第3章 有限だとしても

イリスェントとハエ騎士団は、天上界と地上の空の境目で激しい戦いを繰り広げていた。
マナ一族が人間の子供をかくまい始めた。
これ以上思い上がらせぬよう、徹底的に攻めて来い。
そのヘルデウスの命令に逆らうハエ騎士団員は、誰一人としていなかった。
銃声は止まない。
たった一人で戦うイリスェントに、隙は全く生じなく、サタン達は思うように戦えずにいる。
「なんてことだ…!
うっかり前に出れやしねえ!」
自分の戦況に、アミーは苛立ちを覚えた。
「畜生…!あんなチビ1匹に!」
レヴィアタンは、ぎりっと歯噛みした。
「大丈夫だよ、みんな…」
ダンタリアンが小さな声で言った。
「そろそろだ」
何がそろそろかと尋ねる必要はなかった。
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