太閤恋する七冠王
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パチン!
と、将棋の駒を打ったような音がした
実際にその音だけどね?
私はソファの上に座ってファッション雑誌を見ていた
『(あ……このワンピ可愛い///)』
ってごめんなさい、そんなこと言ってもどんなワンピースか、わかりませんね?
えっと、それで……あっ、自己紹介がまだでしたね?
警視庁交通部所属の三浦加奈と言います!
パチン!……
え?この駒の音をたてているのは誰かって?
『……』
「う~ん……!…(ここは、と金を動かして銀将がここに動けば、僕の龍馬が王将を取り僕の勝ちだ!)」
「フッ…そうはさせんぞ秀吉…3二角」
「あっ!?…兄さんわざと銀将を取らせたんだね?参ったよ…でも僕は負けないよ。」
ここはシャトー米花マンション
彼氏の住まいに私は遊びに来ていたのだけど、その彼は実の兄の赤井秀一さんと対局しています
将棋って中々勝敗がつかないから、私はこうやってソファで寛ぎ雑誌を見ているわけですよ
「すまないな、せっかくの非番で秀吉の元に遊びに来たのにこいつが対局に誘ってきたせいで貴重な休みを潰されてしまって……」
『いえ!秀一さんが謝ることはないですよ!!寧ろ感謝しているんです。秀一さんも仕事で忙しいのにあと少しに控えてる名人戦のために秀吉と対局して貰えて!』
黒いニット帽に癖のある前髪の秀一さんにお礼を言って"珈琲淹れましょうか?"と告げ微笑みあっていると
茶髪で後ろ髪にはいつもの寝癖かな?ピンと立っていて、無精髭を生やし家にいる時は大抵ジャージ姿の私の彼氏がムスッとした表情を私に向けてきた
「兄さん…本当に加奈タンのこと狙っていないよね?」
ジィー…と疑わしい眼差しをお兄さんにぶつける秀吉
「なんども言わすな秀吉。弟の恋人を奪うわけないだろ…それに加奈はお前しか見ていない。対局で気づいてないようだが、加奈はお前を物陰に隠れるようにして雑誌を見るフリで見詰めていたんだがな?」
「えっ!?…それホント、加奈タン////」
『---ッッ!?!?秀一さんそれ言っちゃダメって言ったじゃないですか!!!/////』
秀一さんに気付かれて口止めをしたのに、等々バレて私は羞恥が鏡を見なくとも顔に出ていることが分かり、両手を頬に添えて赤い頬を隠していたら
「加奈タァーーンぅ♪」
『きゃあっ!?///秀吉!!?髭が、髭が痛いよ!!』
パァーと向日葵の花のように咲いた嬉しそうな笑みで私を抱き締めてきた彼
髭が痛かったけど、大好きな人との抱き合いに嬉しくて私も恥じらいながらも彼の背中に腕を回した
「……珈琲淹れてくる」
私達を気遣ったのか、その光景が恥ずかしかったのかキッチン場へと消えた秀一さんには申し訳なかった
「加奈タ『名前で呼んで……』!……加奈……好きだよ」
--んんっ……!
二人の喉から甘味な声が漏れる
久しいキスに私達はまた、唇を近づけた……
* * * *
ガタンガタン……ガタッン
3列目の端の席に座って2つ目の駅で降りて友人の美和子と由美と私で待ち合わせの場所に集まりカラオケへ遊びに行くの
プシュー…
駅に着いて停車した電車からまた人が入ってきた
そこに顔を俯かせて私の方に歩いてくる男性
「……ハァ……」
『(?……席ならたくさん空いているのに、
わざわざ私の隣に?それにこの人さっきから溜息ばかり。何か失敗でもしたのかな?)』
丸眼鏡をかけた彼の横顔をチラリと見ながら私は次の駅に着くのを待っていると
トンッ……
『!?…寝ちゃった。』
私の肩に重みがかかって何?って思ったら隣の彼はよっぽど疲れた顔をして私の肩に頭を乗せてきた
手に切符を握っていて6個先の駅で降りるのがわかった
私は次で降りるため肩に乗る彼の頭を退かさないと動けないので起こそうとしたけど
「Zzz……」
『…--っ…可愛い寝顔///起こすの悪いなぁ~。(ふふっ、仕方ないわね…)』
プシュー……………ガタン…コトガタン
私が降りるはずだった駅が遠ざかっていく
やっと彼が降りる駅に着き徐行し始めたタイミングで彼の肩を揺すり起こしてみる
『あの、ちょっと…起きてください?』
「ふぁ?……ああっ、す、すみません!ボク寝てました!!?」
『ええ、私の肩に涎を垂らして…「へ?よ、よだれ!?」それより早く降りて!貴方この駅で降りるんでしょ?』
「あ、はい!でもなんでそれを?」
『切符持っているからですよ?それじゃ私こっちだから…』
彼は頭を下げて"ありがとうございました!"とお礼を言われ私はやっぱり起こさなくて良かったと密かに思う
「(え?内回り?いま乗ってた電車って外回りだったよね……ま、まさか!?)」
加奈は階段を降りながら携帯電話で待ち合わせていた美和子に連絡をいれた
私が電車でうたた寝して駅をすっ飛ばしてしまったと言って
すると後方から
「ま、待っててくれたんですか!?…『ぇっ…!?』自分が下車する駅が通り過ぎてるのに、僕を起こさずに待っててくれたんですね!!」
気付かれてしまったみたい
でも謝らないで、私が貴方の可愛い寝顔をまだ見ていたかっただけなのだから
『ええ、貴方の寝顔があまりにも可愛くってね////』
理由を言うのは恥ずかしかったけど彼にそう伝えた
これが私と彼との馴れ初めである
え?その後、秀吉とどうしたの?どうやって付き合い始めたの?って…
(ふふふっ……それはまたいつか話しましょう?)
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