第1章 覚醒の時、来たれり
「こおいう喜ばしい事件ばっかならいいのになー。
3代目マナ一族、今旅立ってたり覚醒したりしてるって噂だよ~。
めんどくさっ」
快楽、怠惰、放蕩を司っているツンツンした髪のハエ騎士団員、ストラスが言った。
「なにそれヤダ。げんめつー」
おかっぱ頭のハエ騎士団員ナベリウスが、だるそうに言った。
彼は、幻滅、欺瞞、虚言を司っている。
「どうやら最も最近覚醒したばっかなのは、3代目学者ひとりみたいだよ…。
まだ仲間と出会ってないや」
ダンタリアンが、分厚い本を開き中を見ながら言った。
「まあ本当?!!!!グズだったらないわねえ!!!!!!まあ一生出会わなくてもいいけどお!!!!!!!!!!!」
「パイモン声でかすぎうるさすぎ。げんめつー」
ナベリウスがぼやいた。
「げんめつぅー」
それをアンドロアルフュスがふざけて真似る。
「3代目がみんな集合したら、今よりさらにめんどくさいことになるんだろなー…。
なーんて、めんどくさいこと考えてても仕方ない!!みんなで我らが親愛なるハエ騎士団員・アカーコックの地獄レストランにでも行こーっ!!」
ストラスがパアッと明るい声で景気づけようとする。
みんな、口々に賛成賛成と言った。
「よーしいくわよぉん!!!!!!!!!こうなりゃ敬愛するルシファー様もお誘いしちゃおうかしらぁん!!!!!!!!!!」
「だーからうるさいって。このオカマ~。げんめつー。
ルシファー様は誘うけど~」
ナベリウスが面倒くさそうに言った。
「いやーん、許して!!!
――って、やだ!!!
私ったら、こないだ出禁くらったばかりなんだったわ!!!!!
大声で店のコップ全破壊しちゃったもの!!!!!!!!」
「あははモモってばぁ~」
フォルネウスが笑った。
「やぁだごめんなさい!!
みんな楽しんできてぇ~」
声量は下がったが、ほんの少しだけだ。
今度はフォルネウスだけでなく、みんな笑った。
インディ区域を、二人の少年少女が歩いていた。
ハカセとコルちゃんだ。
これから二人で、ハカセの研究所に向かっているのだ。
そう、コルちゃんはマナ一族であることを告げられたばかりなのである。
「…わたし、良かったです」
「何がだい?」
「ひとり旅の蛇使いで…。
家の両親には、内緒にできますもの。
余計な心配かけたくないです……」
コルちゃんは、浮かない顔をしていたが、すぐに切り替えた。
「いろいろ教えてくださいね?ハカセさん…」
「もちろん?連れてくからには、なんでも話しちゃう!」
彼女に人間としての人生を犠牲にさせるのは罪悪感が生じるが、自分は役目をまっとうせねばならない。
いや、自分も。
ハカセは、彼女を安心させるかのようにニコッととびきりの笑顔を作った。
3代目マナ一族、今旅立ってたり覚醒したりしてるって噂だよ~。
めんどくさっ」
快楽、怠惰、放蕩を司っているツンツンした髪のハエ騎士団員、ストラスが言った。
「なにそれヤダ。げんめつー」
おかっぱ頭のハエ騎士団員ナベリウスが、だるそうに言った。
彼は、幻滅、欺瞞、虚言を司っている。
「どうやら最も最近覚醒したばっかなのは、3代目学者ひとりみたいだよ…。
まだ仲間と出会ってないや」
ダンタリアンが、分厚い本を開き中を見ながら言った。
「まあ本当?!!!!グズだったらないわねえ!!!!!!まあ一生出会わなくてもいいけどお!!!!!!!!!!!」
「パイモン声でかすぎうるさすぎ。げんめつー」
ナベリウスがぼやいた。
「げんめつぅー」
それをアンドロアルフュスがふざけて真似る。
「3代目がみんな集合したら、今よりさらにめんどくさいことになるんだろなー…。
なーんて、めんどくさいこと考えてても仕方ない!!みんなで我らが親愛なるハエ騎士団員・アカーコックの地獄レストランにでも行こーっ!!」
ストラスがパアッと明るい声で景気づけようとする。
みんな、口々に賛成賛成と言った。
「よーしいくわよぉん!!!!!!!!!こうなりゃ敬愛するルシファー様もお誘いしちゃおうかしらぁん!!!!!!!!!!」
「だーからうるさいって。このオカマ~。げんめつー。
ルシファー様は誘うけど~」
ナベリウスが面倒くさそうに言った。
「いやーん、許して!!!
――って、やだ!!!
私ったら、こないだ出禁くらったばかりなんだったわ!!!!!
大声で店のコップ全破壊しちゃったもの!!!!!!!!」
「あははモモってばぁ~」
フォルネウスが笑った。
「やぁだごめんなさい!!
みんな楽しんできてぇ~」
声量は下がったが、ほんの少しだけだ。
今度はフォルネウスだけでなく、みんな笑った。
インディ区域を、二人の少年少女が歩いていた。
ハカセとコルちゃんだ。
これから二人で、ハカセの研究所に向かっているのだ。
そう、コルちゃんはマナ一族であることを告げられたばかりなのである。
「…わたし、良かったです」
「何がだい?」
「ひとり旅の蛇使いで…。
家の両親には、内緒にできますもの。
余計な心配かけたくないです……」
コルちゃんは、浮かない顔をしていたが、すぐに切り替えた。
「いろいろ教えてくださいね?ハカセさん…」
「もちろん?連れてくからには、なんでも話しちゃう!」
彼女に人間としての人生を犠牲にさせるのは罪悪感が生じるが、自分は役目をまっとうせねばならない。
いや、自分も。
ハカセは、彼女を安心させるかのようにニコッととびきりの笑顔を作った。