第2章 "3代目"の集結

「ふふっ…。なんだか、お兄さんとお姉さんができたみたいで嬉しいです。」
「お前はかわええやっちゃなぁ。弟ができたみたいや」
はにかみ笑うミンウの頭を、エディが頬を緩めながらなでる。
その後ろでは、彼が若干ニヨニヨしているように見えたのか、みほがドン引きしていた。
「なんや自分。何引いとんねん」
「いえ、別に…。
(顔デレデレだったんですけど)」
「ところで、これからどこに向かいましょう?」
「せやな。現時点では、伝来ハカセに残りの三代目のお仲間を探せ言われとるんやけど…とりあえず、コリア区域にでも寄ってみるか?」
「あ、いいですね!行くだけでも、何か価値はありそうです」
「でもさ、コリア区域ってずいぶん遠くじゃない?
行くとしたら、長旅になるかしら…」
「わいに任せとき。近道考えて案内したるで」
エディが自信満々に言うが、
「あ、そういやエディ方角師だったっけ?忘れてたわ」
「あははは、そーでしたね~~。すっかり忘却の彼方です」
…二人はなぜか、彼の便利な能力の存在を忘れていた。
「もう忘れとったんかい!!!」
そんな漫才のような会話を繰り広げている一同の耳に、どこからか綺麗な声が届く。
“コリア区域に行く必要はありませんわ。”
「「「―――!!?」」」
「み…みほさんっ。何か、言いました?」
「えっ、今のはあたしじゃないわ!でも確かに、女の子の声が……誰……?!」
すると辺りが光に包まれ、チマ・チョゴリを身に纏ったおかっぱ頭の女の子がふわりと降り立つ。
どこからともなく舞い降りた彼女に、三人は目を奪われた。
「初めまして。マナの一族たちよ…。
わたくしは三代目の巫女、イ・シェムルカと申します。14歳です」
イ・シェムルカと名乗る彼女は、品良く微笑んだ。
どうやら彼女が、三代目のマナ一族の“巫女”にあたる人物らしい。
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