第4章 Definition of happiness and friendship

初代マナ一族が天上界に来たばかりの頃。
時をおかずして、戦いはすでに繰り広げられていた。
完璧な修行を行ってからなどという有余など、憎しみにとらわれたサタン達が与えるはずもなく。
初代マナ一族は、戦いながら、実力を付けていったようなものだった。
必死だった。
そんな時だ。ダンタリアンが今にも泣きそうな表情で叫んだのは。
「悔しくないの?!
偏見ばっかの守る価値も無い人間どもに、化け物扱いされて迫害されて!!
憎くないの?!
突然そのチカラと使命を突き付け、それまで生きてきた人生をメチャクチャにした女神エイレンテューナの事が!!!」
ハッと硬直する者に、悲しそうにうつむく者。
初代の5人は、さまざまな反応を示した。
「…僕なら、イヤだ。
悲しすぎるよ……」
ダンタリアンは、目頭を熱くしながら続けた。
「きっと君達だって、僕らと同じ気持ちをいだいているはずなんだ…。
こっちにおいでよ…一緒に、幸せになろう」
「……ッ、断るっ!!」
イリスェントは、苦しげに叫んだ。
「確かに、人間は愚かなのである…自分勝手な振る舞いをされ、憎いと思った相手もいる!
だがっ!!女神様をうらむなど、お門違いである!!
我が輩は、マナ一族となる事で良き仲間と出会えた!
サタンに加担など、誰がするか!!」
両親には捨てられ、軍隊でも良い扱いを受けたとはいえなかった。
だが、戦場で瀕死のところをエステレラに助けられ、彼や仲間の優しさに救われたのも事実。
悪に手を貸すなど、とんでもない事だ。
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