第7章 愛する理由
『あの子、どうするんだ?
ずっとここに置いておくのか?』
『ただで宮殿に住まわせておくわけにはいかんだろう。
兵にするには幼すぎるし、かと言って姫様の大切にしていらっしゃった子を追い出したり売るわけにも……』
『姫様も、なぜあんなまだ何もできないような子供を連れて来られたりなさったのかしら…』
『そもそも、平民の…それも、得体の知れない孤児などが、堂々と宮殿に住める事自体おかしいのよ』
―――耐えきれるわけがなかった………。
「姫様のご迷惑になるかもしれんとか…そげな事も考えながら飛び出した…。
着の身着のまま…。
役たたずは、お家がなくなるんだし。誰にも認めちもらえなか………」
嗚咽を洩らしながら、チョルくんは胸につかえていた思いを話した。
「……やっぱし、変やわ」
暫く間をおき口を開いたエディは、蔭を纏った無表情だった。
「きばらな愛して貰われへんなんて、おかしいてかなんわ。
わいも昔は、居場所を作る事に必死になりすぎて、そないな当たり前に気付かれへんかった」
そのいつになく閉ざした様子に、三人は言葉を失った。
「‥‥ほんまに、おかしいね」
「…………」
彼は、自分と同じ痛みを抱えている……?
大好きな誰かの役に立とうと、嫌われないようにと必死だったのだろうか。
おそらく自分とは産まれ育った環境も生きる世界も違うだろうはずのこの精霊もまた、優しい愛の手を、温もりを求めるただの子供にすぎないのだ。
そんな事を感じ、チョルくんは複雑な気持ちになった。
ずっとここに置いておくのか?』
『ただで宮殿に住まわせておくわけにはいかんだろう。
兵にするには幼すぎるし、かと言って姫様の大切にしていらっしゃった子を追い出したり売るわけにも……』
『姫様も、なぜあんなまだ何もできないような子供を連れて来られたりなさったのかしら…』
『そもそも、平民の…それも、得体の知れない孤児などが、堂々と宮殿に住める事自体おかしいのよ』
―――耐えきれるわけがなかった………。
「姫様のご迷惑になるかもしれんとか…そげな事も考えながら飛び出した…。
着の身着のまま…。
役たたずは、お家がなくなるんだし。誰にも認めちもらえなか………」
嗚咽を洩らしながら、チョルくんは胸につかえていた思いを話した。
「……やっぱし、変やわ」
暫く間をおき口を開いたエディは、蔭を纏った無表情だった。
「きばらな愛して貰われへんなんて、おかしいてかなんわ。
わいも昔は、居場所を作る事に必死になりすぎて、そないな当たり前に気付かれへんかった」
そのいつになく閉ざした様子に、三人は言葉を失った。
「‥‥ほんまに、おかしいね」
「…………」
彼は、自分と同じ痛みを抱えている……?
大好きな誰かの役に立とうと、嫌われないようにと必死だったのだろうか。
おそらく自分とは産まれ育った環境も生きる世界も違うだろうはずのこの精霊もまた、優しい愛の手を、温もりを求めるただの子供にすぎないのだ。
そんな事を感じ、チョルくんは複雑な気持ちになった。