第7章 愛する理由

「奴らの大切な者……あの人間の子供を利用するのだ」
ヘルデウスはニヤリと不敵に笑む。
「ああ、あの、最近奴らが天上界の神殿に匿ってる人間の子供っすか……クォク・テチョルとかいいましたっけ?」
「うんうん、あの子も可愛いよねえ。あと10年もしたら美味しくイケると思うよ」
「やーんっ、ファルのショタコン!!きもぉーい!!きもお――――い!!!」
ベルゼバブがルシファーの言葉に思わず叫んだ。
「私はショタコンではないぞ、ベルゼバブ嬢。美しい者は全て、平等に愛せるのだよ」
「ただのオープンな変態じゃないのよ………」
アスデモスは呆れたように言う。
「(…またこいつらは、すぐ脱線をする………。私が話しているというのに)
……とにかく、神殿にマナの者がいなくなった隙を見計らい、人間の子供を連れて参るのだ。
奴を盾にすれば、マナの者がこちらに手出しする事は出来なくなるだろう」
「つまり、さらえっつー事っすよね。了解っす」
ベルフェーゴルはアバウトに言った。
「その時には、四人で行ったほうがよろしいですわよね?」
「うむ。良いか…しくじるでないぞ」
「はーい!!頑張ります!!」
元気よく返事をした後、ベルゼバブは再びチーズにかじりついた。
「フフ……面白そうな事になってきたな。
マナ一族に、人間の子供か‥‥‥」
ルシファーはクツクツと喉の奥で低く笑った。
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