第7章 真打と影打
戦争の日々が始まりしばらくたった日の夜、あゆむは夢を見た。
懐かしい、昔の夢を。
両親もまだ生きていた頃だ。
ああそうだ、自分は畑を耕しながら二人の帰りを待っていたっけ。
休憩をとっていた時だ。
ハカセが、慌ててやって来たのは。
「大変だ!!
あゆむの両親が、ひき逃げにあって…即死した!!」
あんなに真っ青なハカセを見たのは初めてだ。
けれど…、自分も同じくらい真っ青だったかもしれない。
「そんな……」
喋るだけで、胸が苦しかった。
「僕、学校をやめるよ…。
学校をやめて、家の農業を継ぐ…。
畑をほっとけない」
「…あゆむ、君は強いね。
急に一人になったのに、こんなに冷静に。
いや、正しくはこれからは一人じゃない」
「どういう事?」
「君は、マナ一族…ウォークマスターなんだ。
すでに、覚醒しているんだ。
君には、各地に生きるマナ一族の仲間達がいる……。
畑が気になるかもしれないけど、どうか、お願い。
世界の為にマナ一族として生きてほしいんだ」
こんなに真剣なハカセを見たのは、初めてだった。
それに、嬉しかった。
特別な取り柄もない自分が、世界を担う大役を預かれた事が。
旅立つのには、なんの抵抗感もなかった。
そこで、夢は終わった。
目が覚めた後は、不思議な感覚がしばらく続いた…。
懐かしい、昔の夢を。
両親もまだ生きていた頃だ。
ああそうだ、自分は畑を耕しながら二人の帰りを待っていたっけ。
休憩をとっていた時だ。
ハカセが、慌ててやって来たのは。
「大変だ!!
あゆむの両親が、ひき逃げにあって…即死した!!」
あんなに真っ青なハカセを見たのは初めてだ。
けれど…、自分も同じくらい真っ青だったかもしれない。
「そんな……」
喋るだけで、胸が苦しかった。
「僕、学校をやめるよ…。
学校をやめて、家の農業を継ぐ…。
畑をほっとけない」
「…あゆむ、君は強いね。
急に一人になったのに、こんなに冷静に。
いや、正しくはこれからは一人じゃない」
「どういう事?」
「君は、マナ一族…ウォークマスターなんだ。
すでに、覚醒しているんだ。
君には、各地に生きるマナ一族の仲間達がいる……。
畑が気になるかもしれないけど、どうか、お願い。
世界の為にマナ一族として生きてほしいんだ」
こんなに真剣なハカセを見たのは、初めてだった。
それに、嬉しかった。
特別な取り柄もない自分が、世界を担う大役を預かれた事が。
旅立つのには、なんの抵抗感もなかった。
そこで、夢は終わった。
目が覚めた後は、不思議な感覚がしばらく続いた…。