第7章 愛する理由

「‥それは、そうですけど……」
チョルくんの剣幕にミンウが若干怯えながらも、自分達の非を認める。
そして、次の言葉を口にする。
「エディさんが、後悔するよりだったら次すべき事に取り組んだほうがいいといつかおっしゃったんです‥‥。
ですから、次こそは気付けるように明日からもっと修行すれば過ちはそれで償えるのではと…。僕は、思います」
「そう、ですね……わたしも、そう思います」
ミンウの言葉に、コルちゃんが賛成した。
「へぇ。君、そんな事言ったんだ…」
「ただ、後悔だけはしたない言うただけやで」
感心したようにまじまじと自分を見つめるあゆむに、エディは苦笑を浮かべながら言った。
「…それに……。これは、我々マナの者の問題なのだ。
汝の本気で気に病む事ではない」
「そうじゃ。別に、おざなりにしたいわけではないが‥‥お主はそんなに神経をはりつめなくとも大事ないぞよ」
マオとヒミコが、いつものポーカーフェイスで述べる。
それに対しチョルくんは、震えた小さな声で一言だけ口に出した。
「…だって、チョルくん‥‥‥。
約束したとに、役に立てんかったとやもん…」
その言葉に、一同がハッと目を見開く。
その短い間に、チョルくんはダッとどこかへ走り去ってしまった。
「…そっか。チョルくんは、普通の人間でも役に立つからってここに来たんだもんね…。
まさか、あそこまで気にかけていたなんて…」
「…………」
チェンが呟き、イルカは何かを深く考えるように俯いている。
「…あのようなつもりで、申したのではないのにな」
「悪い事をしてしまった……」
マオとヒミコが落ち込んだ様子を見せた。
「…………。オレっ、チョルくん探してくる!」
「わいも!」
「私も行く!」
タオとエディ、チェンが飛び出した。
「お気をつけ下さいねー…っ!」
「チョルくんは飛べないから、絶対神殿のなかにはいるはずよ!!」
マナとシアンが、だんだん小さくなる彼らの後ろ姿に向かい叫ぶ。
彼らを目で追うこともなく、イルカは悲しい表情で俯いたままだった。
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