エピローグ~新たなる世界~

「ほう、美花区域の……。
ならば話はちょうどいい!
某は、世歩歩人。殿の小姓だ。
上様のもとまで行くのならば、某が案内してやろう」
ホトは、自らを指しニッと笑顔を見せる。
マオもまた、表情を柔らげた。
「助かる。城までの道がわからず、迷っていたのだ。
まさか、訊ねる前に申し出てくれるとは」
「いいってことよ!
そういえば、美花区域の皇帝から巻物を頂けると上様がえらくお喜びあそばされておったな」
「わあ、ほんと!?それなら、ボク達も超持ってきがいがあるよ!!」
シアンは、馬上でテンションを上げる。
「よし、ついて参れ」
二人の乗る馬を引きながら、ホトは二人に話しかけた。
なんだか、興味のひかれる二人だ。
まるで、初めて会った気がしないような。
そんな、何かを感じさせる相手。
それは、マオとシアンも感じていた。
「「「〈なぁ/ねぇ〉……」」」
「「「………」」」
三人、声が重なった。
若干、気まずい空気が流れる。
「あ、いいよいいよ。二人から言って?」
「何を言う。汝か世歩殿から……」
「いやいや、そちらからだろそちらから」
「「「…………」」」
ようやく切り出したのは、ホトだった。
「いや、なんかさ……。
貴公らには、初めて会った気がしないんだ。
まるで、遠い昔に離れた大切な友と再会でもしたかのように。
変だよな。初めて会ったはずなのに……」
ホトは、複雑そうな表情を浮かべポリポリと頬を掻く。
「すまない。無礼を申したな。忘れてくれ」
「そんな、無礼だなんて!
だったらボクだって無礼者よ!
ボクだって、超感じてたの……。どうしてかなあ…?」
「シアン…汝もか…?
実は、我もなのだ…」
「摩訶不思議だなぁ…おもしれえじゃねぇか」
嬉しそうに、ホトはクツクツと喉の奥で笑う。
15の少年らしい、向日葵のような笑顔だ。
「俺達、もしかして前世はどこかで知り合った大親友だったのかもな?
区域も違うのにな区域も」
「区域が違う者同士でも、友にはなれる。
ホト。我々と友達になろう」
「ボクもボクも!ボクもホトくんと友達に超なりたいわ!!」
「面白い!なってやろうじゃねえか、友達に?」
ホトは満開の笑顔を咲かせ、新たな友人を手にした。
「やったーあ!!」
シアンがバンザイをして喜ぶ。
マオも、嬉しそうに微笑んでいる。
「よっしゃー!!上様にご報告するぞ上様にー!!
家臣仲間にも見せびらかしてやるぜ!!
そうそう!あとで婚約者にも紹介していいか紹介?」
「あはは!ボク達を?」
「ちょっとは落ち着かぬか。汝は本当に小姓か?
全く、騒々しい男だ…」
友は再び、出会いを果たした。
彼らは、身分を超え、性別を超え、良き絆を築き上げゆく事だろう。

そして、さらに1000年の時が巡り―――‥‥。
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