太閤恋する七冠王
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は久さを感じる非番の水曜日
天気は晴れ
秀吉とデートではないけれど、私はオシャレコーデに一時間も費やした
着心地抜群のゆるジャケット(ミント色)に花柄模様の丈短めのワンピース(桃色)を見に纏い、髪は軽くカールをかけて、秀吉から貰ったヘアピンをつけて、のんびりとショッピングセンターを見て楽しもうとプランを立てて出掛けたのに……………
『はぁっはぁっ……--ッ……』
只今、わたくし三浦加奈は、靴がパンプスにも関わらず全力疾走しています
私は息を切らしているのに立ち止まらず走っている理由を、皆さまは分かりますか?
それは………
『誰か!…その男、捕まえてください!!引ったくりなんです、その人!?』
理解しましたね。
そうです!バッグを盗まれ追いかけているのです
警察官の物を盗むとは……制服着てないから無理もないけど、それを知ったらあの悪党は青ざめた表情をするでしょうね?
ハッ…とくにかく今は誰か……
『その人捕まえてくださああぁい!!…キャア!?』
突然の引ったくり犯の出現に周りの人達は体が動かないのか、追いかけている私を見送るばかりで、人の薄情さに泣けそうになった時、パンプスだった原因で等々、転倒した私は遠ざかる悪党に手を伸ばし絶望に陥った
その時、
「待ちなよ?そのバッグを返して貰おうか?ついでに大人しく警察署にご同行ねがおうか?」
「!?、うるせえ!そこ退きやがれ!?」
誰もが私をみかぎったと思われた時、勇気ある者が悪党の前に立ち塞がった
その人は小柄で顔は帽子の鍔で見えないが、高校生かな?男の子が現れる
「退かねぇってなら、………おりゃあ!!!」
引ったくり犯は拳を握り締め、その子に殴りかかった
『--ッッ!!あぶない!?避けて!!』
私は声をあげ、その子に、もう良いからとバッグを取り返そうとしてくれた気持ちだけで、もう十分嬉かった私は、その気持ちを乗せて"避けて"と身を引いてと叫んで、そのあと飛び込んできた光景は
「遅いよ?拳はこうやって振り落とすんだよ!とりゃああ!!!」
「--ッッ、ぐはぁっ!!?」
あの子は降り注ぐ拳を余裕な笑みで避けていくと今度はあの子が拳を作り、たったの人降りのパンチで男をKOさせたのだった
『あんな小さい男の子がガタイのいい男を倒すなんて……!』
加奈はあんぐりと口開いて彼を見ていると彼は男から私のバッグを取り上げて私に近づき手を差しのべてきてくれた
「バッグは取り返したよ!立てるかぁ?」
『あっ、はい!ありがとうございます!!』
加奈は遠慮なく手を取り立ち上がるとズキッと痛みが走った足に視線を向けるとストッキングが破れ膝を擦りむいていた
「血が出ているじゃないか!そうだ!?見えるだろあのホテル、僕あのホテルに住んでるんだけど、あそこで手当てしてあげるから来なよ?」
『え!?でも……突然あなたの彼女さんが訪ねてきたら誤解しちゃうかも知れないから、その気持ちだけ受け取るね^^そこのお店のトイレを借りてストッキングを脱いでバッグに入れてある絆創膏を貼っておけば大丈夫だから!』
彼の気遣いには有り難いけど、彼の部屋にお邪魔するのは彼女さんに悪いと思って遠慮した私に突然笑い声を漏らした
「あはははっ!……あいにく僕に恋人はいないよ?でも君、僕のタイプだから僕の彼女にしてもいいかな♪」
『へ?…………えええぇぇぇーー!!?』
唐突の告白発言に加奈は顔を赤くさせ手を口元に添えてドッキリにハマって驚いた顔と声を露にした
『わ、わわ私には秀吉さんって言う付き合っている、こここっ恋人がいまして!だからごめんなさい、貴方とはお付き合い「え?兄貴と?」はい!分かってもらえまし………え?兄貴って??』
彼の口から出た兄貴と言う言葉に私は最初意味が分からなかったが、沈黙5秒でその言葉が示す人を理解した
そして、目を丸くし、再び声をあげたのです
----------
「名前だけだと半信半疑だったんだけど、まさか本当に僕の兄貴とは驚いたよ!はい、消毒もしたし、多分菌が体を蝕んだりしないと思うから安心していいよ?」
『あ、ありがと^^……えっと、まだ名前を聞いてなかったし私の名前も言ってなかったね?三浦加奈よ、これでも警察官なのよ?』
場所は変わり私、加奈は彼の……じゃない!彼女のホテルにお邪魔して手当てをして貰った
そこではじめて彼女が女性である事実を知る
「僕の名前は世良真純だよ!って、ええ!?加奈って警察官なのか!?なのに、引ったくり犯にバッグを盗られちゃうなんて、警察官ならちゃんと鍛えないとな?」
『えっとね真純ちゃん、わたし警察官だけど交通部だから事件現場にも行かないし、まして犯人とか取り押さえるような経験は全くないから、きっと引ったくり犯に追い付いたとしても、私には取り押さえられなかった………バッグ取り返してくれてありがとね!真純の拳、格好良かったよ^^』
「!?、////……えへへ、そうかな?」
加奈は悪党に立ち向かった世良真純の姿が彼女の記憶に強く刻まれていて、"また見てみたいなぁー"と声を漏らせば世良真純は立ち上がり截拳道の動きをした
へぇー………截拳道だったんだ!てっきりボクシング習ってるのかな?って思ってた!?
