第3章 精霊達の使命
「なっ、なんやねんっ自分ら!!」
時を同じくして。
案の定、突如光と共に現れた2代目のマナ一族にみほの帰りを待つ3代目の仲間達は動揺していた。
「だっ、誰、ですか…?」
(あ……!この人達……不思議な感じがする…。私達と同じ…?)
「ごきげんよう」
しかしイルカのみが、余裕綽々で挨拶をしている。
なんという肝っ玉。
「ごきげんよう♪」
それに対し、チャイナ服のおだんごヘアの少女が挨拶を返す。
「なんだかなー。そんなに身構えられると、後が困るぜ」
彼女と外見年齢の似たチャイナ服の少年は、バツの悪そうに後ろ頭を掻いた。
「もしやお主ら、マナの魔術をほとんど見たコトがないのか。
これは、驚くはずじゃ…。失敬失敬」
黒髪をひとつに結わえた丈の短い着物の少女が、優雅な口調で謝罪した。
「驚かせてごめんね。僕らは2代目のマナ一族、君達を探してここまで来たんだ♪」
見た目コルちゃんと同じくらいの少年が、説明した。
なぜか楽しそうだ。
「なんや、ご先祖様かぁ…。わいらも、あんたらに会う為に旅を続けとってん」
「あれっ?ちょっと待って。
マナ一族って、一代ごとに全部で5人の能力者がいるはずですよね?
もうひとりの方は……?」
「ああ大丈夫だよ、そのうち来るから」
ミンウの疑問に、おだんごの少女が答えた。
「とりあえず、俺達がお前らのもとを訪ねた目的と自己紹介は、お互いの仲間が戻ってきてからにしようぜ。
―――お、来た来たっ☆グッドタイミング!!」
話しながら中華服の少年が振り向けば、テントの入り口にはなんとあゆむとみほの姿が。
「あら、みほ。お帰りなさいまし。
そちらの地味な方はなにかしら?ご趣味ですの?」
「バッ……!!
なワケないでしょ、イルカっ。
誰が好き好んでこんな地味なの連れるか!」
イルカとみほの強烈なやりとりに、あゆむはショックでぼうぜんとしてしまった。
女は怖い。
すみっこで着物の少女以外の2代目達が懸命に笑いをこらえている。
「クラージュ、コム・ジュ・ヴ・プレン?(元気出せや、同情するで)」
「なに言ってるかわからないよ」
エディが母語で励ますも、出身区域の違うあゆむには通じなかったようだ。