嘘は=嘘
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とある日の加奈は可笑しかった……
『赤井さん、もう煙草を吸うのやめてください!』
「……どうしたんだ、急に」
いつものように煙草が吸いたい衝動に駆られ煙を肺に入れていたら、同じソファに座る恋人が突然に告げた
俺は目を丸くして加奈を見る
『もう好きではなくなったの!だから止めて』
「唐突に言われてもな、困るんだが…」
『だったら赤井さんの側にいたくないなぁ~』
「……分かった、禁煙しよう(…できるだろうか?)」
そんなことを言い出した彼女に赤井は口元をへの字に曲げ眉を下げたが、恋人が自分の側から離れることだけは、どうしても嫌なため、その願望に応える
だが、その昼時も変だった…
私も加奈も毎日、珈琲をかかさず飲む珈琲通であること
なんだが、本当にどういった心境の変化だろう
『私ね好みが変わったの!珈琲の味も香りも嫌い!今日から毎日、ハーブティーを飲むからね♪』
「そうなのか…残念だな。毎日こうして加奈と一緒に、一杯の一時(ひととき)を過ごすのが楽しみでもあったんだが」
『私も残念なんだよ?赤井さんと同じ飲み物を味わえないなんて…』
そして、その夜には
「加奈?どうした、来ないのか?」
大きなベッドに身体を預け、共にいる俺と彼女
それが俺達の夜を終え朝を迎える日常
だったのに…
『ごめんね?わたし毎日のように赤井さんの胸の中で寝るのやめるね…おやすみなさい』
「……そう、か。だが、寒くなったらいつでも温めてやるからな」
『うん…おやすみ』
加奈は向こう側の方に顔を向けて、今夜は彼女の穏やかで幸せそうな寝顔は見られないまま寝ることになるのか…と心の中で私は深く落ち込んだ
私は寝る前に携帯電話をパカッと開く
「……?……!?」
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モゾモゾ…ムクリ
『ん、……ん~~っ、(よく眠れた!)あっ、お早う赤井さん!煙草吸ってるの?』
朝の日差しが目に差しかかって私は瞼を開きベッドから起き上がると毎日と言っていい程、鼻を擽る彼の好む煙草の匂いを嗅ぐことになった
「あぁ…だって好きだろ?言ってただろ、煙草の香りを染み付かせている私が好きだと」
トン… ドサッ…
と私は赤井さんに軽く肩を押され再びベッドに寝る体勢にされ、彼の言葉に驚く
『な、…なに言ってるの?昨日言ったじゃない、私はもう……』
「あぁ……言ったな、昨日にな?」
クツクツと笑う赤井さんに私は
『もしかして…最初から気づいてたの?』
「いや、寝る時に携帯を操作してた際に日付に目が入って気づいたんだ。昨日は4月1日…エイプリルフール、嘘…ってな?」
赤井さんの顔が接近し、本当は大好きな彼の煙草の匂いが香った
「煙草も…珈琲も…俺の胸の中に閉じ込められるのも、好きなんだもんな?昨日の加奈の言葉は全て真逆……嘘はイコール、嘘……加奈、お前は大好きって言ってたんだろ?」
口元を三日月にして嬉しそうな表情を浮かべる赤井に加奈も同じ顔をして
『フフッ!…あのね?昨日は貴方とのキスも大嫌いだったんだよ赤井さん!』
そう言葉を囁くと赤井さんと私は口付けを交わしていた
「フッ…知ってるさ。」
END…