第9章 迷いの心、誓いの絆
「フフ……、そうだな」
マオはシアンの肩を抱き寄せた。
シアンも応えるように寄り添う。
「2000年も前の事だけど‥会えて超嬉しかったのを覚えてるよ」
「……我もだ」
そのまま二人は、遠い昔に想いを馳せた…。
―――今から約2000年前の美花区域。
まだ“マナ”とその一族の存在が知られていない古き時代。
その都では、ある噂が人々を賑わせていた。
「ちょっと香!聞いた?!
あの茅様が、ついに宰相になったんですって!!」
「ええーっ!!?茅様って‥‥あの戴茅様よね?!」
雑技団とて、例外ではなく。
団員達で噂話に花を咲かせていた。
「さっすが茅様!ボク、茅様ならやると超思ってたのよ!!」
「スゴいわよねー…あの方、まだ18歳なんでしょ?
その若さで、皇帝の宰相にまで出世なさるだなんて……」
「でもっ!14歳で科挙に一発合格されたほどの天才なんだもの!!
ありえなくもないって~!」
「やっぱり、貴族としてお生まれになった方は、私達とは頭の作りが違うのかしらね…」
「ステキ…どなたになるかはわからないけれど、いずれ奥様になるであろう女性が羨ましいわ」
キャアキャアとはしゃぐ仲間達に、ほう‥‥、と甘い溜め息を漏らす仲間達。
そんな彼女らを前に、少女は思った。
(茅様って、本当に凄い人なんだ‥‥そんなに超立派な人なら、1度会ってみたいな)
「ねえっ、茅様がウチの雑技を見にいらしたりしないかな?
ボク茅様が超気になってきちゃった!なーんて…」
「なに言ってんのよ香、あんな身分の高い方が雑技なんか見に来るわけないでしょ?」
「それに、茅様が気になるのは皆いっしょよ!
身分の壁に邪魔されて、お目通りすら叶わないけどね」
「あはは……そう、よね。ボク本当に何言ってんだろ」
少女は自分に言い聞かせるように言い、苦笑いを浮かべた。
そう、ただの雑技団員が宮殿の宰相になどお目にかかれるものではない、そんな時代なのだ。
そのまま少女は、雑技道具の中国刀を手に取る。
「さあ、もうすぐ開演ね!
今日も楽しい演技を見せられるようがんばろう!!
お客様がボク達を待ってる!」
マオはシアンの肩を抱き寄せた。
シアンも応えるように寄り添う。
「2000年も前の事だけど‥会えて超嬉しかったのを覚えてるよ」
「……我もだ」
そのまま二人は、遠い昔に想いを馳せた…。
―――今から約2000年前の美花区域。
まだ“マナ”とその一族の存在が知られていない古き時代。
その都では、ある噂が人々を賑わせていた。
「ちょっと香!聞いた?!
あの茅様が、ついに宰相になったんですって!!」
「ええーっ!!?茅様って‥‥あの戴茅様よね?!」
雑技団とて、例外ではなく。
団員達で噂話に花を咲かせていた。
「さっすが茅様!ボク、茅様ならやると超思ってたのよ!!」
「スゴいわよねー…あの方、まだ18歳なんでしょ?
その若さで、皇帝の宰相にまで出世なさるだなんて……」
「でもっ!14歳で科挙に一発合格されたほどの天才なんだもの!!
ありえなくもないって~!」
「やっぱり、貴族としてお生まれになった方は、私達とは頭の作りが違うのかしらね…」
「ステキ…どなたになるかはわからないけれど、いずれ奥様になるであろう女性が羨ましいわ」
キャアキャアとはしゃぐ仲間達に、ほう‥‥、と甘い溜め息を漏らす仲間達。
そんな彼女らを前に、少女は思った。
(茅様って、本当に凄い人なんだ‥‥そんなに超立派な人なら、1度会ってみたいな)
「ねえっ、茅様がウチの雑技を見にいらしたりしないかな?
ボク茅様が超気になってきちゃった!なーんて…」
「なに言ってんのよ香、あんな身分の高い方が雑技なんか見に来るわけないでしょ?」
「それに、茅様が気になるのは皆いっしょよ!
身分の壁に邪魔されて、お目通りすら叶わないけどね」
「あはは……そう、よね。ボク本当に何言ってんだろ」
少女は自分に言い聞かせるように言い、苦笑いを浮かべた。
そう、ただの雑技団員が宮殿の宰相になどお目にかかれるものではない、そんな時代なのだ。
そのまま少女は、雑技道具の中国刀を手に取る。
「さあ、もうすぐ開演ね!
今日も楽しい演技を見せられるようがんばろう!!
お客様がボク達を待ってる!」