第3章 精霊達の使命

「チェンくーん、超お疲れーっ!」
ダークシルバーの髪の少女がチェンをねぎらう。
「んーん、全然!」
それにチェンは笑顔で返した。
「……あのー。つかぬことをお伺いしますけど。
もしかしてあんさんとチェンは、血縁関係とかあったりするん?」
エディに投げかけられた質問に、黄土色の髪の少女はほんの数秒間きょとんと目を丸くしていたが、明るく笑い飛ばした。
「あはははっ、ヤダなあ、エディくんたら!確かにボクとチェンくんは双子のよーに超似てるけど、赤の他人よー?
――でも、能力者としての関係は超あるけどね?
ボクは初代方角師、李 香(リー・シアン)。シアンだよ!美花区域出身の外見年齢18歳!」
「おおっ、てコトはあんさんわいのご先祖様か!
3代目方角師のエディや、よろしゅう頼んます~」
エディはぺこりと頭を下げる。
「…ふむ。確かに連れてきたな。バカ子孫、貴様にしては、よくやったではないか」
「うっせえよ、ボケ先祖!!」
冷静な面持ちでタオと皮肉の言い合いをしながら自分に歩み寄る中華風の黒髪の青年を、ミンウはきょとんと見上げる。
「…我は、戴 茅(ダイ・マオ)。マオだ。
…外見年齢は18になる。美花区域出身だ。
初代格闘家だ。よろしく」
「初次見面。清 明宇です。こちらこそ、よろしくお願いします」
マオの大きな手と、ミンウの小さな手が握手を交わす。
「んーと……。俺は初代ウォークマスター、世歩 歩人(せほ ほと)。
ホトでいいぜ。外見年齢15歳。倭区域出身。
とりあえず、よろしく?」
「どーして疑問系なのよ。
――みほよ、こちらこそよろしくっ」
苦笑いしつつ、みほは紫髪の少年――ホトと握手した。
「‥あ、私、神楽マナです。マナと申します。
外見年齢15歳です。初代巫女です。倭区域出身です。よろしくお願いいたします」
「では、貴女がわたくしのご先祖様ですのね?
はじめまして、わたくし、イ・シェムルカと申します。コリア区域出身ですわ。イルカと呼んでくださいましね」
黒髪の少女――マナは柔らかくイルカに微笑む。
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