第5章 予期せぬ危機、予期せぬ出逢い

「くそっ。近頃ヤツら妙におとなしいと思ったら、こういうコトか!
サタンは地獄から天上界に現れるという可能性も考えられるから、気を付けないとな…。
特に3代目の連中、無理だと思ったら無理せず俺達を呼べよ。安全第一なんだから」
「はい、タオさん」
「これは、覚悟をしておかないと…いけないですね。
……わたし、がんばります。世界の為に」
ミンウ、コルちゃんが言った。
『本当に、皆さん気を付けて下さいね。
私も、出来る限りの事をします。
皆さんも、いつでも戦えるよう自分を磨いていて下さい』
「そっか。再び、腰に刀を差す時が来たか…」
ホトが決意を新たに言った。
「ホト、わいと剣術の特訓しような。
いろいろ技を吸収させてや」
「おう。俺にも、洋式の剣道の技教えてな俺にも」
エディに誘われ、ホトは喜んで承諾する。
「チョルくん、君もここにいるなら常に細心の注意を払ってね。
それから、君はマナの一族じゃない普通の人間だから、当然毎日成長するし大きくなる。
自分だけ変わるようで寂しい思いをするだろうけど‥‥そんな時は、なりふり構わずただただ前に向かって走るコトのみを考えて欲しいんだ」
「わかったし!よかよ、エステレラ」
「そういえば、わたくし達は、変身術で大人の姿にならない限りは永遠の少年少女ですものね…。
チョルくんは、どのような男性に成長するのかしらね」
イルカがしみじみと言った。
「チョルくんはイケメンの男になるし!姫様、見ててつかあさいね!!」
そんな義姉に、チョルくんは朗らかに答えた。
「あははっ、コリアン組は余裕だなぁ。
その肝っ玉のでかさがちょっぴりうらやましいよ☆」
いつのまにかエステレラは、伝来ハカセの姿に変わりニコニコとしていた。
それを見て、あゆむはついに訊ねた。
マナ一族の誰もが感じていたであろう疑問を。
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