第5章 予期せぬ危機、予期せぬ出逢い

「はあ…。おかしいとは思っとったんや。
ハカセ、何年たってもずうっと永遠の少年で成長せぇへんのやもん」
エディが言った。
「せからしか、世界一のブサメンめ。チョルくんば連れてきてくれたエステレラに文句言うなし」
「‥‥‥(・∨・;)」
思いがけない毒舌に、エディは黙った。
「こ奴は、基準がおかし「お前もまじウケるほどのブサメンやね。チョルくんの足元にも及ばなか」
「……………(―_―)」
「ただの強がりですのでお気になさらないで下さいな、エディさん、マオさん。
この子は自分よりイケメンは外敵ですの」
「HAHAHA、自分が世界一イケメンだと思ってるんだね☆
うん。HappyBoyってとこかな^^」
アダムはケラケラ笑った。
「なっ、いきなり失礼な奴だし!!」
チョルくんが憤慨する。
(いや、アダムも貴様にだけは言われたくないだろう…)
(どっちもどっちやな…)
マオ、エディが胸の内で独語する。
「イルカよ、お主この子を知っておるのか?」
ヒミコが尋ねた。
「ええ。何せ、わたくしが宮殿で教育していた子ですもの」
「あいやぁっ?!!イルカさん、14歳にして一児の母親なのですか?!超すごいです!!」
ミンウは何か勘違いをしているようだ。
「超違いますわそこの天然ボーイ」
それをイルカが訂正した。
「チョルくん、孤児やったけど姫様に拾って頂いたんだし。
姫様、チョルくんの大切なヌナだしっ」
チョルくんはイルカにきゅむっと抱きついた。
彼の小さな頭をイルカは撫でる。
「しかし、わたくしはマナの巫女として旅立たねばならず、この子を宮殿に置いていってしまい……ずっと、心に引っ掛かっていたんですの。
まさか、追いかけてきてくれるだなんて…」
「姫様のおらん宮殿なんか、チョルくんのお家じゃなかもんっ!
チョルくんの味方は、姫様だけやもん…!
お願いだし、いなくならんで…ヌナーっ!」
わぁっと泣き出したチョルくんを見て、イルカは胸が締め付けられた。
他の、マナ一族も。
「彼には、自分は一般人だけど、必ず役に立つという意志があったからここに連れて来たんだ。
マナの女神、どうか彼をイ・シェムルカのそばに置かせては頂けませんでしょうか…?」
エステレラは、マナの女神に願い出た。
『ええ、勿論かまいませんわ。人間を見守るのも、私達マナの者の仕事ですから』
「ありがとうございます、女神様」
快く承諾したマナの女神に、イルカは微笑んで礼をした。
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