第9章 迷いの心、誓いの絆

「ああ、じゃあ俺だし。
すまん。忘れとったし」
チョルくんがケロリと思い出した旨を伝えた、その時だった。
彼の悪びれもしない態度が気にくわなかったのか、
あのベルフェーゴルがキレたのは。
あの全てにおいて怠惰な悪魔が。
「ふざけんなっちゃ。やちゃくちゃねごど
(ふざけるな。だらしないな)」
(!?)
「なんだや?なんだあんけ?おめえ、自分の立場わがってんなが?
悪魔さ囚わいだ人質だろや?皿ぐれ洗えっちゃの?
おいだってめんどくせどもちゃんとやってんあんよ皿洗い?
怠惰の悪魔より怠惰でどーすんなでってまんず!あっちぇやろこだのぉ〜
(なんだよ?なんなんだよ?お前、自分の立場わかってるのか?
悪魔に囚われた人質だろ?皿ぐらい洗えよな?
自分だってめんどくさいけどちゃんとやってるんだよ皿洗い?
怠惰の悪魔より怠惰でどーすんだ全くもう!バカ野郎)」
「は?え…え?え???」
突然マシンガンのように訛りだした彼に、チョルくんはおろおろと戸惑いまくる。
「えっと……。今の、俺に言ってるんよな……?」
「わぁしかいねろや
(お前しかいないだろう)」
「フェル、フェル。ちょっと落ち着きなさいよ…。
素が出てるわよ」
「あ、やべ……。
我を忘れてうっかり訛っちまったっす」
アスデモスに諭され、ベルフェーゴルは落ち着きを取り戻したようだ。
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