第4章 Definition of happiness and friendship
「な、なんだいあのじいさん!
鼓膜が破れるよっと!」
言いながらサブナクは、片方の耳を押さえた。
「全くだぜ!雷オヤジが…。
それにしても、なぜあんなにまであの人間をかばうんだ?
いくらパイモン以外話し相手がいないからって、人間はねーだろ?」
レヴィアタンがぼやいた。
「だよねー。もしかして、クォク・テチョルに情でもわいちゃってんの……?」
サブナクが怪訝そうな顔になる。
「うわーー!あり得ない!あり得ないっと!!」
「人間が俺達に何したか、あのじじいだってよーく痛いほどわかってるはずなんだがなあ……まあしょせん、あいつらはサタンと人間さ。
あいいれねえ」
レヴィアタンは神妙な顔をした。
「人間に期待なんかしたところで、いいことなんかねぇ。
ベルフェーゴル様だって、痛い目をみた。
あのじいさんだって、いずれは…」
「そうだよ!いずれは、痛い目みるっと!
ナベリウス風に言えば、げんめつー」
サブナクは、ナベリウスの口癖をそっくり真似た。
「ほんとだぜ!げんめつー!」
それに、レヴィアタンが便乗する。
「アロケルじいさん、あんなことで幸せに近付けると思ってんのか?
ムリに決まってる!
俺達の幸せは…」
「そう、俺達の幸せは…生きている事を誰にも非難されない、サタンだけの世界」
二人の表情に、陰ができる。
「その理想に近付きたいと、アロケルじじいも思ってるはずなのになあ……」
サブナクはため息をついた。
「クォク・テチョルにほだされて、だんだんダメになってきてる……。あーあ、おもしろくないよっと」
「まあな。このままじゃやべえ。
あんなじいさんでも戦いになれば勇ましいんだし、いつか戦争がまた起こったら頑張ってもらって、忘れてもらうっきゃねえや」
「それって、いつなの?レヴィアたん。
人質が死んだ時?」
「レヴィアたん言うな!
――まあ…、人質の死か、途中での契約破棄か、そのどちらかだろ。
どのみち、人間の人生なんて短いんだし」
「そうだね!人間なんてすぐ死ぬよっと!」
自分に言い聞かせるように、サブナクは明るく言った。
ずっとこのままなはずがあるものか。
そう自分に言い聞かせるように。
ところかわって、ダンタリアンの自宅。
「ん~♪美味しい……」
暖炉の前で椅子に腰掛け、ダンタリアンはドロップをなめていた。
口にしたお菓子の甘美さから柔らかな笑顔になり、両手で片方ずつ頬を押さえる。
「お前、本当に好きだよな?ドロップ」
その向かい側の椅子に腰掛けているアミーが、微笑ましそうに言った。
「うん。だーい好き。
なめてると、いやなことみんな忘れちゃうよ」
缶から色とりどりのドロップを片手に数個だし、それをアミーの前にダンタリアンは差し出した。
「アミーにもあげる。どれがいい?」
「んーと…。じゃあ、これ」
アミーはメロン味を選び、口に入れた。
ダンタリアンは満足げに微笑んでいる。
鼓膜が破れるよっと!」
言いながらサブナクは、片方の耳を押さえた。
「全くだぜ!雷オヤジが…。
それにしても、なぜあんなにまであの人間をかばうんだ?
いくらパイモン以外話し相手がいないからって、人間はねーだろ?」
レヴィアタンがぼやいた。
「だよねー。もしかして、クォク・テチョルに情でもわいちゃってんの……?」
サブナクが怪訝そうな顔になる。
「うわーー!あり得ない!あり得ないっと!!」
「人間が俺達に何したか、あのじじいだってよーく痛いほどわかってるはずなんだがなあ……まあしょせん、あいつらはサタンと人間さ。
あいいれねえ」
レヴィアタンは神妙な顔をした。
「人間に期待なんかしたところで、いいことなんかねぇ。
ベルフェーゴル様だって、痛い目をみた。
あのじいさんだって、いずれは…」
「そうだよ!いずれは、痛い目みるっと!
ナベリウス風に言えば、げんめつー」
サブナクは、ナベリウスの口癖をそっくり真似た。
「ほんとだぜ!げんめつー!」
それに、レヴィアタンが便乗する。
「アロケルじいさん、あんなことで幸せに近付けると思ってんのか?
ムリに決まってる!
俺達の幸せは…」
「そう、俺達の幸せは…生きている事を誰にも非難されない、サタンだけの世界」
二人の表情に、陰ができる。
「その理想に近付きたいと、アロケルじじいも思ってるはずなのになあ……」
サブナクはため息をついた。
「クォク・テチョルにほだされて、だんだんダメになってきてる……。あーあ、おもしろくないよっと」
「まあな。このままじゃやべえ。
あんなじいさんでも戦いになれば勇ましいんだし、いつか戦争がまた起こったら頑張ってもらって、忘れてもらうっきゃねえや」
「それって、いつなの?レヴィアたん。
人質が死んだ時?」
「レヴィアたん言うな!
――まあ…、人質の死か、途中での契約破棄か、そのどちらかだろ。
どのみち、人間の人生なんて短いんだし」
「そうだね!人間なんてすぐ死ぬよっと!」
自分に言い聞かせるように、サブナクは明るく言った。
ずっとこのままなはずがあるものか。
そう自分に言い聞かせるように。
ところかわって、ダンタリアンの自宅。
「ん~♪美味しい……」
暖炉の前で椅子に腰掛け、ダンタリアンはドロップをなめていた。
口にしたお菓子の甘美さから柔らかな笑顔になり、両手で片方ずつ頬を押さえる。
「お前、本当に好きだよな?ドロップ」
その向かい側の椅子に腰掛けているアミーが、微笑ましそうに言った。
「うん。だーい好き。
なめてると、いやなことみんな忘れちゃうよ」
缶から色とりどりのドロップを片手に数個だし、それをアミーの前にダンタリアンは差し出した。
「アミーにもあげる。どれがいい?」
「んーと…。じゃあ、これ」
アミーはメロン味を選び、口に入れた。
ダンタリアンは満足げに微笑んでいる。