第9章 迷いの心、誓いの絆

「おう、まだ顔も名前も知らねえけどなまだ。
そこでそいつとご対面してから、ハカセが俺達を導いてくれるという寸法だ」
「先程から何者なのだ、そのハカセとは……」
マオがポツリと訊ねる。
「細けえ事は気にするな!案ずるより産むが易し。倭区域に行けば全て解決だ解決!
よーし!いざ参るぞ!皆の者!!
出陣――――――!!」
「お――――っ!」
「エイ・エイ・オ――――――!!!」
「…我は、今後アレと暮らさねばならぬのか?」
「ふふっ。きっとすぐ慣れます」
シアンと出陣の掛け声をあげるホトを指し呆れるマオに、マナはクスクスと楽しげに微笑う。
(…だが、斯様な賑やかなモノも悪くはないか)
「戯れを…。出立するなら早くすれば良いのだ」
マオの顔は、自然と綻んでいた。

「こぉーらっ!!いつまでイチャついとんねんっ!」
「わああ!エディくん?!」
「!?」
突然背後から大きめに声をかけられ、シアンとマオは驚き振り向いた。
「ミンユーくんもいまーす‥」
控えめに笑いながら、ミンウもいたずらっぽく自己主張する。
「…なんなのだ。一体」
「悪いとは思うけれど、もうすぐご飯の時間でっせ。
…そないウザそうな顔せんといて。マオ」
「あゆむさんが保存してくださったお野菜も使って、たくさんご馳走が作れたのです!」
「そ、そっか。ご飯か‥‥。
教えてくれてありがとね?」
「別にええんよ。ハブるわけにもいかんし。
ただ、あんまり二人がええムードやったもんやさかい話しかけづらくて‥‥」
「……そのわりには、ずいぶん元気に声がかかったがな」
マオがやけに低い声音で述べた。
ジャマされた事を根に持っているのだろうか。
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