太閤恋する七冠王
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カフェにて、秀吉に急に呼び出された加奈
待っている間、本を呼んでいると荒い呼吸をして駆け付けてきた来客が私の前に……その人は
「ごめん、加奈タン!待った?」
『!?、ううん……私も今来た所で、ちょうど本を読もうとしてたの?』
秀吉は良かった……と一息ついて私の向かいの席に座り、まず飲み物を頼む
そして、呼び出された件について話された内容に加奈は内心焦る気持ちが押さえられないでいた……
「昔、僕が渡した封筒なんだけど。持っているよね?」
『えっ…?……ええぇっ、勿論!!秀吉に言われた通り7つ揃うまで開けないでください!っていう言い付けを守っているわ!(どうしよう………)』
「なら良かった!実はその7つがもうすぐ揃いそうだから、ちゃんと封筒を持ってるかどうかの確認で呼んだんだ。」
『え!?そうなの!!?じゃあ……見れるの?中身?』
「うん!…あっ…でも僕と一緒に居る時にして欲しんだ?言いたいことがあるから……」
『分かった……--っ、(どこに仕舞ったけ?)』
漸く封筒の中身が分かるというのに、今はまだ、待って欲しいと先伸ばしにしたいと思ってしまった
素直に喜べない気持ち
秀吉にバレてはいないかという不安焦りに加奈は居心地が悪くなり……
ガタンッ!?
『呼び出したのは封筒の確認だけなんだよね、秀吉?私これから用事があるから失礼するね!?』
「えっ!?…加奈タン!?」
秀吉の制止を振り切り店を出た加奈は急いで実家に帰り、その封筒を家中探し廻った
*
*
*
『--っ、ない………ない、やっぱりどこにもない!?』
家での騒動に父に怒られた声がかけられるも彼女には聞く耳をもてなかった
彼女の中で最終的にやはり自分の部屋しかないと結論付け隅々まで探すも見つけられないことに、検討つかないことに涙声を溢す
そこに……
「加奈ちゃん?どうしたの今日は?急に帰って来て……こんなにお部屋を散らかして?何か探し物?」
小さい子どもに言い聞かせるように頭を撫でながら聞いてきた母に加奈の心の内で何かが崩れた
母親に抱き付き、今日あった出来事を話す
『今日ね、秀吉さんに昔、渡された封筒の件についての話があったの?でもその封筒を無くしたことに嘘ついて、もうすぐ封筒の中身が見れるって言われたから、こうして家中探し廻ったんだけど見付からないの!どうしよう……早く見つけなきゃならないのに、仕舞った場所の記憶も思い出せない!』
すがる想いで母親に告白する事実に母は……
「だったら、素直に謝ればいいんじゃないの?例えその封筒が見つかっても加奈ちゃんの心は罪悪感で一杯で心が壊れちゃう。大丈夫よ?秀吉くんは優しいし加奈ちゃんを愛してるわ。素直な加奈ちゃんの方がお母さんも秀吉くんも大好きよ♪」
『--ッッ…私、秀吉に今から会いに行って話してくるね。』
「うん!それがいいわ♪」
母親の言葉は魔法のように癒して私の背中を押してくれた
私はそれに従い秀吉が住むマンションに向かった………
ピンポーン!……
「ど、どうしたの!こんな夜に!?それに上着も羽織らないで来て!?」
秀吉はもう夕日が沈んだ時間と肌寒むそうな服装をした恋人に吃驚する
『秀吉……話があるの。とても大事な……』
「?…大事な話?とにかく部屋に入りなよ!」
加奈の手を取り部屋に入れようとするが動かない彼女に秀吉は振り向き俯く彼女に"どうしたの?"と優しく問えば、俯いていた彼女の顔には涙目を浮かべていた
それには秀吉も動揺し、彼女の肩を掴み、もう一度どうしたの!?と今度は強く聞けば
『--ッッ、封筒……あのカフェで言ったこと嘘なの。本当は大事に持っていなかったの、どこに仕舞ったか覚えてないのよ。家に帰って探したけど見付からなくて………偽ったことを謝りたくて!会いにきたの。最低だよね?秀吉に嫌われても仕方がないよ…』
真実を話すことで、秀吉が自分から離れていく恐怖は勇気が何よりいることだった
けどそれよりも、母に言われた素直に謝るという"勇気"の方が遥かに勝ち…自分は自白することができたことに安堵する
もしこれで秀吉に嫌われたとしても私の中では決して後悔はしない
最後に笑顔を作り、顔を上げ告げた
『こんな私だけど、私は秀吉が大好きだよ!』
その言葉の後、加奈の身体に温かな体温に包まれた
「僕も加奈さんのこと大好きだよ……素直に言ってくれた君を、僕はますます加奈さんのことを好きになりそうだ。」
『秀吉…………ありがとう////』
「……!?。加奈タン、ちょっと待ってて?」
すると玄関に彼女を残し部屋の奥へ行った秀吉に加奈は首を傾げ、待っていると戻ってきた秀吉の手には、ずっと大切に読み飽きないで読み続けた本が握られていた
『それ!』
「あのカフェに忘れてたよ?それに加奈タンはあの封筒を大切に持っていたんだね?」
と秀吉は本の表紙の中に挟み込まれていた、自分が渡した封筒があったのだ!
