第3章 精霊達の使命

「まったく…ありえないわ」
むすっとぶつくさしながら、みほは野道を歩いていた。
手には、大きな袋を抱えて。
「女の子ひとりで町まで買い出しに行かすとか……、ありえなくない?
いくらウォークマスターが疲れ知らずだからってさ」
皆のいるテントどこだっけ?と、みほが何気なしに右方を向くと、
「大変そうだね。僕も手伝うよ」
坊主頭にバンダナを巻いたリュックを背負った少年が、ひょいっと荷物をひとつ持った。
顔立ちはよくいそうな感じで、良く言えば素朴、悪く言えば地味である。
「お互い、苦労するね。ウォークマスターは人並みはずれた体力で疲れ知らずだから、僕も皆からパシられまくりでさ…あはは…」
「お互い…って…。
あなたは、まさか…」
「そう、僕もマナの一族。
2代目ウォークマスター、大地あゆむだよ。
外見年齢12歳ね。君と同じ倭区域出身」
あゆむと名乗る少年は、どうやらみほの先祖のようだ。
という事は、彼が―――‥‥。
「あたし達3代目を探している、ご先祖様――…!
まさか、こんな出会いを果たすなんて…。
あたしはみほ、世渡みほよ。ところで、その他4人のご先祖様は?」
みほの質問に、あゆむはニッコリ笑顔で答える。
「君以外の3代目のいる場所に向かってるよ^^*」
……………………。
「へっ!?(゜∇゜;)」
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