第6章 切られし戦いの火蓋
「ああ。殺してやるよ……」
タオが呟いた。
「タオ……!」
あゆむは、焦りの表情になる。
タオは、地を蹴った。
「――てめえをなっ!!!」
「!!」
ギュンと空上のプルソンのもとまで飛び上がり、渾身の一撃を頬に食らわせた。
頬を強く殴られた衝撃で、プルソンの体勢が一瞬崩れる。
「タオ…!」
あゆむが、安堵の表情になった。
「人間達は任せた!!
オレはこの根暗悪魔の相手をする!!」
タオはキッとプルソンをにらみ据えた。
「ふーん…やる気?」
プルソンは、先端が鋭利な指揮棒をくるくると器用に片手で回した。
「君バカそーだから、楽勝かも~♪」
「ほざけぇ!」
タオが怒りの蹴りを放つ。
サッとかわし、プルソンは突くように指揮棒をタオに振った。
「あっぶね!」
タオはよけたが、腕にかすりスッパリかすれた部分が切れてしまった。
「なんて物騒な指揮棒を……」
患部を押さえ呟いた後、タオはプルソンを見た。
「今日の事以外にも、人間に悪さして来たのか?」
「えー別にー?俺の歌を聴いた人間が、勝手に同士討ちや戦争始めたりはしたけどさ~」
あまり悪びれた様子もなく、プルソンが答えた。
「それを悪さって言うんだよ!!」
タオは拳を握り、相手に向かった。
その時だった。
「プルソン!!
ハエ騎士団員は、必ずグループで戦う法律だろう!!」
そこにルシファーが瞬間移動してきたことで、プルソンはそちらを向き、タオの拳は止まった。
「げっ!!忘れてた~!
すいませんルシファー様!」
「まったく…サタンみんなの法律なんだから、きちんと守らないと無茶になりかねるよ?!」
目の前で上司に怒られる部下という光景に、タオはぽかーんとしている。
「タオーッ!人間は全員気絶させたよ!」
下方のあゆむが、上に向かって叫んだ。
「ほら、ね。2対1になるところだったろう?
それに、ここじゃ戦うには場が悪い。
残念だけど、撤退しよう」
ルシファーは、ため息をついた。
「は~い……」
プルソンは口を尖らせた。
「待てよ!逃げんのかよ?!」
タオが責めると、ルシファーは冷静に返す。
「またの機会に、というだけさ。
必ずその時は訪れる……それまで、じゃあね」
「ちぇっ。そういうわけさ」
スーッ、とルシファーとプルソンの姿は消えていった。
「……何が、またの機会だ」
タオは、険しい顔で呟いた。
「悪さするだけして、器用に逃げやがって……」
タオが呟いた。
「タオ……!」
あゆむは、焦りの表情になる。
タオは、地を蹴った。
「――てめえをなっ!!!」
「!!」
ギュンと空上のプルソンのもとまで飛び上がり、渾身の一撃を頬に食らわせた。
頬を強く殴られた衝撃で、プルソンの体勢が一瞬崩れる。
「タオ…!」
あゆむが、安堵の表情になった。
「人間達は任せた!!
オレはこの根暗悪魔の相手をする!!」
タオはキッとプルソンをにらみ据えた。
「ふーん…やる気?」
プルソンは、先端が鋭利な指揮棒をくるくると器用に片手で回した。
「君バカそーだから、楽勝かも~♪」
「ほざけぇ!」
タオが怒りの蹴りを放つ。
サッとかわし、プルソンは突くように指揮棒をタオに振った。
「あっぶね!」
タオはよけたが、腕にかすりスッパリかすれた部分が切れてしまった。
「なんて物騒な指揮棒を……」
患部を押さえ呟いた後、タオはプルソンを見た。
「今日の事以外にも、人間に悪さして来たのか?」
「えー別にー?俺の歌を聴いた人間が、勝手に同士討ちや戦争始めたりはしたけどさ~」
あまり悪びれた様子もなく、プルソンが答えた。
「それを悪さって言うんだよ!!」
タオは拳を握り、相手に向かった。
その時だった。
「プルソン!!
ハエ騎士団員は、必ずグループで戦う法律だろう!!」
そこにルシファーが瞬間移動してきたことで、プルソンはそちらを向き、タオの拳は止まった。
「げっ!!忘れてた~!
すいませんルシファー様!」
「まったく…サタンみんなの法律なんだから、きちんと守らないと無茶になりかねるよ?!」
目の前で上司に怒られる部下という光景に、タオはぽかーんとしている。
「タオーッ!人間は全員気絶させたよ!」
下方のあゆむが、上に向かって叫んだ。
「ほら、ね。2対1になるところだったろう?
それに、ここじゃ戦うには場が悪い。
残念だけど、撤退しよう」
ルシファーは、ため息をついた。
「は~い……」
プルソンは口を尖らせた。
「待てよ!逃げんのかよ?!」
タオが責めると、ルシファーは冷静に返す。
「またの機会に、というだけさ。
必ずその時は訪れる……それまで、じゃあね」
「ちぇっ。そういうわけさ」
スーッ、とルシファーとプルソンの姿は消えていった。
「……何が、またの機会だ」
タオは、険しい顔で呟いた。
「悪さするだけして、器用に逃げやがって……」