『!!?……そうだった。私いつも大切にしてたこの本に隠して持っていたんだった。でも秀吉がいつまで経っても返事をくれないから忘れちゃってたんだ私………』
良かったと安堵して本と封筒を抱き締める
「悪かったね……その封筒の性で加奈さんを不安にさせて。だからひとつだけ明かすよ。7つ揃うまでというのは将棋の段級位制の名人・竜王・棋王・王将・王座・棋聖・王位の7つのことなんだ。二日後、僕は最後の王位……名人位を取れば七冠王になれる。」
『!?秀吉、将棋棋士だったの!!』
それには吃驚して声をあげた加奈
「今まで黙っていたのは加奈さんを驚かせてからその封筒の中身の事を見せようと思ったんだ。その性でずっと待たせてごめん……。でも漸く叶いそうだよ?」
『---っ、そっか……じゃあ頑張って勝ってね?早く中身みたいんだから♪』
「うん……」
秀吉はもう一度彼女を抱き締めた
加奈も秀吉の背中に腕をまわし抱きつく
とてもいい感じの雰囲気に誰かが水をさした
「俺は帰った方がいいのか?」
『「!!?」』
秀吉の兄……赤井秀一である
『秀一さん!?遊びに来ていたんですか!?』
「正確には呼び出されただな?二日後の大事な試合には必ず勝たないといけないから将棋に付き合えと頼まれてな……」
「そういうこと!だから秀一兄さんまだ帰ったらダメだからね!」
『フフッ……秀一さん、私からもお願いします。』
そんな二人に仕方がないというように部屋に戻っていく赤井さんを私と秀吉は追いかけ3人で将棋盤を囲んで対局を始めるのだった
*
*
*
*
そんな大事な試合の中で私は昔、秀吉さんと対局した人物に誘拐されて秀吉さんの対局を危うくしてしまう事態にしてしまった
けど秀吉はそんな私を助け、いま私はパトカーで対局場の山梨県にある時和ホテルに向かっていた
一時、山梨県の管轄外に入り、由美が撒き散らす声に山梨警官に停められるも秀吉の事情を話したら、秀吉のファンの警官の協力もありギリギリ時和ホテルに到着する
『2時57分……間にあって良かった「あ、あれない?」何がないの秀吉?』
「写真だよ!加奈タンがVサインしてる。どこかに落としちゃったんだ」
『そんなことより、早く戻らなきゃ!』
「でもあれはお守りなんだよ!!去年の名人戦も、あれを忘れたせいで……」
『…………………秀吉…、』
チュッ……!?
彼の首に腕を回し背伸びをして口付けたキスに秀吉は何が起こったとの表情を浮かび上がらせ彼女を見つめ、唇が離れ何か言おうにも言葉を告げる口が開かない
『これでどうかな?写真よりもご利益あるんじゃない?』
「!!?…は、はい!!////」
頬を紅潮させ、普段見慣れない着物を着た格好いい秀吉の背中を見送り加奈は心の中で"頑張って……"と応援した
「お待たせしました…」
「私は構わないが、大丈夫かね?君は持ち時間を使い切って1分将棋になっているが?」
「ええ……今の僕にとって1分は、無限ですから。」
先程の光景を脳裏で思い起こし、この対局に勝機の笑みを見せた羽田秀吉
そして、秀吉は1分という苦難を乗り越え勝利を納める
翌日、メディアや新聞にパソコンの記事で二人目の七冠王に君臨したのだった
その日の深夜、加奈は秀吉の家で手料理を振舞いお祝いした後に、彼から渡された封筒の中身の正体……その返事に強く頷きOKの返事を出した
二人はこれ以上ないほどの夜の中で愛し合う
きっとそれはこの先の未来でも♪
おわり…