第2章 バカげた生き方!

「…生き方なんて、いろいろなのね。
この神殿にはきっと、さまざまな生き方をした仲間がいるんだわ。
たとえば、"学者"は瞬時になんでも答えを出せるとはいうけど、そんな彼らでも生き抜くべき時には頭脳なんて役に立たない時もあったんでしょうね」
「……みほ、すごいこと言ってる」
チェンは、感心したような声を出した。
「だって、そうだもの。
ここには、似た子なんて一人もいないしね」
みほは、ほんの少しだけ笑む。
「あたしなんて、故郷で学校行ったり遊んだりしてるうちに覚醒した一般人だからなー。
チェンやタオがすごく頑張って生きた子達に思える。実際そうだけど」
「勉強して遊んでご飯食べてお布団で寝て、それが一番なんだよ。
がんばるのなんて、適度でいいの」
両親と暮らして学校に行く。
当たり前の事のようで、チェンには当たり前ではなかった事だ。
チェンは優しい表情と声でみほに伝えた。
「確かにここにはいろんな子がいるけど、過去の生き方がどうあれ、みんなみんなまっすぐ"今"しか見てないよ。
今生きてるのは、ここなんだから。
だから、昔の事なんていいんだ!ごめんね、重い話して?」
「んーん!全然重いなんて思わなかったから!
重いの"お"の字も思わなかった!!」
みほは慌てて、一生懸命首を横に振った。
そんな彼女を見て、チェンはクスリと笑う。
みほもつられて笑った。
「…せっかくだから、いっしょに修行していい?」
「もちろん!」
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