第6章 吟遊詩人と召喚士
セシル達一行は、土のクリスタルのあるトロイアを目指す事となった。
しかしトロイアまでは距離がある為、カインが竜の姿となり皆を背中に乗せていく事に。
「びっくりしました……まさか、カインがディスト族だったなんて…」
ギルバートが、カインの背中でしげしげと呟いた。
「ただのディスト族じゃないわよ。それも次期竜王よ」
ローザがウフフと微笑みながら言った。
「次期竜王?!」
「すげぇだろ!」
なぜかパロムが、我が事のようにエッヘンとふんぞり返った。
「はあ…驚きです…。それはそうと、気になってたのですがセシルとローザは恋人同士なのですか?」
「ええ、そうよ?」
「よくわかったね」
ローザもセシルもにっこりした。
「ギルバート様とカイン様はお好きな人はいませんの?」
ポロムが質問した。
「人間の女には興味ない」
「あー…」
カインの素っ気ない返答に、セシルは何とも言えない顔になる。
「男にも興味がない」
「あったら大変だよ」
カインとセシルのやり取りに、ローザは苦笑いを浮かべ、パロムは爆笑し、ギルバートとポロムはクスクスと笑った。
「カインはそうなんですね…。僕は……。すごく大切な女の子がいました。アンナっていうんですけれど」
ギルバートは微笑んだまま目を伏せた。
「高熱病で先に死んでしまいました。僕がちゃんと大きくなれたら結婚しようねって約束もしていたのだけれど」
「ちゃんと大きくなれたら…?」
セシルが言った。
「僕は…長生きはできない体なので」
ギルバートはなるべく明るい声を出すよう努めた。
しかし、皆は衝撃を受けた。
体が弱いとは言っていたが、まさかここまでだったなんて。
「やだな、そんな顔しないで。小さい時から何度も聞かされてきたことですし……、なんとかこうして動けますから」
ね?と、ギルバートは取り繕うように微笑んでみせるが、仲間達は深刻な顔のままだった。
しかしトロイアまでは距離がある為、カインが竜の姿となり皆を背中に乗せていく事に。
「びっくりしました……まさか、カインがディスト族だったなんて…」
ギルバートが、カインの背中でしげしげと呟いた。
「ただのディスト族じゃないわよ。それも次期竜王よ」
ローザがウフフと微笑みながら言った。
「次期竜王?!」
「すげぇだろ!」
なぜかパロムが、我が事のようにエッヘンとふんぞり返った。
「はあ…驚きです…。それはそうと、気になってたのですがセシルとローザは恋人同士なのですか?」
「ええ、そうよ?」
「よくわかったね」
ローザもセシルもにっこりした。
「ギルバート様とカイン様はお好きな人はいませんの?」
ポロムが質問した。
「人間の女には興味ない」
「あー…」
カインの素っ気ない返答に、セシルは何とも言えない顔になる。
「男にも興味がない」
「あったら大変だよ」
カインとセシルのやり取りに、ローザは苦笑いを浮かべ、パロムは爆笑し、ギルバートとポロムはクスクスと笑った。
「カインはそうなんですね…。僕は……。すごく大切な女の子がいました。アンナっていうんですけれど」
ギルバートは微笑んだまま目を伏せた。
「高熱病で先に死んでしまいました。僕がちゃんと大きくなれたら結婚しようねって約束もしていたのだけれど」
「ちゃんと大きくなれたら…?」
セシルが言った。
「僕は…長生きはできない体なので」
ギルバートはなるべく明るい声を出すよう努めた。
しかし、皆は衝撃を受けた。
体が弱いとは言っていたが、まさかここまでだったなんて。
「やだな、そんな顔しないで。小さい時から何度も聞かされてきたことですし……、なんとかこうして動けますから」
ね?と、ギルバートは取り繕うように微笑んでみせるが、仲間達は深刻な顔のままだった。