第7章 愛する理由

「役に立たなくても、チョルくんはチョルくんと?」
「うん、チョルくんはチョルくんや!」
「お前には聞いてなかよ。こんネガティブサメン。」
「あっ、ヒドイわ…。わい、今後はポジティブに生きよ思てんのに」
「じゃあポジティブサメン?」
「ブサメンから離れんかい!」
タオの失言に、エディは即ツッコミを入れる。
そんな彼らのやり取りがおかしくて、チェンはアハハと楽しそうに笑った。
「それじゃ早くご飯食べに戻ろう?」
「ばってん、行きづらかよー‥」
「だーいじょーぶだーいじょーぶっ!!
皆、あんなちっぽけなコトいつまでも引きずるよーな玉じゃねぇって!
さあ!レッツゴ~!!」
「アイゴォ――――――ッ!!!!!」
タオはがしっとチョルくんの腕を掴むと、猛スピードでダッシュ開始した。
そのあまりのスピードに、5秒もたたないうちに二人の姿が見えなくなる。
「おお~、タオ早いわぁ。
ウォークマスター並みやなぁ」
「あははっ、タオは今日も元気だなぁ♪
まぁ見てて安心するからいいけどね。元気で何よりだよ!」
「うんうん、あれがタオの取り柄やもんな。
ほな、わいらはマイペースに戻ろか~」
「うん、そうしよう!」
静閑な廊下をゆったり自分のペースで歩きながら、チェンとエディは顔を見合せクスクスと笑い合った。

「お~来た来た!
遅いぞ~っ!」
ようやくやって来たタオとチョルくんに、みほが手を振る。
「ただいまー☆
チェンとエディはあとから来ると思うぜ!」
「思うぜ!じゃなか!!
お前、いくらなんでもあれは速すぎるやろが!!
走るならもっとスピード落として走らんね!!こんバカちん!!」
「へへん♪オレ足早いだろー♪」
「バカ子孫が……」
マオが呆れ顔で呟いた。
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