第5章 予期せぬ危機、予期せぬ出逢い

「わかるわぁ、あたしもずっと一人暮らしだったから…。
寂しかったわよね、チョルくん」
チョルくんの境遇を想い、みほはグスッと涙ぐむ。
「(ちょっぴり変テコなとこあるけど、)素直でいい子ではないか。
我が輩は、別に一般人であろうとここにいても全然構わないのである」
「そうだね!天上界の暮らしで出来ない事は、ボクらでサポートしてあげればいいんだし!」
イリスェント、アダムが言った。
「お前ら、いいヤツやね…仲良ぉしちゃるしっ!
チョルくんはクォク・テチョルっちゅうんだし、よろしくだしー」
「へぇ、ええ名前やな。
でも“~だし”口調と訛りがたまにキズやね」
「なんね?自分ばマジわかっとらんし、これやけんブサメンは。
お前やって訛っとうし」
「わかっとるよ。ただ、チョルくんはせっかくイケメンなんに、もったいないなー思ったねん」
「!
……ふんっ。イイ子ぶんじゃねーし!リップサービスで株上げようとか企んでんじゃね?」
「?企んでへんよ」
照れ隠しなのか腕を組みプイッとそっぽを向くチョルくんに、エディはクスクスと笑った。
(なんか、また変な外人が増えたな変な外人が…)
ホトは心で呟いた。
「先ほどはお言葉を遮ってしまい申し訳ありませんでした、マナの女神。
どうぞ、お続けになってください」
エステレラがマナの女神に頭を下げた。
『いえ、大丈夫ですよ』
(エステレラって、伝来ハカセの時と比べてだいぶキャラ違うのね…)
みほが心の中で言った。
『今年、また悪魔(サタン)の動きが活発になってきました』
「!!またも、サタンが?!」
「サタンて何ですか…?」
「この世界の均衡の源である“マナ”を脅かしこの世界を乗っ取ろうと企んでいる、地獄に住む悪の種族だ。
何千年も前から、我々マナの一族は奴らの手から“マナ”や世界を守っているのだ」
おそるおそる質問したミンウに、マオが説明した。
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