第2章 バカげた生き方!

「ね~、モモとコックさん、3代目の話してたでしょ?」
「あらやだ、なんでわかったのフォル!!!」
「パイモンの声が大きいから、きっと廊下まで届いたんですね……」
再度、アカーコックが苦笑いを浮かべた。
「区域のはずれにモンスターを召喚したのに、旅していた3代目マナ一族は誰一人として倒れなかった。
きっと、戦い抜いたのですね。
そう足掻いてまで、生き抜いてもらう必要があるでしょうか。
ないに決まってます」
フゥ、とアカーコックはため息をついた。
「そおよ~、迷惑きわまりないったらないわぁん!」
「それだけ、ぼちぼち強いって事か~…。やんなるねぇ」
フォルネウスの顔が憂鬱そうに変わった。
「人間として生きてきたぶんをチャラにして、人生を犠牲にしてまで女神に仕えて、なんの意味があるのかな~?
人間なんて守る価値ないじゃん。あんなに自分勝手なんだよ?」
「そうよー、フォルの言う通りだわ!!!
世界の為に戦うマナ一族、なんてバカげた生き方なのかしら!」
「本当ですよ。バカげてます。
もっと有意義な生き方があるでしょうに。
これだからお子様は」
ああだこうだ議論してるうちに、アンドロアルフュスがベルゼバブの手をひいて駆けてきた。
「お~い!!お待たせ~!!」
「フュルから聞いたよ~♪
このあとフェルもまぜてクッキーパーティーするんだって?
あたいもまざる!まざるっ!」
「わ~いベルゼバブ様だ!」
憂鬱顔だったフォルネウスが、途端にイキイキとした。
「そうですよ。ベルフェーゴル様と、僕と、パイモンと、フォルと、フュルと、それから、…ベルゼバブ様。あなたとね。
さあ、参りましょう。楽しい時間がもうすぐ始まります」
アカーコックは、柔らかく微笑んだ。
本当に、こんな楽しい時間がずっと続けばいいのにと内心願いながら。
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