太閤恋する七冠王
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ピーンポーン…!……ガチャ
「はい?…おや……加奈さん…遊びにきたのですか?」
加奈はバスケットに入ったクッキーを手に羽田秀吉のマンションに遊びに行ってインターホンを鳴らすと中から出て来たのは彼の兄……赤井秀一だった
『あ、秀一さん!変装外して大丈夫なんですか?』
「ああ、前と違って一人でメイクできるようになったからな……秀吉は今、洗面所で身成を整えている。こんな所で立ち話もなんだ、中に入ってくれ?」
『はい!あのこれクッキー焼いてきたので、もしよかったら秀一さんも食べてください!』
「ああ…頂こう」
『クスッ、そういえば……秀一さんと初めてこうして出会ったのを思いだしましたよ!』
* * * *
約1ヶ月前……
「あ、三浦様……羽田様にお会いに来られたのですね?」
『はい!あのよかったらクッキー焼いてきたので、食べてください!』
「これは、ありがとうございます。」
加奈はフロントの人と挨拶を交わし可愛くラッピングしたクッキーが入った袋をその人にプレゼントする
エレベーターに乗り込み18階のボタンを押す
その階に恋人の羽田秀吉さんっていう人が住んでいるんですよ!
エレベーターがその階に着いたと音を鳴らして扉をあける
『んー…?さっき突風が吹いてたけど髪乱れてないかな?』
羽田お宅の扉前に立ちインターホンを鳴らす前に加奈は手で髪を撫でて整えてから、インターホンを鳴らす……彼と会うのは2週間振りの加奈は胸を踊らせていた
「…はい?……どなたですか?」
『??……え?秀吉…じゃない?』
中から聞こえてきた声は秀吉の声ではなかった
一瞬、加奈は部屋間違えた!と思ったが表札には羽田とある……
『あの!わたし三浦加奈って言います。決して怪しい者ではありません!今日は秀吉さんの家に遊びに来て……来客がいたなんて知らなくて』
「……ああ、秀吉の恋人か?今、扉をあける」
ガチャッと鍵が外れた音がした後、扉を開けたのはやはり秀吉ではなく、茶髪で眼鏡をかけた誰が見ても素敵な男性だった
「さっきまで私と秀吉で大事な話をしていまして。出たのが本人でなければ当たり前ですが驚くのも当然ですね?秀吉なら中にいるから入ってください。」
『すみません、そんな所に行きなりお邪魔して……お詫びにこれどうぞ?』
「クッキーですか、遠慮なく貰っておきます」
リビングまで入っていくと、そこには秀吉がいて、 なんだか頭を抱えているようにみえた
『秀吉?』
「!?加奈タン…そっか君だったのか、良かったー」
何が良かったのか私には分からず疑問を出していると、玄関先で名前を名乗った沖矢昴さんが
「弟が街中で頬に火傷を覆った俺を見かけて声をかけようとしていたから咄嗟に私は阻止して、奴はお前の知っている兄ではないから止めろと注意したんだ。」
「いきなりそんなこと言われても信じられなかったけど、貴方が急に僕の知る兄さんの声を出された時は正直びっくりしたよ!」
『弟?兄さん?…………ええぇぇーー!!?』
お二人の会話から沖矢さんと秀吉が兄弟だと結び付いた加奈は声をあげて驚愕し、二人の顔を交互に見て"兄弟に見えない……"と呟く
「それもそうだよ加奈タン?その人の顔は僕の知る兄さんの顔ではないんだ。なんでも変装メイクで変えてて、それを今から外して本当に兄さんか確めようとした時に加奈タンが来たんだよ?インターホンを鳴らしたのが、僕が街中で兄さんだ!と声をかけようとしてた火傷の男かも知れないと思ってその人が出たんだ!ついでに兄さんの本当の名前は赤井秀一っていうんだよ?」
『秀一さんですか?じゃあ沖矢昴さんっていうのは、その変装メイクをした名前?』
「そうだ……この声も首につけているチョーカー型変声機で変えている。他人になりきるために口調も変えている。」
あ…ホントだ。口調がかわってる
と心の中で加奈は呟き、でもなんでそんな格好をしているのか?尋ねる
「職務に関わることだから、その質問には答えられない……さて、変装を解いて弟に本物の兄だということを証明しないとな?」
秀一さんは手を顎下に添えて上へとあげていくとビリビリッと剥がれていく顔にはやはり、変装をしていると説明されていても私も秀吉も驚愕を隠せないでいると、そこには先程の顔とは全く別人の顔が現れ秀吉はお兄さんだと認めざるおえなかった
* * * *
『あの変装にはホントにびっくりしました!でも秀吉に兄がいたことにもびっくりして……』
「……あと、妹もいるんだが?」
『……………、!!!?。ウソ、妹さん!!な、なななんで教えてくれないんですか!ホントに秀一さんには驚かさせられます!?』
その反応を面白がって言っているように見える秀一さん
私はプクリと頬を膨らませ怒ってみせたが、次には目を輝かせて是非、妹さんを紹介してくださいとせがむ
「分かった、いつか紹介してやる?兎に角、中に入れ…」
『秀吉ぃ~、お邪魔します?』
と玄関先で挨拶してからリビングに入っていくと秀吉の姿はなく、まだ洗面所にいるみたい?
