第2章 双生の魔道士

「長老。長老によその国からお客様ですの」

小さな女の子が言った。

「そうか。かたじけないポロム」

小さな女の子、ポロムに長老は礼を言った。

「異国の方々ですか。ワシに何のご用で?」

「はじめまして。僕はバロンのセシル・ハーヴィといいます」

「私はローザ・ファレルと申します。私達はゴルベーザを追って旅をしているんです。何かご存知でしたらと思い、こちらへおうかがいしました」

「なんと!ゴルベーザを…!?世界中のクリスタルを狙っている邪悪な魔道士をですか?!死にに行くようなものじゃ!」

「バロンが襲われました。国王が亡き者にされ、友もさらわれてしまいました」

セシルはうつむいて言った。

「救いたいんです。友も、世界も。友を助け出し、クリスタルを守りたい。どうか、お力添えを頂けませんか」

「…そういうことでしたら。ゴルベーザの現在の本拠地は、試練の山を越えた先にあるゾットの塔。そちらを目指されるが良い。しかし、試練の山を生きて通れた者は一人もいない…。魔道士を供につけよう。パロム!ポロム!」

パロムとポロムが、セシルとローザの前に立った。

「こ…、この子達を?」

セシルが言った。

「さよう。双子の魔道士、パロムとポロムじゃ。まだ幼いが、その資質はワシが保証する。この二人も連れて行かれるが良い」

「まっ、そういうことだ!ジジイの頼みだから、このミシディアの天才児パロム様がついてってやるよ!感謝しろよな!」

「パロム!お主らの修行も兼ねておるのだぞ!」

長老が叱るとほぼ同時に、再びポロムのゲンコツがパロムの頭上に降った。

パロムは無言で悶絶した。

「ウフフッ。生意気でごめんなさい。白魔道士のポロムですの。よろしくお願いしますわ」

ポロムは、にっこりと挨拶するとぺこりとおじぎした。

「黒魔道士のパロムだ!オイラの魔法は天下一品さ!よろしくな!!」

パロムも、ニカッと笑って挨拶した。

「よろしくね、セシルだよ」

「ローザよ。長老、二人の力、ありがたくお借りします」

「うむ。お気をつけられよ」

こうして一行は、試練の山へと旅立った。

これから先の運命に、何が待ち受けているのだろう?
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