第4章 Definition of happiness and friendship
「にしてもお前、よく虫歯にならないな。
こんな甘ぇもん日常的に食ってよ」
「毎日歯磨きしてるもん」
ダンタリアンはおっとりと答えた。
「やっぱり、好きな物食べてる時っていいよね。
幸せな気持ちになれちゃう。
ほんとの幸せは、誰からも生きている事を非難されず自由に生きられる世界だけど……」
「その幸せな世界にせっかく誘ったのに、お前は断られた」
アミーが言っているのは、あの初代マナ一族が揃ったばかりの頃の事だ。
人間や女神が憎くないの、こっちにおいで、幸せになろうというダンタリアンの誘惑を断ち切った5人。
「ひでえもんだな。
あいつらにとっての幸せって、なんなんだか。
よく女神なんかに従ってられるもんだぜ」
「アミー……」
怒ったように自分に味方してくれるアミーに、温かな気持ちになりダンタリアンは柔らかく微笑んだ。
「僕ね…。こうして、大切な人と共に生きている事、最高に幸せ。
マナの者や人間のいない世界を創ったら、きっとアミーもいっしょに暮らそうね。
みんな…。みんないっしょに」
「おおよ。悪魔5億人、全員いっしょだ」
アミーは頼もしく口角を吊り上げた。
その夜、城の外で玲音は憂いの表情を浮かべていた。
ベルフェーゴルと暮らした日々の事。
自分がベルフェーゴルにした事。
それらを、玲音は思い出している。
『おお!おお!わしの他にも、幽霊がおったとは!』
『?!』
そこに、武士の霊が現れた。
玲音を見つけるなり、やたら嬉しそうだ。
『えっと……おめは、確か……』
この顔は、生前歴史の教科書で見た事がある。
玲音は記憶をたどり――目を見開いた。
『徳久家永!?』
『なんと、わしを知っておったか!あっぱれ、あっぱれ!』
家永は、驚きつつ喜んだ。
『い、いやー。これは、有名人さお目にかかったもんで……』
玲音は、ペコペコと頭を下げる。
『おめなんて言っちまった…。すんげー有名な武将でねーか…。
あの、お殿様はなしてお化けに?』
『うん?ちと、小姓が気になっての。
会うて参ったのじゃ。
生前、その小姓は突然行方不明となったものでの、わしは心配で心配で仕方なかった。
しかし、いざ再会すれば元気そうであり、何より。何より』
家永はしみじみと言った。
『はあ…。だども、お殿様の生前なんて2000年くらいは前だろ?
もしかして小姓さんも、お化け?』
『いいや。初代マナ一族として、今もなお生きておった』
これには、驚かされた。
まさか、倭区域を治める宝城家の流れをくむ徳久家の殿の小姓が、マナ一族であるとは。
こんなことまではさすがに、歴史の教科書には書いていなかった。
歴史とは、なんなのだろう?
重大な事が明かされていなかったではないか。
『おかしいぞ!俺、教師だった!
んだのに、お殿様の小姓さんがマナ一族だって事、歴史の教科書さ載ってねがった!
なしてだなや?!!変だ!』
『それはきっと。小姓自体が、自身の正体を誰にも告げずにマナの世界へと旅立ったゆえであろう』
家永は、落ち着いた表情で答えた。
こんな甘ぇもん日常的に食ってよ」
「毎日歯磨きしてるもん」
ダンタリアンはおっとりと答えた。
「やっぱり、好きな物食べてる時っていいよね。
幸せな気持ちになれちゃう。
ほんとの幸せは、誰からも生きている事を非難されず自由に生きられる世界だけど……」
「その幸せな世界にせっかく誘ったのに、お前は断られた」
アミーが言っているのは、あの初代マナ一族が揃ったばかりの頃の事だ。
人間や女神が憎くないの、こっちにおいで、幸せになろうというダンタリアンの誘惑を断ち切った5人。
「ひでえもんだな。
あいつらにとっての幸せって、なんなんだか。
よく女神なんかに従ってられるもんだぜ」
「アミー……」
怒ったように自分に味方してくれるアミーに、温かな気持ちになりダンタリアンは柔らかく微笑んだ。
「僕ね…。こうして、大切な人と共に生きている事、最高に幸せ。
マナの者や人間のいない世界を創ったら、きっとアミーもいっしょに暮らそうね。
みんな…。みんないっしょに」
「おおよ。悪魔5億人、全員いっしょだ」
アミーは頼もしく口角を吊り上げた。
その夜、城の外で玲音は憂いの表情を浮かべていた。
ベルフェーゴルと暮らした日々の事。
自分がベルフェーゴルにした事。
それらを、玲音は思い出している。
『おお!おお!わしの他にも、幽霊がおったとは!』
『?!』
そこに、武士の霊が現れた。
玲音を見つけるなり、やたら嬉しそうだ。
『えっと……おめは、確か……』
この顔は、生前歴史の教科書で見た事がある。
玲音は記憶をたどり――目を見開いた。
『徳久家永!?』
『なんと、わしを知っておったか!あっぱれ、あっぱれ!』
家永は、驚きつつ喜んだ。
『い、いやー。これは、有名人さお目にかかったもんで……』
玲音は、ペコペコと頭を下げる。
『おめなんて言っちまった…。すんげー有名な武将でねーか…。
あの、お殿様はなしてお化けに?』
『うん?ちと、小姓が気になっての。
会うて参ったのじゃ。
生前、その小姓は突然行方不明となったものでの、わしは心配で心配で仕方なかった。
しかし、いざ再会すれば元気そうであり、何より。何より』
家永はしみじみと言った。
『はあ…。だども、お殿様の生前なんて2000年くらいは前だろ?
もしかして小姓さんも、お化け?』
『いいや。初代マナ一族として、今もなお生きておった』
これには、驚かされた。
まさか、倭区域を治める宝城家の流れをくむ徳久家の殿の小姓が、マナ一族であるとは。
こんなことまではさすがに、歴史の教科書には書いていなかった。
歴史とは、なんなのだろう?
重大な事が明かされていなかったではないか。
『おかしいぞ!俺、教師だった!
んだのに、お殿様の小姓さんがマナ一族だって事、歴史の教科書さ載ってねがった!
なしてだなや?!!変だ!』
『それはきっと。小姓自体が、自身の正体を誰にも告げずにマナの世界へと旅立ったゆえであろう』
家永は、落ち着いた表情で答えた。