「三浦、珈琲と紅茶どちらがいい?」
『では紅茶で…!?--キャアッ!』
「!!?…三浦!!」
何故、私が声をあげたかというと……視界が反転したからである
何故反転したかというとソファに座ろうと歩み出した足の下にティッシュが一枚あり、それを踏んで滑ったからです
転んだら床に体をぶつけて痛い思いをする……私は反射的に瞼を閉じたが、その痛みはこない
目を開けると私の体を支え秀一さんとの顔が自分の間近にあった
秀一さんの前髪が垂れて私のおでこに掛かっている
つまり二人の顔の距離は他人から見てキスを交わしているようにも見える光景と言える
そこに、運悪く……
「………兄さん、加奈タン………何やってるの…」
『!!!?--……しゅ、秀吉!!?いや、違うのよ?これは!!私が転びそうになったのを秀一さんが助けてくれて、それでこんな体勢になっちゃっただけで!!それで、だから…』
聞いたことのない秀吉の低い声に私は嫌な汗をかいた
断じて秀吉が思っている行為はしていない!
それを分かって欲しくて必死に伝えたが
私のその必至さが怪しく思ったのか、その低い声で秀一さんに帰ってくれと言い、秀一さんはバツが悪そうに私に小声で"悪い状況になってしまった、すまないが秀吉の誤解を解いてくれ"と囁き出ていった
でもさっき秀吉にあの状態になった原因を話したんだよ?で、次に私はどうしろというの!って胸の内で叫んだ
すると、ギシッと床が軋む音がした
秀吉が私の方へ近付いてくる
眼鏡のレンズに光が差してどんな目付きをしているか分からないが、恐らく見たことない彼の恐い顔だと断定できた
『--ッッ……しゅ、きち…さん。わた…し…本…当に、秀一さんと…キスなんてっ…』
涙目になっている私の目で真実を話していることに、こんなんじゃあ彼には届くはずもない
「!!?--ッッ……いや、ごめん!あんな場面を見てしまったら頭の中が真っ白になって怒りの感情がフツフツと沸いてきて、加奈さんが言っていた話が信じられなくなってしまった。でも貴女の顔を見たら、嘘を言っているようには見えなくて…すみません、僕凄く恐い顔をしていましたよね?泣かないでください」
『!?……ぅうん!正直な話しさっきの秀吉は確かに怖かったよ?でも気づいたの?それほど秀吉さんは私を愛してくれているんだって!狂おしいぐらいに、ね////』
「加奈タン……////」
誤解が解け安堵して私は胸を撫で下ろす
涙目になっていた涙を秀吉が指で拭いとって悲しみの顔を消してくれた
泣き顔にしてしまったことに罪悪感を感じて悲しんでいる秀吉の表情を私は両手の人差し指を使い彼の口元横にあてグイッと押しあげて、無理に笑顔を作る
すると彼は自然と笑顔を描くと丸眼鏡を外して私の頬を撫で
『んっ--…「ハァッ、んぅ……///』」
キスを交わしてきた
数少ない口付けの中で、今このキスが一番長いものだった