第5章 予期せぬ危機、予期せぬ出逢い

「全く、速すぎるのである!もうちょっと我が輩やコルちゃんのコトを考えるべきなのである!」
「Sorry.」
「まぁまぁ、イリスェントさん…。わたしは、気にしてないですから……追いつけたのでそれでいいです」
「Thank you!!コルちゃんは優しいなぁ!」
「きゃっ」
「(……)」
嬉しそうにコルちゃんに抱きつくアダムを見て、むっとするイリスェント。
そんな学者達を眺めているほぼ全員が、彼らの関係を悟った。
(ははーん。このちびっこ達、三角関係なのね)
「ねぇ、伝言って何ですか?」
ミンウのみ空気が読めていないが、これは天然ゆえで決してわざとではない。
「OH、いけないいけない、忘れるとこだった!
うんとね、ボクの勘だとも少ししたら“あのお方”からお呼び出しがあるかもしれないから」
「“あのお方”…?誰なの、それ?」
「ああ、マナの女神だな。この世界の均衡を司る神さん」
「ちゃんと神様と言え、バカ子孫」 
タオが大雑把な説明をした後、マオがすかさず毒を吐いた。
「マオって、バカバカバカバカと口が悪いが礼儀正しいのだな…かつて故郷で宰相をやっていたからであるか?」
「そのわりに口が悪いのは、難しいお年頃だからだねHAHAHA」
イリスェント、アダムが言った。
「だまれSHOta共」
マオがまたしても毒を吐いた。
「読みづれぇよ、ボケ先祖…。これ読んでる人の事考えろよ」
それをタオが咎める。
「愚か者が。そのまま表記するのもどうかと試行錯誤した結果だ」
「じゃあ言うなよわざわざ!」
「はいはい、お下品な会話は終了!
それで、マナの女神からのお呼びだしってのは、どうやって来るの?」
みほが訊ねると、アダムが応じた。
「んー、テレパシーでマナの一族全員に一斉に?」
「…ごめん、よくわからないわ。」
「まぁ来たら来たでわかるさ☆
――いっとくけど、ボクは大真面目に答えてんだからね?」
「ごめん、よくわからないわ」
みほは同じセリフを2回言った。
「確かに、アダムの真面目な時とふざけた時のテンションの違いってよくわかんねぇよなー」
「シャラップ、ツンデレ!」
「ツンデレじゃねーし!タオだし!!」
いや、ツンデレだろう。
この場にいる全員がそう思った。
そしておバカである。
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