そう内心で呟くと胸ポケットからメロディが奏で、着信相手は……
『あ、秀吉さんから?何だろう?《ピッ…》「ちょっと借りるよ!」あっ…!?』
《もしもーし!兄貴?》
何だろうと思いながら通話ボタンをタッチした途端、真純ちゃんにスマホを取られ通話に出てしまった…きっと秀吉さんは驚くんじゃない?
《??……!…その声、もしかして真純だよね?なんで加奈タンの携帯に??!》
《(加奈タン……?)へぇー、そう呼んでいるのか!兄貴も可愛い所あったんだな♪》
『ねぇ?真純ちゃん、秀吉さんは何のようで掛けてきたのか聞いて貰ってもいい?』
《ああ、OK!で、なんの用で彼女に電話を?……んん……ぅん、そうなのか!それ話したら加奈喜ぶだろうな!》
『(私が喜ぶ?何だろう、早く知りたいな!)』
そう、ジッと真純ちゃんが持つ私のスマホを見詰めているとチラリと真純ちゃんと目がカチリッと合うと彼女がスマホの画面を操作してスピーカに切り替えてくれれば
《加奈さん僕と一緒に温泉旅館に行ってくれるか聞きたいんだが?》
『えっ……!?』
スピーカから秀吉の通話が私にも聞こえて、電話してきた用件を知って私は勢いよくソファから立ち上がりスマホに向かって
《行きたい!!私も秀吉と一緒に温泉旅館に行けるの?嬉しい♪》
《!?…加奈タン!本当!》
強く"うん!"と頷き返事を返せば真純ちゃんが
《でも兄貴、残念だけど加奈さん、今日引ったくり犯にバッグ盗られそうになった時、転んで膝を擦りむいたから温泉行くなら彼女の怪我が治ってからな?》
《ええ!!?加奈タン怪我をしたの!大丈夫なのか真純!?》
ただ膝を擦りむいて少し血が出ちゃっただけなのに声色だけでも本当にとても心配しているのが伝わってきて私はジーンと胸に響いた
その後、秀吉さんが私を迎えに行くと言い出し真純ちゃんが住むホテルの場所を教えると通話を一方的に切ってしまう
『それじゃあ、真純ちゃん今日は本当にありがとう!秀吉さんの妹さんにいつか会わせて貰おうと思ってたから会えて嬉しかった。じゃあね!』
「うん!僕も加奈に会え良かったよ♪」
あっ…!、真純ちゃん笑うと八重歯が見えるんだね?可愛いな////
こんな可愛い女の子だったのに男の子と間違えちゃうなんてと、加奈は誰にも見えないもうひとりの自分が頭をポカポカと叩いていた
彼女に見送られホテルに出ると丁度タイミング良くタクシーに乗って来た秀吉と一緒に乗った車内で私達は三日後の土曜日に秀吉が手に入れた宿泊券で温泉旅館に行くことを決めたのです
* * * *
「もう、いいよ?」
キィー………
世良は誰かに向かってそう一言、発すると寝室の扉が開いて、中から世良真純と似た金髪の少女が出てきた
どうやらこの少女は隠れていたのか隠されていたのか、この場合両者になる?
「まさか、秀吉の彼女がこのホテルに来るとは、全く予感がしなかった…コホッ!」
「僕もだよ?可愛い子だったんだ!彼女の警官服姿見てみたいなぁ♪」
「少し覗いて見たが……息子も中々なお嬢さんを捕まえたものだ。コホッコホン………今度、秀吉に電話で彼女の馴れ初め話でも聞き出しなさい。」
「!?……了解♪」