第4章 後悔なき道
「君のチカラが本格的に開花する7年後に、また迎えに来るよ。
7年後の4月8日14時に…また、この場所で会おう。待ってるよ」
“3代目方角師、エディオニール・フランソワ…”
ハッと気が付いた時には、その場には伝来ハカセの声だけが残る。
「7年後……この場所で……」
エディオニールは、彼のいた場所を見つめ微笑んだ。
「お待ちしてます……ムッシュー」
それからエディオニールは、毎日を懸命に生きた。
どんなに両親から厳しい発言を受けようと、つらい稽古に眠る時間を奪われようと、自暴自棄にならずに必死に頑張った。
エディオニールは立派な貴族の青年として成長した時、やがて7年がたち、あの“約束の日”になっていた――――。
「エディオニール、お前ももう17歳だ。そろそろ、このラフォレ・ダンジェラード家を継がせても良い頃だろう」
「そうですね。今の貴方にならば、相応しいでしょう」
両親に、エディオニールは意志のこもった表情で告げた。
「お父様。お母様。
その事なのですが……、私は、今日この家を出るつもりでいるのです。
ですので、申し訳ありませんが跡を継ぐ事は出来ません。どうか、お許し下さい」
「なっ…なぜです?!なぜ今になって、そのような事を言うのです!!」
「私は……、マナ一族だからでございます………」
広い部屋に、シンと張り詰めた空気が流れた。
「身勝手は承知です。旅立ちを、お許し下さい!
私は、ただ煌びやかに着飾り、夜ごと女性の方と踊り歌うより世界の為に――‥‥」
「良い。エディオニール。
旅立ちを許そう」
「!本当ですか?!」
「ただし、この家を出た瞬間から、二度と足を踏み入れる事は許さん。
人間としてではなく、精霊として生きるだなど、たわけた事を言う者は私の息子ではない。
良いな……?」
父親も母親も、無表情に自分を見据える。
父親の言葉がズンと重く悲しくのしかかるが、自分は憂えたりしている場合ではないのだとすぐに切り替えた。
7年後の4月8日14時に…また、この場所で会おう。待ってるよ」
“3代目方角師、エディオニール・フランソワ…”
ハッと気が付いた時には、その場には伝来ハカセの声だけが残る。
「7年後……この場所で……」
エディオニールは、彼のいた場所を見つめ微笑んだ。
「お待ちしてます……ムッシュー」
それからエディオニールは、毎日を懸命に生きた。
どんなに両親から厳しい発言を受けようと、つらい稽古に眠る時間を奪われようと、自暴自棄にならずに必死に頑張った。
エディオニールは立派な貴族の青年として成長した時、やがて7年がたち、あの“約束の日”になっていた――――。
「エディオニール、お前ももう17歳だ。そろそろ、このラフォレ・ダンジェラード家を継がせても良い頃だろう」
「そうですね。今の貴方にならば、相応しいでしょう」
両親に、エディオニールは意志のこもった表情で告げた。
「お父様。お母様。
その事なのですが……、私は、今日この家を出るつもりでいるのです。
ですので、申し訳ありませんが跡を継ぐ事は出来ません。どうか、お許し下さい」
「なっ…なぜです?!なぜ今になって、そのような事を言うのです!!」
「私は……、マナ一族だからでございます………」
広い部屋に、シンと張り詰めた空気が流れた。
「身勝手は承知です。旅立ちを、お許し下さい!
私は、ただ煌びやかに着飾り、夜ごと女性の方と踊り歌うより世界の為に――‥‥」
「良い。エディオニール。
旅立ちを許そう」
「!本当ですか?!」
「ただし、この家を出た瞬間から、二度と足を踏み入れる事は許さん。
人間としてではなく、精霊として生きるだなど、たわけた事を言う者は私の息子ではない。
良いな……?」
父親も母親も、無表情に自分を見据える。
父親の言葉がズンと重く悲しくのしかかるが、自分は憂えたりしている場合ではないのだとすぐに切り替えた。