エピローグ~新たなる世界~
軈て時は流れ、世界は新たな姿を手にした。
悪魔達が転生を果たして、今1000年目を迎えようとしている。
ヘルデウスはメタラオン、ルシファーはミカエル、
ベルフェーゴルはザフキエル、アスデモスはハニエル、ベルゼバブはケムエルと名を変え、天使としての人生を謳歌している。
そして。変わったのは、名前だけではなかった。
「いやあ、私、金髪に憧れてたんだよね~。
嬉しい嬉しい」
自らのウェーブヘアを指で弄りながら、神殿でルシファーもといミカエルはご満悦である。
そう。彼ら悪魔は、転生してから金髪と白い翼を手に入れたのだ。
頭には月桂冠が、衣装も純白の布で出来ており、かつてサタンであった頃の面影は見受けられない。
「悪魔だった時は、黒髪だったもんの…」
新しい姿のベルフェーゴル、ザフキエルはオールバックではなくふわふわの短髪になっている。
ちなみに彼は天然パーマであり、サタン時代からオールバックにしない限りこの髪型らしい。
このヘアスタイルは、より天使らしく見えるからとのエステレラの奨めである。
「そういえば、玲音君も金髪だったよね」
「あれはわざわざ染めてるんすよ。
元ヤンっすから。
んで紅いカラコンしてたんす」
「はは‥‥。“紅眼の獣王《レオ》様”だもんね。
楽しい元ヤンだったよ」
彼が成仏するまで、本当に楽しい時間を過ごした。
彼のおかげでチョルくんがいない寂しさを紛らわす事が出来た恩を、四天王もヘルデウス―――メタラオンも忘れはしない。
彼らはいつまでも自分達の大親友だ。
「おーいっ!ファルー!!フェル~!!」
「こんな所にいたのね」
二人のもとに転生後のアスデモスとベルゼバブ、ハニエルとケムエルがやって来た。
ハニエルのさらさらとした金髪が、またケムエルの金色の巻き髪が、彼女達の前世を思わせる。
「ベルベル。アニー」
「うーん、なんだろう…?私達って、天使となっても以前のあだ名で呼びあってるんだよね。
聖書には関係しないからいいけど…」
「だって、ファルは“ファル”でしょ?
“ファル”との付き合いが長いんだから、今さらミカエルなんて呼べやしないわよ」
ハニエルは、さらっと言ってのけた後、優美な微笑を浮かべた。
天使となっても、彼女の美しさは変わらない。
「ハハ。かなわないな。前世から」
ミカエルはクスクスと笑う。
「ねーねー、あたいは“強さ”を、アニーお姉様は“美しさ”を、フェルは“知識”を司る天使になったんだよね?ファルはなんだったっけ?」
「私かい?“正義”さ」
「ふーん。かつては大判官だったおめえには、ぴったりというか……みんな、なんかぴったりすぎる気がしないでもないっす」
「そうかい?」
「フフッ…気分がいいわ」
「あはは!それを言うなら、フェルもね?」
地獄のブレーンであったザフキエルは“知識”。
ハエ騎士団創設者のケムエルは“強さ”。
誰もを虜にする色欲の悪魔であったハニエルは“美”。
地獄の大判官であったミカエルは“正義”。
まるで、前世が映し出された鏡のようである。
「考えるわよね~、エイレンテューナも。
そしてヘルデウス様‥‥メタラオン様は、神と人間の繋がりの糸を結ぶ力を司られてる。
大したものだわ」
「なんか、どうしてもヘルデウス様って呼んじゃうっすよね…。
“ヘルデウス様”だった頃の印象が強いというか…」
悪魔達が転生を果たして、今1000年目を迎えようとしている。
ヘルデウスはメタラオン、ルシファーはミカエル、
ベルフェーゴルはザフキエル、アスデモスはハニエル、ベルゼバブはケムエルと名を変え、天使としての人生を謳歌している。
そして。変わったのは、名前だけではなかった。
「いやあ、私、金髪に憧れてたんだよね~。
嬉しい嬉しい」
自らのウェーブヘアを指で弄りながら、神殿でルシファーもといミカエルはご満悦である。
そう。彼ら悪魔は、転生してから金髪と白い翼を手に入れたのだ。
頭には月桂冠が、衣装も純白の布で出来ており、かつてサタンであった頃の面影は見受けられない。
「悪魔だった時は、黒髪だったもんの…」
新しい姿のベルフェーゴル、ザフキエルはオールバックではなくふわふわの短髪になっている。
ちなみに彼は天然パーマであり、サタン時代からオールバックにしない限りこの髪型らしい。
このヘアスタイルは、より天使らしく見えるからとのエステレラの奨めである。
「そういえば、玲音君も金髪だったよね」
「あれはわざわざ染めてるんすよ。
元ヤンっすから。
んで紅いカラコンしてたんす」
「はは‥‥。“紅眼の獣王《レオ》様”だもんね。
楽しい元ヤンだったよ」
彼が成仏するまで、本当に楽しい時間を過ごした。
彼のおかげでチョルくんがいない寂しさを紛らわす事が出来た恩を、四天王もヘルデウス―――メタラオンも忘れはしない。
彼らはいつまでも自分達の大親友だ。
「おーいっ!ファルー!!フェル~!!」
「こんな所にいたのね」
二人のもとに転生後のアスデモスとベルゼバブ、ハニエルとケムエルがやって来た。
ハニエルのさらさらとした金髪が、またケムエルの金色の巻き髪が、彼女達の前世を思わせる。
「ベルベル。アニー」
「うーん、なんだろう…?私達って、天使となっても以前のあだ名で呼びあってるんだよね。
聖書には関係しないからいいけど…」
「だって、ファルは“ファル”でしょ?
“ファル”との付き合いが長いんだから、今さらミカエルなんて呼べやしないわよ」
ハニエルは、さらっと言ってのけた後、優美な微笑を浮かべた。
天使となっても、彼女の美しさは変わらない。
「ハハ。かなわないな。前世から」
ミカエルはクスクスと笑う。
「ねーねー、あたいは“強さ”を、アニーお姉様は“美しさ”を、フェルは“知識”を司る天使になったんだよね?ファルはなんだったっけ?」
「私かい?“正義”さ」
「ふーん。かつては大判官だったおめえには、ぴったりというか……みんな、なんかぴったりすぎる気がしないでもないっす」
「そうかい?」
「フフッ…気分がいいわ」
「あはは!それを言うなら、フェルもね?」
地獄のブレーンであったザフキエルは“知識”。
ハエ騎士団創設者のケムエルは“強さ”。
誰もを虜にする色欲の悪魔であったハニエルは“美”。
地獄の大判官であったミカエルは“正義”。
まるで、前世が映し出された鏡のようである。
「考えるわよね~、エイレンテューナも。
そしてヘルデウス様‥‥メタラオン様は、神と人間の繋がりの糸を結ぶ力を司られてる。
大したものだわ」
「なんか、どうしてもヘルデウス様って呼んじゃうっすよね…。
“ヘルデウス様”だった頃の印象が強いというか…」