べられたら私も食べたくなっちゃったじゃないの?』
本当は買おうと思っていたんだけど、最近太ってきた?と悩んでいたため彼の分しか購入しなかったことに加奈は後悔した
深い溜め息をつく加奈を目の当たりにした秀吉が………
「そんなに味わいたいんですか?」
『そりゃー、美味しそうだったんだもん!味わいたかったわよ、そのショートケーキ…………………って……なに?……えっ?秀吉??』
突然自分に差し掛かった影
上を向くと秀吉に顎を固定され、何故か掛けている丸眼鏡を外し、そして………
『----ッッ!??////』
「んっ………」
キス………された
そこから最後に食べさせた甘い苺の味がまだ残っていて、口付けを通して送られた甘さを私は堪能する
これによりお互い酔しれ、自然と私達は舌も絡めとり……こんなこと指折り数えるぐらいしかやったことがない、久しぶりの衝動に止められなかった
ッ…………ハァッ-……!
漸く離れた互いの唇
「どうです?味わえましたか////」
『~~~っ////……………、ばかッ////』
そう悪態つくも恋人はもう1度、味わう……
(すとろべりー・キス)*おわり